ルーン
「カーイ、朝やで起きや~」
幻聴、そうこれは幻聴だ…
「うん、分かった……zzZ」
「いや、分かってへんやん!ほら、朝ごはん作ったから早よ起きて?冷めるで」
「朝ごはん…」
「うん。ホーンラビットの肉と野菜と卵を挟んだだけの簡単なサンドイッチやけど」
あ、そっか時間停止機能付きの魔法鞄をコウも使えるようにしたんだっけ…
「食べへんの?」
「食べる~」
と言いながら眼を閉じようとするとコウにテントから引きずり出された。
「君もお腹空いてる?」
そう問うと狼がワフッと鳴いてしっぽを振った。
コイツ、話分かってんじゃね?ま、いっか
「あれ、眼が青い。あーそういえば、ムーンウルフって月明かりで眼が金色になる魔物だったっけ?こんなに綺麗なのに図鑑ではなんで金色でしか載ってないんだろ?」
ホーンラビットの肉を分けてやると美味しそうに頬張った。
「ねぇ、僕らの仲間にならない?三食昼寝付きだよ。」
「いや、狼に言っても分からんと思うで?」
「でも、嬉しそうにくるくる回ってるよ?…じゃあテイムするね?でもここまで来てテイムに失敗するのは情けないから確実に成功させたいんだけど、やり方いまいち分かんないんだよね。」
「心のなかでコイツと仲間になりたいって強く願えばエエんとちゃう?知らんけど」
「そういうものなの?」
ねえ、僕の仲間にならないかい?
狼と不意に眼があった。
ピコン 月光狼を仲間にしますか?
YES NO
迷わずYESを押す。
ピコン 名前を決めてください
「名前か~。よし、あれにしよう。君の名前は今日からルーンだ。」
「ルーン?何で?」
「ルーンていうのは“神秘”っていう意味があるんだ。彼の姿がまさに神秘的だったからその名にふさわしいと思ってね。」
ピコン テイムが完了しました
どうやらテイムした仲間のステータスが見れるようだ。コウにも見せてやろうっと
ステータスオープン!
名前:ルーン
種族 月光狼 レベル3 年齢 0 レベル 7
体力 648/1200
魔力 450/600
俊敏 85
スキル
咆哮:レベル2 噛みつく:レベル2
身体強化:レベル1 肉体的苦痛耐性:レベル4
影魔法:レベル1
固有
変化自在
魔法適正 風 闇
称号
永遠の親友
咆哮レベル2
自分より弱い敵を追い払う
噛みつくレベル2
指ぐらいなら余裕で噛みきる
身体強化レベル1
ちょっと体を強くしたりできちゃう
肉体的苦痛耐性レベル4
何があったんだ!?って聞きたいレベル
普通ここまでレベルは上がらない
影魔法レベル1
自分や相手の影を操れる。まあレベル1は大したことない
変化自在
特異個体が持っている能力の中でも結構珍しい。自分の大きさを変えれる能力
永遠の親友
テイムした者及び仲間と認識した者を絶対に裏切らない。利益のために裏切ったら最後、、、まあわかるよね?
永遠の親友ってなに?!めっちゃ怖いんだけど…
てか何で月光狼の横にレベル3って書いてんの?ちょっと意味がわからない
でもまあいっか。テイムできたんだし…
「属性で闇持ってる!!俺と一緒やん!?いや、そんなことより体力半分ぐらいしかないやん!そうや、スタンピードん時にパクったポーションまだ使ってなかったよな?」
と言ってごそごそと鞄を探り始めた
「…これや!カイ、これって動物にはかけたほうがいいんかな?」
「ちょっと待って、鑑定するから」
鑑定
下級ポーション 品質 普通
味が最悪で効き目も悪くなるため、かけた方が良い。
かすり傷等はこれで治る
「人間もかけた方がいいらしいよ。」
「そうなんや、了解!じゃあちょっと染みるかもしれんけど我慢してな?」
コウがポーションをルーンにぶっかけると少し傷口が光って切り傷等はみるみるうちに塞がった。
「痛くないの?」
と聞くとワフッと答えてピョンピョンと飛び上がった。
「これ、染みないんだ」
ルーンのステータスの体力の欄が1000/1200ぐらいまで回復するのを待って一旦アルクィンに帰ることにした。
「アルクィンに着く前に薬草をノルマ分採れて良かったよ。それにしても狼の嗅覚は凄いね、すぐに見つけられたから昼過ぎに着いちゃった。」
「いや、どっちかというと俺らがルーンに乗って来たから早よ着いたんやと思うで?まさか2人も乗れる程大きくなれるとは思わんかった。あっ、ルーン、ここが俺らの拠点アルクィンや!こっからは大人しゅうしといてや」
「ワフッ!」
ちなみに今は子犬サイズだ。
「あ、カイとコウじゃないか。任務帰りか?」
「あ、ヴォルガさん。そうです。薬草を取りに行ってました。」
「そうか。…ところでお前らその狼はなんだ?見たことないんだが?」
「月光狼やで。亜種やから色ちゃうけど」
「亜種!?こんな色をしてるのか!」
「そんな驚くことなん?」
「知らないのか?月光狼は異端な物を排除する習性があるから亜種の生存率はほぼ0なんだ。だから俺も今まで見たことがなかった。」
「へぇ~、ところでテイムした魔物ってギルドに登録すれば良いんですよね?」
「そうだな、登録した後にギルドの方から首輪とかを貰えるからつけておいた方がいい。」
「わかりました。」
ギルド
「あら、カイくんとコウくん。依頼が無事に終わったのね。それじゃあ薬草を出してくれる?」
「わかりました。」
鞄から癒し草11束、ヒール草12束を取り出す。
「あら、かなり状態が良いわね。癒し草とヒール草を1束350リビアで買い取るわ。過剰分も買い取っちゃって構わないかしら?」
「はい、お願いします。」
「OK。はい、合計8050リビアね。…ずっと気になっていたんだけど、その犬は君たちの従魔かしら?」
「カイの従魔やで!登録して欲しいんやけど、いける?」
「大丈夫よ。はい、ここに従魔の名前とここにカイくんの名前を書いて貰える?」
「わかりました。」
ああ、問題が起こったとき用の契約書みたいなもんか…
ルーンっと。で、こっちに名前を書けば契約完了だな。
「できました。」
「OK!じゃあこの中から好きな物を選んで従魔につけてくれる?」
「どこにつけても良いんですか?」
「ええ。見える所ならどこでも良いわよ。」
「分かりました。ルーン、お前はどれがいい?」
「ワフッ!」
「うん?これが良いのか?」
「ワフッ、ワフッ!!」
「分かった。首だと見ていて息苦しそうだから足につけるよ?あ、シーナさん、これってルーンが成長したらどうなりますか?」
「ああ、自動で大きさが変わるからその点については問題はないわよ。」
それはラッキーだ。自由に巨大化できる。
「ルーン、痛くないか?」
「ワフッ!」
「大丈夫そうだね、良かった。」
「他の依頼も受けたらどう?後2つでFランクに昇格でしょ?アルクィン内での配達依頼ならまだ残ってるわよ。従魔を使っても問題ないからすぐに終わるんじゃないかしら。」
「確かにそうやな。カイ、依頼受けとく?2つなら夕方までには終わるで!!」
「そうだね、速くランクアップしたいし。ルーン、これから依頼受けたいんだけど大丈夫そうか?」
「ワフッ!」
「なら受けるか!」




