表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
97/170

三人目のメンバー

今回は蜜柑達の視点でお送りします

剣也達が必死にコンビネーションを練習している中、乙女達は三人目のメンバーを募集していた

と言うのも実は最初は三夏にお願いしようかと思ったのだが残念ながら彼女には予定があった

「あっあの〜・・・非常に言い難いんっすけど・・・実は来月は部活の予定が入ってまして・・・」

「あ〜・・・確かに次は部活の大会と被ってるもんね〜・・・部活に参加してないから忘れてたわ・・・」

そう・・・三夏が今回、参加出来ない理由は部活の大会と被ってしまっているからだった

流石にそんな中で無理やりメンバーになってもらうわけにもいかず二人は完全に手詰まりになってしまった

「どうすんの?正直な話、三夏ちゃん以外にチームに誘えるようなファイターはいないんだけど・・・」

「・・・このバトルスタジアムで探したとしても・・・合わせられるような人はいないでしょうね・・・」

県大会ともなればチームを組む相手もちゃんと自分達を知っている人物でなくてはならないだろう

更にその上で実力も求められるので生半可な人をメンバーに選ぶわけにはいかない

完全に手詰まりな状態となって二人はどうすればいいのだろうと考えていると三夏が一つの提案をする

「それなら歌女ちゃんを二人のグループに入れるのはどうっすか!?最初から知らない人を探すよりも

 自分達を知ってますし強さに関してはお二人が鍛えれば問題ないと思うっす!!」

これにはまさか自分の名前が出るとは思っていなかった歌女も驚いていたが乙女と蜜柑は真剣に考えていた

確かにこれから大会まで人を探すよりも彼女を鍛えた方が遥かに効率としてはいい方だろう

更に言うのならば彼女は初心者なので自分の戦闘スタイルを持っておらずこちらが合わせたりするのではなく

彼女自身をこれから自分達と一緒に戦えるように育てていけるというメリットも合った

(問題は彼女が大会までにどれくらい強くなってくれるかって事だけど・・・先ほどの戦いからして

 おそらく可能性は十分にある・・・後は・・・彼女がこの話を引き受けてくれるかどうか・・・)

そう・・・いくら三夏が彼女を推薦し蜜柑達がそれを受けたとしても歌女が参加してくれなくては意味がない

彼女がどう返事を返すのか・・・それ次第では蜜柑達の県大会での命運も決まってくると言ってもいいだろう

「・・・本当に・・・私なんかで務まるんでしょうか?正直・・・自信無いです・・・」

「それは私達にも分からない・・・けど一つだけ言える事がある・・・貴方は自分で思っている以上の実力がある

 後は自分がどうしたいか・・・それ次第で私達は貴方に力を貸して欲しいと思ってる・・・それじゃダメ?」

これだけの言葉を掛けられて歌女としても折角、蜜柑がやる気になったのに参加させられないのは心苦しかった

故に答えはもう決まっており後は自分がその返事をする為の覚悟を決めるだけだった



「・・・天理先輩・・・月白先輩・・・初心者である私ですがお二人の役に立てるのなら・・・お願いします!」



「こちらこそ・・・それじゃあ早速、大会まで時間がないし特訓を始めましょう・・・」

こうして蜜柑達は歌女を新しいメンバーに加えて県大会に向けて特訓を始める事になった

三夏も部活がない日は歌女の練習に付き合う事を約束してくれてその日は軽く手合わせをして解散となった

今日の事を含めて蜜柑はこれからどうしていくべきなのか、ちゃんとした覚悟を決める事が出来た

その背中を押してくれた彼女達には感謝してもしきれないが今は感謝の言葉を言っている時ではない

そう・・・今、彼女がやらなくてはいけないのは県大会の予選を勝ち抜く為の策を考える事

(しかし・・・間違いなく県大会はこれまでの比ではないほどの激闘が予想される・・・

 何せ兜君だけじゃなくて国崎君もいる・・・そして氷塔さんも・・・でもそれだけじゃない・・・

 そんな彼らを相手に出来る程の猛者が県大会には集まる・・・それもチームを組んで・・)

現状、おそらく最も弱いチームとなっているのは間違いなく蜜柑達のチームと言えるだろう

蜜柑と乙女も強い部類ではあるが先ほどの三人に比べたら普通に見劣りしてしまうし今回は歌女の存在もある

いくら彼女を県大会までに鍛えたとしてもおそらくは地区大会クラスまでしか強く出来ないだろう

そうなれば確実に彼女は穴として他のチームから狙われるだろうし自分達もそれに対処しなくてはならない

つまり彼女らのチームだけが大きな弱点を持ったまま大会に参加しようとしているわけなのだ

(でも・・・それをどうにかするのはチームリーダーである私の役目・・・

 それに歌女さんはこんな私に勇気を出して応えてくれた・・・それを蔑ろにするわけにはいかない・・・!)

今回、大会に参加出来るようになったのは他でもない自分の背中を押してくれ更には素人であるにも関わらず

チームに入ってくれる事を了承してくれた歌女という存在が居てくれたからなのだ

そんな彼女の勇気も踏み躙るわけにはいかず今はとにかく必死になって勝つ事を考えるだけだった

目標というものを得られた蜜柑にもはや迷うという事は一切なくその真剣さはこれまでの比でないだろう

そんな彼女を遠くから見ていた存在がいた・・・それは彼女が悩んでいた原因でもあったソロモンだった

『・・・どうやら迷いは振り切れたようだな・・・チームメンバーに関しては少しだけ不安が残ってしまったが

 今回の大会には奴らも参加せぬようだし・・・心配はいらないとは思うが・・・蜜柑よ・・・

 どうかお前は俺の事など考えずお前自身のやりたいように人生を生きてくれ・・・それが俺の望む事だ・・・』

ソロモンを操っている男はどうやら蜜柑の事を陰ながらに心配していたようで先ほどまで様子を見ていたようだ

しかし吹っ切れた様子を見てもう心配する必要はないだろうと判断しそのままその場を去ってしまった



一方その頃、特訓を終えて三夏と一緒に帰っていた歌女は少しだけ悩んでいる様子だった

どうやら先ほどまでの練習でやはり自分では大会で足手纏いになるのではないかと不安視しているようだ

「大丈夫っすよ!ちゃんと私もお手伝いするし天理先輩や月白先輩も手助けしてくれるはずっす!」

「・・・そうだね・・・でもだからこそ・・・あの強い二人の足を引っ張らないか不安なの・・・

 もしも負けてしまったら・・・折角、月白先輩の迷いが振り切れた事を無駄にしてしまうんじゃないかって・・・」

歌女は自分が足を引っ張り負けてしまう事で蜜柑が再び迷いを持つようになってしまうのではないかと悩んでいた

しかし一度落ち着いた悩みを今更、ぶり返すような蜜柑ではなく負けたとしても歌女を責めたりはしないだろう

それはもちろん歌女自身も理解しておりだからこそ申し訳ないという気持ちが出てきてしまっているのだ

「それは違うっすよ歌女ちゃん!もしかしたら歌女ちゃんの言う通りの展開になってしまうかもしれないっすけど

 申し訳ないと思うのはその時だけで十分っすよ!そしてその気持ちは一瞬だけでいいんっす!

 後悔は一瞬だけして後は反省する!そうする事で今よりももっともっと強くなれるはずっすから!」

部活などで何度も真剣勝負をしている三夏だからこそ後悔しても何もない事を理解していた

もちろん後悔するなというのは無理な話だという事は分かっており故に彼女は一瞬だけ後悔する

そしてそれが終わったら後は反省し自分の何が悪かったのか、何が敗北する要因になったのかを考える

そうやって三夏は強くなってきて今では部活の大会で新人にも関わらず優勝候補に名を挙げるほどに成長した

その姿を間近で見てきた歌女だからこそ彼女の話には大きな信頼を寄せており大丈夫だと自信を持てた

「ありがとう・・・おかげでなんだか前向きに考えられるようになった気がする・・・!

 後は本番に向かって頑張るだけだね・・・!また今日みたいに練習に付き合ってね・・・!」

「もちろんっす!大会で当日は応援にも行けなさそうっすから今回は練習はどこまでも付き合うっすよ!」

三夏の明るい笑顔に救われてこれこそが彼女の変わらぬ長所であると感じた歌女

その笑顔に救われたのは決して自分だけではない事を知っており先ほどもそれで蜜柑を助けられたと考えていた

県大会まで残された日々はそこまで多くはないがそれでも必死に練習しようと歌女は覚悟を決めた

何よりもこれは自分が憧れの人へ少しだけでも近づけるようになる為の挑戦でもあった

(・・・剣也先輩・・・これまで私はずっと遠くから貴方の事を見てるだけでした・・・

 でも今日・・・月白先輩に誘われて少しだけ手を伸ばしてみたくなったんです・・・少しでも近づきたいと・・・

 だから私は最後まで努力したいと思います・・・剣也先輩の後ろに立っても恥ずかしくない人になる為に・・・)



その頃、警察署の方では例の運営委員会の人がやってきて大会に参加するメンバーの書類を持ってきてくれた

もちろんこれは個人情報ではあるがもしかしたら例の組織に関係のある人間かもしれないので

それを精査する為に今回はこう言った事に対しても厳重にやらなくてはいけなくなったのだ

「とはいえ・・・これは俺らに見せても良いものだったりするんですか?いくら特殊部隊とは言っても

 書類上では警察組織に協力している民間人って事になってるんですけど・・・」

「そりゃあ君達は例の組織に関わっておる人間だからね・・・むしろこちらからお願いする方だよ・・・ん?」

大樹署長は問題ないと言いながら書類を見ていると面白い書類が中に混じっていた

それは剣也達と同じく今年、地区大会に初参加して優勝を果たし県大会に参加する二人の名前だった

(まさか剣也君以外にもこれほどまでのファイターが存在しているとは・・・

 まぁ激戦だったのは間違いなくあの地区ではあるが・・・この二人は油断出来ないかもしれないな・・・)

そう思いながら大樹署長は別の書類へと目を通していくのだった

蜜柑達の三人目のメンバーは歌女に決まった

波乱だらけ県大会は果たしてどうなるのか!?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ