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異世界で幸せに~運命?そんなものはありません~  作者: 存在証明
ルーヴルへの旅路

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3次試験~それぞれの思い~

「なぁ、俺、合格してると思う??」



「手応えはどうだったの?」



「たぶん合ってるってやつが多かってん!それに比べて絶対合ってるって確信持てたやつがあんまりないねん。」



「合格ラインは7割だから多分合格してると思う。後は3次試験次第だ。」


今3次試験の面接の順番待ちをしている所なのだが、なぜだか部屋から出てくる全員が暗い顔をしている。面接はよっぽどのことがない限り不合格にはならないはずだ…筆記試験の結果で不合格になっている場合もあるけど、全員が暗い顔をしているのはおかしすぎる。


「そこの3人、入ってくれ」


ついに呼ばれてしまった。気づいた人も多いはずだ。そう、この試験パーティーメンバー全員で受けなければならない。それになんの意図があるのかはサッパリ分からないが…


部屋に入ると30代くらいの男が1人座っていた。


「はじめまして。俺はバルセのギルドマスターのルクスだ。実技試験の結果はカイ、コウ、イリアスの順番に言うと、100点満点中85点、85点、97点だ。また、筆記試験は100点満点中100点、93点、97点だ。ちなみに君達は今回の試験の上位3名となっている。面接は点数をつけないため3人ともEランク試験に合格だ。ということでこのバッチと交換だ。」


大きくEと描かれたバッチを受け取り自分の胸辺りにつける


「まず、そうだな。カイからいこう。お前は試験官に勝利したにも関わらず100点じゃなかった。それはなんでかわかるか?」


「最初の打撃が甘かったからですよね?このままじゃ試験に落ちると思ったから奥の手を使ったんです。まともにやって受かるんならやってませんよ。」


「分かっているなら言わなくいいか…それじゃあ次はコウ。お前の剣術の腕は今回の受験者で一番高い。だがそれで85点だ。剣術の試験においては80点が剣術の得点、残りの20点がユニーク点だが、お前はユニーク点においては5点しか取れていない。これからは真っ向勝負じゃなくてカイのようにとは言わないが裏を取る練習をした方がいい。人間はもちろん高ランクの魔物になるにつれて卑怯なやつが多くなるからな。最後にイリアスだが、お前は特に言わないといけないことはない。3点ひかれているのは高レベルのスキルに対して回復スピードが少し遅かったからだ。だが、そこは魔力操作を鍛えればすぐに追いつくだろう。その年齢でここまで回復魔法を使える者はほとんどいないから誇った方がいい。それじゃあ一応試験を始めたいんだがその前にこれまでの話で何か質問はあるか?」



「少し話がずれてしまうんですけど、他の受験者にも同じようなことを言いませんでした?」



「うん?ああ、もちろん言った。だが、自信過剰な上にそんなに優秀じゃあない奴らばっかりだったから、お前達の時よりもボロカスに言った気がするがな。」


だからあんなに暗い顔をしてたのか…


「もういいか?それじゃあ試験を始める。…ゴホン、お前たちは盗賊に襲われている人を見たらどうする?襲われている人は1度も会ったことのない他人とする。まずはカイから答えてくれ。」



「その盗賊の強さや人数によりますけど、基本的には助けません。」



「どうしてだ?」


 

「知らない人に命をかけれるほど僕は善人ではありませんから。でも、これは僕が1人の場合です。コウとイリアスがいるのであれば2人の意見を尊重します。彼らが助けたいのなら協力します。さすがに勝てそうにない相手なら止めますけどね。」



「なるほどな…。次はコウだ。」


「俺は善人ではないけどできる限り助けたい。」


「理由は?」


「俺はこれまで人にひどい事をされきた。それを見ていたのにも関わらず平気で無視して傍観者を貫く大人もおった。俺が他人やからって襲われている人達を見捨てたら俺もアイツらと同じやと思ってしまうんや。でも、仲間が出来てちょっと考え方が変わった。俺の個人的な考えを仲間に押し付けるのは少し違うやろ。だから無理やと判断した時は迷わず逃げることにする。」


「次はイリアスだ。」


「僕は基本的には助けたい。僕はここまで来るのにたくさんの人に助けられたから、次は僕が助ける番だと思うんだ。コウと同じで個人的な考えを仲間に押し付けたくないから3人の時は一番冷静でいれそうなカイの意見に従う。」


「なるほどな。お前達は本当に優秀だな。さっきの奴らなんか、心にもないことしか言わなかったのにな。それじゃあ試験は終わりだ。退出してくれて構わない。」


もしかしてこの面接は、パーティー内での思考をまとめてもしもの時に仲間割れしないようにしてくれているんじゃないだろうか?


そう思って、コウとイリアスに続いて最後に退出する時にギルドマスターに一礼した。

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