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異世界で幸せに~運命?そんなものはありません~  作者: 存在証明
繋がれた未来~不安定な魂~

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夢幻世界~絶対的な信頼~

目の前の光景にただ唖然としていたコウにある声が聞こえた。


『大丈夫、僕が手を打っておいたから』


頼りになる相棒の言葉にコウは腹をくくり。咄嗟に手を伸ばしてカイを突き飛ばそうとした。しかし、12歳の少年が17歳の青年を動かせるはずもなく、結果的には抱きつくような形になってしまった。


「…っ」


カイはそんなコウに思いっきり顔をしかめ、このまま二人で死んでも構わないと思ったが、その瞬間カイとした約束が頭をよぎった。


『ぼくの世界でカイの友達に危害を加えない』


その約束を初めて鬱陶しく思った。


はぁ、とタメ息をつきながら突進してくる車を見つめる。


あと1秒もしない内にぶつかるといったところで車がバラバラに分解した。


その勢いで2人は少し吹き飛びカイの上にコウが覆い被さるような形で着地した。


「…どうしてこんな危ないことをしたの?」


「カイは俺が傷つくようなことせえへんって信じてたから。」


そう言ってコウはニカッと笑った。その笑顔を見たカイは何かに安心したように少し微笑んだ。


「もういい…もういいよ…こんな茶番を終わりにしても。…カイ。…なんかスッキリしたからさ。君は優しいからこの身体を貸してくれたんだろうけど…もういいんだ。この少年のことが好きなんでしょ?元の場所に戻りたいんでしょ?もう僕はお邪魔虫みたいだからさ…」


カイはそう消え入るような声で独り言を言った。


『それでも、、それでも!!君は僕に必要なんだ!!君がいたから今の僕がある。君が消えた所で意味はないよ!!一緒に幸せになろう…もう一人のぼく。』


カイは頭の中で聞こえた声を何度も反芻した。


「…わかった、、君がそう言うならそうするよ。でも、世界を壊すのは君の、、いやっ…僕らの役目だっ!」


カイがそう言った瞬間、瞳の色が右目だけ緑に変わった。


*

*


「…痛ったぁぁ…なにこの状況?コウ?重いんだけど…」


そう言って僕はコウをじとっとした瞳でみる。すべての体重を僕の足に預けているせいでとても重い。


「…か、、い、?えっ?カイなん?!」


そう言ってコウはパァッーと顔を明るくさせる。

そんなコウをどかしてさっと立ち上がる。


「もうそんなに時間がないね。ちょっと急ぐよ!」


そう言って端に繋がれていたルーンを抱きあげ早歩きで進む。


「ええっ!どこ行くん?ちょっと待ってや!…世界を壊すことと何か関係があるん?」


「わからない。でも心当たりがある。」


ウソじゃない。本当にわからないんだ。まあ数撃ちゃ当たるだろう。


「ルーンって…俺の知ってるルーンなん?」


「そんなわけないじゃん。流石に前世で可愛がっていた犬が狼に転生なんて虫が良すぎるでしょ。」


「…なんかカイ、変わったな。さっきのカイと全然違う。」


「…ああ…なんか多分なんだけどね、身体年齢に精神年齢が引きずられているんだと思うよ。」


僕が記憶を思い出したのは10歳のときであるし、そもそも2年程はレイに前世の記憶を弄られていたからあまり前世の影響を受けてなかったということも原因の1つだろう。言わないけどね。


「ふーん…そういやライって知ってるか?」


なぜコウがアイツのことを知ってるんだろう。ここで会ったのかな?


「知ってるよ。僕のある意味遠くて近い親戚かな。」


「それどういう意味?」


「複雑な関係だということだよ。…で、ソイツに何か言われたの?」


「俺が失敗してもカバーするから問題ないって。あと、なんか制約があるみたいでカイに接触や会話

はできひんって言ってたわ。それから、結末を変えるだけじゃダメなんやって。カイを言葉によって揺さぶるって世界を壊さなあかんとも言っとった。」


「…なんだ…どうやって世界を壊せばいいのかは教えてくれなかったんだ。」


コウと接触したならもう少しヒントをだしてほしかった。


「にしても、この世界ってなんか変やな。鉄の建物ばっかり並んでるし、鉄が猛スピードで動いてるし…。てゆうか、カイに会うまでにケイサツっていう人に会ったんやけど、なんか嫌な感じがしたわ。」



「ケイサツ?ああ警察ね。衛兵みたいなものだよ。まあ...衛兵よりも数は多いけどね。いい人もいると思うけど僕は悪い方しか会ってないね。この街の人はずいぶんと冷たいからね。」


「そういやライも言ってたな。この街はおかしいって。ほんまにおかしいん?」


「さあ?この街を出たことがないからわからないな。でも、アルクィンやライズの方がよっぽど温かかったと思うよ。」


「で、カイ。俺らはどこに向かってんの?」


その発言に一度足を止めてコウを見つめ微笑む。


「僕が通っていた小学校だよ」


そう言ってまた歩くことを再開したのだった。

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