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戦いし乙女達

今回は蜜柑達がメインの回になります

翌日、蜜柑達は再びバトルスタジアムにやってきて歌女の特訓に付き合っていた

今日は三夏が部活で居なかったので三人だけで特訓する事になったのだが戦う前に蜜柑はとある事を確認する

「・・・この前の戦いでは気にしなかったけど・・・もしかして魚住さんのGATはカスタマイズされてないの?」

「はっはい・・・!その・・・カスタマイズの仕方が分からなくて・・・市販のまま使ってます・・・」

確かに無闇に改造するよりにも市販のままで使い続けた方が素人にとっては正しいのだが今回は違う

大会に出る以上、市販の状態では劣ってしまう可能性もあるので

歌女の戦い方に合わせてカスタマイズをした方がいいと考えていたのだ

「でもどうするの?確かに歌女ちゃんのメロウはカスタマイズした方がいいとは思うけど・・・

 この前の地区大会で目ぼしいパーツはほとんど買われてしまって残ってないんじゃないの?」

実は乙女の言う通り改造をするにしてもこの前の大会でほとんどのパーツが買われてしまったのだ

つまり今はカスタマイズをする為のパーツがなく蜜柑の話はなかった事になってしまうという事

しかしもちろんそこを考えていない三夏ではなくちゃんと心当たりがあるからこそこの話をしていた

「確かに普通のお店にはもうパーツは置いて無いと思うけど・・・あの人のお店ならあるはず・・・

 何せ、私達が大会に出ていた時はお店を休んで運営側に回っていたんだから・・・」

「?・・・あっ!そっか!伊部牧さんのお店なら確かにまだパーツは置いてあるかも!!」

蜜柑の心当たりとは他でもない伊部牧であり彼は元々、GATのパーツを売っている屋台の人間

そして大会の時には運営として働いていたのでパーツは売っておらず余っている可能性が十分にあった

何よりも彼はGATの事をよく知っているのでカスタマイズに対してアドバイスもしてくれる

まさにこれ以上ないほどにうってつけの人物とお店が残っているというわけだ

「さっき伊部牧さんにお願いしたら午後になったら用事も終わってパーツを持ってきてくれるらしい

 それまでは魚住さんと戦って彼女の戦闘スタイルをどうしていくのかを決めていきましょう」

「そうね〜・・・結局は戦闘スタイルが決まらないとカスタマイズも意味がないわけだしね」

どうやら既に蜜柑は伊部牧と連絡をとってカスタマイズの件を話していたようで午後になったら来てくれるらしく

それまでの間に歌女の戦闘スタイルを定めてどんなカスタマイズをするか決める事になった

「それじゃあ始めましょう・・・先に言っておくけど大会まであまり時間はないしかなり無茶をする事になる

 でも参加してもらうのは私達だから本当にきついと思ったらちゃんと言って欲しい・・・分かった?」



「はい・・・!お二人共・・・よろしくお願いします・・・!」



それから三人は伊部牧が来るまで練習を続けて歌女がどんな戦闘が得意なのかを見定めていた

そしていよいよその時がやってきて三人はバトルスタジアムを出て伊部牧の元へと向かった

「おお!確か魚住さんじゃったかな?合宿の時以来じゃのう!それで?今日はどんなパーツが欲しいんじゃ?」

「そうですね・・・魚住さんの得意な戦闘スタイルは遠距離からの狙撃が得意でした

 それにメロウは元々、水中戦に特化した機体なので地上でもまともに動けるようにしたいです」

これまでの戦闘で歌女は蜜柑や清志郎と同じく狙撃に向いていると言う事が分かったのでそれ用のセンサーと

後は歌女の使っているメロウは水中戦に適している機体なので地上では他のGATに劣る部分があった

なので最低限、市販のGATと地上でも同じだけ動けるようにする為の部品が必要だった

「なるほどのう・・・確かにメロウはそこまで古くはないが最新式ではないしそもそも戦闘用ではないからのう

 そう言った意味じゃ他の市販されているGATにも劣ってしまうのは事実か・・・一応パーツはあったはずじゃが

 正直、これほどのカスタマイズとなると素人の手では無理じゃな・・・少しだけGATを貸してもらえるかの?」

そこまで大掛かりなカスタマイズを素人には不可能だと判断した伊部牧はメロウを預かり自分でカスタマイズを始める

すると歌女はその様子を遠くから見守っておりそんな彼女を見ていた蜜柑達は少しだけ微笑んでいた

「・・・もしかして歌女ちゃんはあのメロウってGATに何か思い入れがあったりするの?」

「・・・はい・・・実はメロウは母方の叔母さんが買ってくれた物なんです・・・実はウチの両親は駆け落ちで

 祖父母には会った事はほとんどないんです・・・そんな中で唯一会える親戚が叔母さんだけで・・・

 メロウは私が中学生になる時にその叔母さんがそれで友達を作って欲しいって買ってくれたんです」

どうやら歌女にとってメロウというGATは唯一会える親戚からの大切な贈り物だったらしく

二人はそんな大切なGATをカスタマイズしてもいいのだろうかと不安視していると

歌女はそれを察したのか大丈夫だと首を振って心配する必要はない事を告げる

「叔母さんはメロウを友達を作る為に買ってくれたんです・・・そしてそれが今、お二人の役に立とうとしている

 おそらくこれが叔母さんがやって欲しかった事だと私は思ってるんです・・・だからきっと喜んでくれてます」

「・・・それもそうね!それじゃあカスタマイズしたメロウを使って大会で大いに目立ってやりましょう!

 その叔母さんに買ってもらったメロウでここまで強くなったんだって見せてあげなくちゃね!!」

それを聞いた二人は必ずその叔母さんを招待して歌女がメロウを使って勝ち上がる姿を見せようと宣言する

蜜柑もこれに関しては珍しく同意しており首を縦に振って同じく気合が入ったような感じだった



「出来たぞ?これでおそらくはお前さん達の要望に応えられる性能になっておるはずじゃぞ?」



「ありがとうございます・・・!それじゃあ早速、戻って性能を試しますか?」

「そうしたいけど・・・この時間だと流石に混んでるだろうし・・・今日はもう解散かな〜・・・」

既に時刻はお昼を回っており近くの子供達ばバトルスタジアムへとやってくる時間となっていた

今、バトルスタジアムへと戻っても彼らが遊んでいるはずなのでかなり待つことになるだろう

そうなれば戦える時間も短くとても有意義に使えるとは思えないので今日は諦めようと思っていた時だった

「それならワシがとっておきの場所を案内してやろう!と言っても使えるのは今日だけじゃぞ?」

どうやら伊部牧に考えがあるようで三人は彼についていくと何かの研究所にたどり着いた

「ここはワシの知り合いが最近になって立ち上げた研究所での!本来ならば彼奴が管理しておるのじゃが

 どうやら学会で海外に行かなくてはいけない用が出てきたらしくてワシが代わりに管理してるのじゃ

 まぁと言っても明日にはその知り合いも帰ってくるから使えるのは今日だけじゃがの!」

そう言って伊部牧は研究所の扉を開けて中に入るとそこにはバトルフィールドが設置されており

その周りには何やら物々しい機械などが置かれていてまさに研究所と言った感じだった

「確かにこれは研究所かも・・・でもここで一体、どんな研究をしてるんですか?やっぱりGATの事ですか?」

「まぁそれもあるが・・・一番は重機に使われる部品かのう?細かな部品はGATでテストも出来るし

 そう言った意味でバトルフィールドも設置しとるというわけなのじゃよ・・・まぁ違法改造になるから

 一般には出回る事はないし厳重に保管もされておるから心配はいらんがのう!」

この研究所はどうやら人の役に立つ重機の為にある施設のようで特に問題はないらしい

それを聞いて三人は安心した表情を浮かべながらありがたくバトルフィールドを使わせてもらう事になった

まずは歌女のメロウがどれほどまでに変わったのかを確かめる為に彼女だけで練習してみたのだが

「これは・・・慣れるまでに時間が掛かりそうです・・・今までよりも早く機敏に動ける分

 今までみたいに動かしてると逆に動きすぎてしまって狙った場所に止まれなさそうです・・・」

「まぁカスタマイズしたばかりだしそうなるのは分かってたけど・・・やっぱり狙撃には精密さが必要ね・・・」

大方は蜜柑の予想していた通り、素人である歌女は完全にメロウの動きに振り回されており

これまで以上にGATの操作が下手になってしまっていたがこれは練習して慣れていくしかなかった

問題はこのカスタマイズしたメロウで彼女がどれほど強くなれるかという事だろう

(それこそ最低でも猫田さんぐらいは強くなってもらわないと・・・県大会で活躍なんて夢のまた夢・・・)



伊部牧は三人の練習する姿を見ながら研究所の知り合いが居ない本当の理由を教えていない事に罪悪感を覚えていた

実はここの研究所の知り合いが居ない本当の理由は例の組織に関与していないかを調べる為に警察署にいるからだった

もちろん伊部牧は昔からの知り合いなので彼が無実だという事は分かっているが彼の周りがそうだとは限らない

つまり直接的な人物は信用出来たとしても間接的に関わりを持つ人間は信用出来ないという事だった

そして最も残酷なのは犯人かもしれないその人物を一番信頼しているのはその知り合いという事実だ

(・・・じゃが・・・この事実を彼女らに教えるわけにはいかん・・・大会前に余計な心配を掛けるわけにはいかんし

 何よりも・・・子供である彼らには素直に人間を信じる心を持っていて欲しいからのう・・・

 じゃから・・・悪意のある人間に本来ならば関わらせてはいかんのじゃ・・・だがもう遅い・・・

 彼らは悪意のある人間と何度も関わってしまっておる・・・せめてその回数だけでも減らすのが・・・

 何も出来ない無力な大人であるワシらに残された・・・最後の責任なのかもしれんのう・・・)

子供達の未来を守る為に嘘を貫く・・・それが今の伊部牧に出来る最良の選択だった・・・

県大会に向けて着々と準備を進めていく剣也達

そんな中でライバルである彼らも動き始めていた

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