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異世界で幸せに~運命?そんなものはありません~  作者: 存在証明
繋がれた未来~不安定な魂~

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夢幻世界~神様からの贈り物~

「そういえばなんでカイは鉄の塊を粉々に出来たん?」


鉄の塊、か…車のことだろうがコウにはそう見えたんだな…


「そりゃあ僕の世界なんだから出来るでしょ。まあ人は粉々には出来ないみたいだけどね。」


「あの中に入ってたおっさん死んでへんかってんな…」


血を流していたように見えたがあれくらいじゃ人は死なない。


「気絶しただけだと思うよ。まあ死んでても別に構わないけど…」


正直父親のことなんてどうだっていい。


「ふーん...まあええわ」


「あっ、ここだね。着いたよ。」


「ここがカイのショウ学校か…やっぱでかいな。どつから入るん?」


小学校の発音少し気になるがまあいいだろう


「これくらい乗り越えられるでしょ?」


と言って2m程の塀を軽々と飛び越える。


「不法侵入とちゃうんか、それ…」


とコウがぶつぶつと何かを言っているが気にしない。


「ほら、置いてくよ!」


そう言って無遠慮に中に入っていく。


「扉閉まってるやん…どうするん?」


「それはこうやるんだよ!」


そう言って思いっきり扉を蹴るとバリンッという音と共にガラスの部分が割れた。


「脳筋になってへんか?」


「気のせいでしょ。ほら、行くよ」


そう言って中に入っていく。


「中ってこんな感じなんや…」


「あっちの世界と全然違うでしょ?」


そう言って目的の教室まで向かう。


「やっぱりあった。」


そう言って一番後ろの机に置いてあった箱を見つめる。


「なんやろ、これ。」


「わからないけど、鍵と箱があるってことはこれで開ければいいんじゃない?」


「よっしゃ!じゃあ早よ開けよ!」


「そう急かさないでよ」


といいながら鍵を回す。その途端、地震が起こったように地面が揺れだした。


これが()()のようだ


僕らの足元が光り、僕の意識はどこかに消えてしまった


In天界


「ふっ、それで?何もせずに帰ってきたのか?ライ。」


そう言って創造主はケラケラと笑う。そんな様子を見てライはタメ息をついた。


「いいことだろ。俺の出る幕がないってのは。あまり長いこと接触したら万物神にバレル可能性が高いからな。」


「それはそうだが面白いな。お前の神としての初任務が子守りだとは。」


そう言ってまたもや腹を抱えて笑う創造主にライは少しムッとする。


「お前が行けって言ったんじゃないか。」


「まあまあ、ライ。ノア様も悪気があったわけではないと思うわよ。」


優しい声でそう宥めるのは大地の神レアーだ。レアーは天使に一番慕われている神で天界では『優しいお姉さん』的なポジションにいる。


「…レアーといいここの神々はみなノアの良いところしか見てないな。結構腹黒いぞこの神は。」


「誰が腹黒い、だ。俺は結構優しいぞ。」



「それは万物神限定だろう?寵愛が過ぎるってこの前天使達に総スカンくらったくせに。…まあいい。カイの容態を教えてくれ。」


「ああ…もう大丈夫だ、、たぶん。1度魂が離れると二週間ぐらいは足の感覚が無くなったりするんだがもうその症状もなくなるだろう。」


「もう魂が身体から抜け出すこともないのか?」


「おそらくはな。カイの母親が死ぬ間際にかけた加護が守ってくれるだろう。それに、レイが記憶を弄ったせいで歪んでしまった魂の一部が今回完全に元に戻った。五十嵐海とカイ・フォードがくっつきカイ・ハルシャとして完全な状態になった。悪しきものが入り込む隙間はないだろうな。次にお前のやることは1つだ。無事に計画が成功するようカイを動かせ。」


そう悪びれなく言う創造主にライは少し困惑する。


「…言っておくがアイツはそんな単純な人間じゃない。俺を最も警戒しているヤツが俺の言うとおりに動くわけないだろう?アイツが俺を信用する決定的な出来事がないと...」



「それなら心配ない。今回のことで奴らは我々が思っていたよりもはるかにカイを憎んでいるということが露呈した。3年たたない内に行動を起こすだろう。その時にカイを助ければいい。命の恩人ってのは無条件で信用される。ルークス・ハルシャがそうだったように。」


「…嫌なヤツだ、ほんと。」


「…ったく、創造主に向かって嫌なヤツとは…。」


「今さらなんだがどうして万物神にばれたらダメなんだ?」


「本当に今さらだな。…まあいい。レイにばれてはいけないのはレイが俺に怒るかもしれないからな。カイがあのような人生を経験することになった要因に俺も少し入っているからな。」


「…神が自己保身に走りやがった..」


そう言ってライはじとっとした瞳を創造主に向ける。


「ほら、さっさと行けって」


そう言って創造主はしっしっと手払う仕草をする。それを見たライは心の中で深くタメ息をつきながら創造主の目の前から姿を消した。


「...俺はお前が思っているよりも優しいんだがな…プレゼントも用意してやってやったというのに…」


その声がライに届くことはなくレアーだけに届いた。


「プレゼント、ですか?」


「ああ。レアーも知っての通り奴らのせいで死んだ人間は謝罪もこめてどこかの世界に転生させることになっている。こういうことはカイロスの仕事だがちょっと弄ってな。アイツの恩師を同じ世界に送ってやった。」


「なんだかんだノア様もライのことを気に入っておられるようですね。」


「まあな。もちろんお前達ほどではないがな。」


そう言って創造主はきょとんとしているレアーのことを愛おしそうに見たのだった。

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