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異世界で幸せに~運命?そんなものはありません~  作者: 存在証明
アルバード王立高等学院~迫りくる悪の手~

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メディナ家

「グレンさん、できそうですか?ちなみに僕は無理でした。」


僕はまだ魔法実技初級Ⅱクラスであるがグレンさんは上級クラスなのでできるはずだ。



「そらそうだろ。カイはまだこの学院に半年もたってないんだ。できたら化物よ。」


そう言いながら丸くなった魔石を僕に渡す。前世で見たビー玉そっくりである。


「コツをつかめばクラブの半分くらいのヤツはできるようになるだろうな。」



「それならよかったです。」



「公爵様がいなかったらどうしてたんだ?魔石を丸くする方法なんて本には載ってないだろう?」



「いろいろ()()はあるんでそっちをあたってみようかと。」


最悪、情報屋のボスであるゲルフさんに聞いてみようとは思っていた。


「そうか。これなら一つ丸くするのに1分もかからないから大量生産できそうだな。」



「…どうやって丸くするんです?いくらやっても歪になるんですけど…」


そう言って近くにあった魔石を手に取り魔力を動かそうとするも思いどおりにならず魔石は変な形になる。


「…カイが人だとわかってホッとしたよ。ただ、これを教えるのは少し難しいんだ。感覚でやってるからさ。」


そう言ってグレンさんは苦笑いする。


「それじゃあ仕方ないですね…。僕は魔石用の魔物を狩ってくるんでこれの説明はよろしくお願いします。」



「学院にあるダンジョンに行くのなら最低3人以上必要だから気をつけろよ。」



「いえ、僕が行くのはダンジョンじゃなくてピゲス台地です。」


そう言って僕はグレンさんに背を向けたのだった。



学院から歩いて30分程の場所にあるピゲス台地を狩り場として選んだのには理由があった。


ピゲス台地には多くのスライムが生息している。


Fランク

ノーマルスライム→水(水)

スリープスライム→無(灰)

ハーブスライム→草(緑)


Eランク

ファイヤースライム→火(赤)

ウィンドスライム→風(青)

ポイズンスライム→闇(黒)

[希少]ホーリースライム→光(白)


Dランク

ファストスライム→火、風→(紫)

サイクルスライム→火、草→(黄)


こんな感じだろうか。今回欲しているのはホーリースライムとファストスライム、そしてサイクルスライムだ。


魔力をどれだけ使ったかによって魔石の色も変わってくる。できるだけ純度の濃い方がいいかと言われればそうではないためあまり気にしなくてもいいだろう。


スライムは通常核を破壊するか魔法で焼きつくしたり窒息させたりすることで倒せる。


もちろん核とは魔石のことではない。スライムの中には核と魔石が1つずつ存在する。


核は酸や毒を作り、魔石は魔力を作る。スライム以外の魔物には核がない代わりに魔石が全てをうけもっている。


一人でスライムを殺るのは初めてなので少し実験をしてみようと思う。


まず、川辺に行きスライムが現れるのを待つ。


最初に現れたのはノーマルスライム2体とハーブスライム3体だった。


まずはノーマルスライムから仕留めることにする。


前よりかは格段に上達した水魔法でスライムを囲む。そして水の壁から氷の刃を造り核に向かって振り下ろす。


Fランクだからかすぐに倒してしまう。

死んだスライムは液体となり魔石と壊れた核だけが残った。


次はハーブスライムか…


今度は遠くから短剣を核に向かって投げつける。やはり動きぐ遅いため1つも外れることはなかった。


「やっぱり1人だと楽しくないなぁ…」


と思わず独り言を言ってしまう。


その時、馬の足音が微かに聞こえた。それはだんだんと近づいてきた。


川辺から少し離れたところで狩猟クラブと思われる人達と出会った。


「初めまして、ハルシャ卿。私はルディウス・メディナと申します。以後お見知りおきを。」



「…あぁ、()()メディナ家ですか。お噂はかねがね。そういえば、最近黒犬を飼っている(侯爵家の犬だろ)だとか。世話が大変でしょうに(バカの世話は大変だな)。」



「いえいえ。そんなことよりハルシャ卿はどうして冒険者クラブ(出来損ないの集まり)にお入りになったのですか?」



狩猟クラブ(貴族のお遊び)よりかはましかと思いまして。」



「そうですか。それでは我々はこの先を急ぎますゆえ…」


そう言ってメディナ卿は何人かの貴族と共に馬を走らせた。


メディナ家はクロード侯爵の忠犬と呼ばれる貴族である。


先程の態度で分かるだろうがはハルシャ家との仲は最悪だと言っておこう。


それにしても礼儀知らずもいいところである。


仮にも僕を“ハルシャ卿”と呼ぶのであれば馬から降りて挨拶しなければならなかったはずだ。


ここは学院の外であり皆平等ではないのだから。


ルディウス・メディナ…。その名を頭の片隅に残しておく価値はありそうだ。


そう思い彼らが去っていた方を見る。


これ以上会いたくないため、彼らとは反対側の方へと歩いていくのだった。


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