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異世界で幸せに~運命?そんなものはありません~  作者: 存在証明
アルバード王立高等学院~迫りくる悪の手~

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射的の才能

「そういえばしっかりと学院内をまわったことはなかったな…」


そもそも商業エリア自体人が多いので苦手なのだ。理由は自分でもよくわからないが…


「カイくんがこの学院に来てからそんなにたってないから仕方ないよ。」


1ヶ月もいれば学院内を網羅していてもおかしくはないのだが…


「いつもこんなに屋台があったっけ?」


商業エリアには屋台がいくつも並んでおり美味しそうな匂いが漂っていた。このようなことが今までにあったのかもしれないが僕の記憶にはない。

もちろん僕が知らないだけと言われればそれまでではあるが…


「夏休みの最終日だからだと思うよ。この日は皆一カ月会えなかった友人たちと遊んだり食事をしたりするからね。」



「なあなあ、あそこの串焼きみんなで食べないか?俺腹減って死にそう。」


そう言ってカールが指した方向を見ると美味しそうな串屋さんがあった。


どこかの街の露店にありそうな肉から見たことのない肉まで串焼きにされて売られていた。


「僕は別に構わないよ」


…美味しそうだし


「私もそれで構わないよ」


「あたしも!」


そういうわけで今日の夕食は串焼きに決まった。


「セシルも来れたらよかったのにな…」


とシドさんが呟く。


ブライアン郷もとおいセシルは先生によばれたので一緒にいないのだ。


「ねぇねぇ、あれやらない?みんなで競争しようよ。」


シドさんの言うアレとはおそらく射的?のことだろう。なぜ疑問形なのかというと少し形が違うのだ。


「僕、一回もやったことないからやり方わかんないよ?」


前世でも射的はやったことがない。


「大丈夫だよ、私もやったことがないから!」


という発言にカールがうなずいている。今のところ四人中三人知らないって…勝負としてどうよ…、思っていると


「教えてあげるよ。」


と殿下が言ってお金を店主に渡す。


「このゲームは後ろにある風の魔力石に魔力を流してそこから発生する風が弾を吹き飛ばして商品にあてて競い合うゲームなんだ。もちろん商品はもらうことができるよ。」


そこまで言って殿下はガラクタの銃を構える。パンっという音と共にドサッと商品が落ちる。


「こんな感じかな。それじゃあ一セットで勝負しようか。落とした商品が多かった人の勝ちだよ。」


この屋台では三人まで遊べるようで先にシドさんとカールが挑む。


そんななか僕は唯一経験者である殿下の打ち方を見て学習する。できればコピーしたいが一セット、今回の場合だと五発になるが短すぎて全ては覚えられない。あと20回くらいやってくれれば話は別だが…


そんなことを思っていると僕の番がまわってきた。


とりあえず殿下と同じ角度で腕を曲げ左足と右足の位置も同じにする。といっても体重のかけ方なんかは見ても分からなかったし、身長や体格も違うので同じ結果がでるとは思っていないが…


そう思いながらまずは1発撃ってみる。


弾はクマのぬいぐるみの頬を掠める。


もう少し右だったかと思い少し体をずらして2発目を撃つ。


すると弾はぬいぐるみのさっきと反対側の頬を掠めた。


3発目は1発目の時と2発目の時の体の位置のちょうど真ん中に移動してから撃つ。


やっとのことでぬいぐるみの顔面に命中し商品を1つゲットする。


感覚はなんとなく掴めたので4発目は屋台の一番端から反対側の端にある商品をめがけて撃つことにする。


どの角度や距離で当たるかはさっきの3発でわかった。


「カイくん、どこを狙ってるの?」


と、隣のシドさんが聞いてくる。個人的には今話しかけるのはやめてほしい、集中力が乱れるから。


「もしかして2つ一気に当てるつもりか?さすがにカイでも無理だと思うぞ。」


そうカールが言うが気にしない。


「問題ない。弾が跳ね返る軌道は計算できる。」


そう言ってゆっくりと眼を開けて対象を見つめる。


放たれた弾はキレイに命中し跳ね返ったはずみで隣の商品に当たる。


よし計画通りだ


5発目も同じように2つ当て、僕の成績は5となった。


殿下が3、シドさんとカールが1なので僕の勝ちである。


また、僕らは商品を受け取って射的屋から出たのはもう少し後のことである。




ちなみに、取ったぬいぐるみはベッドの脇において飾ることにした。


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