冒険者ギルド
「ねぇ、俺の名前は#*&$%。君は?」
相手の顔は雲がかっていて見えなかった。
「僕?カイだよ。」
自然と口が動く。まるで誰かに操られているようだ。
「じゃあカイ、これからよろしくな!」
少し懐かしい気持ちがした。
「なんで?別に僕はよろしくしたくないんだけど。」
いや、素直によろしくって言えよ
「だって隣の席じゃないか!とゆうわけで教科書持ってきてないから見せて?」
「それぐらいなら…」
「ありがとうな!」
そう言われた瞬間、どこからかコウの声が聞こえた。
「カ……カイ…カイ、カイ!」
はっ、夢か。
「カイ、早よ起きて!朝ごはんもうできたって宿の人言っとったで」
「ああ、悪いね。すぐに準備するよ。」
にしても懐かしい夢を見た。カレは天国でも元気にしているだろうか?
「待たせたね。準備できたよ。行こうか」
「おう!階段降りて右行ったらつくらしいで」
「あ、コウさんとカイさん、こっちの席に座ってください。今日の朝食は黒パンとコーンスープに目玉焼きです。飲み物は有料ですよ。」
「わかりました。それと遅くなってすみません。」
「いえいえ。」
「なあカイ、今日はなにすんの?冒険者登録する?」
「うん。冒険者登録した後に装備などを買いに行こう。前にも言ったけど、僕元資産家の息子だからお金は持ってるんだよね。だからコウの分も払うよ。仲間に丸腰で戦ってほしくないし、彼らに貰ったお金を僕はそうそうに処分したい。持っているだけで不幸になりそうだ。」
1ヶ月10万リビアでいっつも8万リビアは貯金してたから1年で約100万リビア。
そしてその生活を5年してたから500万リビアか…。家が買えるな。
まあ愛情の代わりにお金を貰っても心にあいた穴は埋めれないが…
「ええんか?ううん…。じゃあ頼むわ。俺一文無しやし。」
「素直でよろしい。それじゃ速く食べますか!」
そして僕らは朝食を食べた後、冒険者ギルドに向かった。
「ここちゃう?思ったよりでかいな」
「そうだね、じゃあ入ろうか。」
荘厳なドアを開けるとたくさんの冒険者で賑わっていた。
「すみません。登録しに来たんですけど。」
「登録ですね。了解しました。こちらの用紙に名前などご記入できますか?代筆も承っておりますが…」
「大丈夫です。」
名前の欄は……。カイだけでいいか。年齢は12で出身地はハールーン帝国っと。
「できました。」
「俺も書けたで」
「ありがとうございます。冒険者ギルドの説明はいりますか?」
「お願いします」
「では、説明します。まず冒険者は下からG~SまでありカイさんとコウさんはGランクからスタートしてもらいます。Fランク以上から討伐クエストに挑戦できるようになります。あそこの依頼掲示板に貼ってある依頼を赤色のカウンターに持っていき、依頼終了後は青色のカウンターの所まで来てください。また、ギルド内は争い禁止なので注意してくださいね。」
「なるほどね…。僕達パーティーを組みたいんだけどGランクでもできますか?」
「ええ。可能です。パーティー名はどうしますか?」
「どうする?コウ。何かいい名前、あるかい?」
「ううん…じゃあルーチェはどうや?俺の地元では光を意味してた気がすんねんけど…」
「ルーチェ…か。いい名前だね。お姉さん、ルーチェにします。」
「承りました。こちらがお二方のバッチです。ようこそ冒険者の世界へ!私は受付嬢のシーナよ。さっそく依頼を受けるかしら?」
「いや、今日は武器や防具を買いに行きたいんだ。シーナさん、おすすめの店とかあります?」
「それなら鉄の斧っていう鍛冶屋はどう?そこの主人がドワーフなので腕もたしかよ。冒険者ギルドを出て右に進むと赤い看板があるの。そこを右に曲がってずっと進むとお店が見えてくるわ。」
「ありがとうございます。一度行ってみます。」
「じゃあ行こうか、コウ」
「せやな、ありがとうなシーナさん!」
そして僕らは冒険者ギルドを出た、
「シーナさんってかわいない?特にうさみみが」
「コウは獣人を初めてみたの?獣人とエルフは人間よりも容姿が整っている人が多いから特別なことではないよ。」
「そーなんや。獣人は見たことあんねんけど、人間とは耳とかしっぽだけが違うんかと思ってたわ。」
顔がいいからってことで奴隷にされる獣人が多いってことは言わないでおくか…
「あれちゃう?鉄の斧って書いてるで!」
「あれっぽいね。中を見てみようか。とりあえず気になる武器があったら言って。」
中を覗くといろいろな武器や防具が置いてあった。
とりあえず使い物になるかわからないが鑑定を使ってみることにした。
鑑定
革の防具
ダメか…。ここは素直に店の人に聞くしかないな。
「すみません、僕らに使えそうな武器や防具を紹介してもらえませんか?」
「別にそれは構わねぇが、お前さんらは新人冒険者か?ここはちーっとばかし高けぇぞ。性能を重視しているんでね。」
「大丈夫です。お金なら多少あるので。」
「ほんじゃ、そっちの赤目の坊主。お前は前衛だな?剣士か?」
「せやで!おっちやんすげーな!!」
「年の功ってやつだよ。でそっちの坊主は後衛職だな。シーフ的なやつか?それと言葉は崩してもらって構わねぇ。」
「あってるよ。年の功って侮れないね。」
「まずは武器だな。ほれ、お前さん達にはこれで十分だ。剣士のおめぇにはこの長剣をシーフのおめぇさんには短剣を…。どっちも見た目は地味だか手入れを怠らなければ長持ちする代物だ。手入れのしかたはわかるか?わからないなら特別に教えてやるよ。素直に俺に武器と防具を見繕ってほしいなんて言ってきたのはお前さん達が初めてだからな。ああ、それと今さらだが俺の名前はゲルフだ。よろしくな。」
「僕はカイ。そして隣が僕の戦友のコウ。こちらこそよろしく。」
「ゲルフのおっちゃん、よろしくな!あ、俺は手入れの仕方わからへんから教えて!」
「ふん。しかたねぇな、後で教えてやるよ。ほら、次は防具だ。コウは前衛だからな…全身装備の方がいいだろう。暴れ牛の革であしらえたこれとかオススメだな。そんなに重くないから負担は少ないはずだ。そしてカイなんだがお前さんは防具はどうする?スタイル的にはないほうがいいとかあるか?」
「ううん……素早さを重視したいからな…。僕はやめておくよ、必要になったらまたここに買いにくるよ。」
「いい判断だ。一様言っておくがこの街にあるギベリンっていうやつがやってる店にはいかない方がいい。ぼったくられるぞ。それと採取や解体用のナイフは持っているか?」
「持ってないよ。」
「それじゃあおまけにつけといてやる。代金は12万リビアだ。それとおまけに採取・解体用ナイフを2本づつとそれを入れる袋もやる。」
「そんなに貰ってもいいの?」
「ああ。その代わり死ぬんじゃあねぇぞ?剣にヒビでも入ったらちゃんと見せにくるんだぞ。金なんて取らねぇからさ。」
「そうさせてもらうわ、おっちゃん。今日、いろいろありがとうな。」
「いや、いいんだ、気にするな。その赤い眼が俺の親友とそっくりだったからいろいろと気にかけちまうんだ。」
「え、俺以外にもおったん?!」
「その人って今…」
「察しがいいな。そうだ…。もう死んじまった。カイもコウもきをつけろよ。赤い目を憎んでいる奴らに殺されちまうかもしれねぇからな。」
「…。わかった。気をつけるよ。あ、はい代金。」
「ホントにあったんだな…。そんじゃ気をつけて帰れよ。」




