凶暴なるナーガ
脅威的なナーガの実力はいかに!?
完全に道を塞がれてしまった剣也達は危険ではあるがリムジンから降りる事にした
そうしなければ目の前にいる謎のGATD・ナーガに一方的な攻撃をされると考えたからだ
「ご丁寧に道まで塞ぎやがって・・・!どうやら俺達を逃すつもりはないらしいな・・・!」
「ええ・・・!でもどうするのよ?ここで戦ったとしても後ろから増援が来る可能性もあるわよ?」
確かに乙女の言う通りここで立ち止まって目の前の敵と戦ったとしても後ろから増援が来る可能性もある
そうなってしまえば数で不利なこちらが追い詰められる事になるのは目に見えているだろう
となれば残された方法はたった一つ・・・誰かがここで囮になる事だった
(でも剣也君の話ではアレはGATを破壊する為だけに作られた兵器だ・・・!一人だけじゃ・・・)
問題はその足止めをしなくてはいけない相手はGATを破壊する為だけに生み出された兵器という事
これを一人だけで足止めをするのはおそらく不可能であり残るのは最低でも二人以上
そしてこの中でその足止め役にうってつけなのは清志郎、乙女、蜜柑の三人だけだろう
いや・・・もしかしたら三人でも足止めするのは厳しいかもしれないがそれでもやるしかなかった
「優君・・・!後の事は全て君に任せる・・・!どうか剣也君を大樹署長達のところまで送り届けてくれ!」
「清志郎君・・・!分かった・・・!行くぞジィ!彼らの犠牲を決して無駄にしてはいけない!」
演技でもない事を言うなとも思ったが今の空気的に邪魔をしてはいけないと思った剣也は静かにリムジンに乗り
清志郎達に後を託してヤマトが待っている会社へと送ってもらうのだった
そして残された三人は新型のGATD・ナーガと対峙する為、自分達のGATを取り出すのだが
何やらナーガの様子がおかしくこちらの準備は万端なのに攻撃する感じがしてこなかった
「どう言う事だろう・・・?もしもGATを破壊する為に作られた機体なら真っ先に反応するはずなのに・・・」
「・・・もしかして・・・あくまでも狙いは剣也だけでそれ以外は標的として認識されていない・・・?」
清志郎達は急いで開発されたが故に不具合が起こっているのではないかと思っていたが
実際、ナーガが動きを止めていた理由は他でもない・・・演算の為に無駄な処理を減らしていただけだった
では一体なんの演算をしていたのか・・・それはリムジンがどちらの方向に向かおうとしているのか・・・その予測だ
「!?二人共!急いでリムジンを守って!おそらくあのGATDは狙い撃とうとしている!」
その言葉を聞いて二人は急いでナーガに対して攻撃を加えてなんとか攻撃をリムジンから逸らす事が出来た
「危ないわね・・・!まさかここまで私達を無視するなんて・・・!その代償は高いわよ・・・!」
そして清志郎達が戦っている場所から少し離れた場所には監視用のGATが置かれており
それを介してミッドレイ達は彼らの戦いを監視していたのだが
「あら?あの坊やが戦ってると思ったんだけど・・・どうやら違う子達が相手をしてるみたいね?」
「どうやらそのようだな・・・だがあの程度の相手ならばナーガが苦戦する事はない・・・
むしろ・・・あの少年は後悔する事になるだろうな・・・どうして彼らを置いて行ってしまったのかと・・・」
凶悪な笑みを浮かべるリーダーの顔を見ながらミッドレイはその場から離れる剣也を見つめていた
(さて・・・坊やは彼らが全滅する前に戻ってこれるのかしら?・・・それとあの時のGAT・・・
もしかしたら彼らを助ける為にまた現れるかもしれないわね〜・・・まぁ実験としてはちょうどいいけど)
ミッドレイは先ほど現れた謎のGATが再び彼らを助ける為にその姿を表すのではないかと考えていた
しかしたとえ彼がやってきたところでナーガには絶対に勝てないだろうという自信もあった
何故ならばナーガの強さは普通のGATがどれだけ束になったとしても勝てないだけのものだったから
開発風景を見ていたミッドレイはそれを知っているからこそ彼らがどうやってナーガと戦うのか楽しみにしていた
そして画面の向こう側では剣也の姿が見えなくなった事でナーガが本格的に清志郎達の事を敵として認識した
「ようやくこっちを見たわね・・・!って嘘でしょ!?あの首、全部からビームが出るの!?」
「それだけじゃない・・・!体のありとあらゆる場所に武装が取り付けられている・・・!
前に剣也君が倒したGATDとは比べ物にならないほどにね・・・!まさに歩く兵器庫だよ・・・!」
そのあまりにも圧倒的な破壊力に清志郎達はまともに近づく事すら出来ず相手の攻撃を避ける事に専念していた
もちろんこれでは相手に勝つなんて不可能ではあるが今の彼らに任されているのは勝つ事ではなく時間を稼ぐ事
だからこそ今のこの状況は好都合ではあるのだが問題はいつまで耐えられるかという事だった
(特にあのビーム砲は鉄板とかを軽く焼き切るだけの出力がある・・・!あんなのを生身で受けたら・・・
いや・・・たとえ障害物があったとしても関係ない・・・確実に僕達は・・・死ぬ・・・!)
(どうにかして時間を稼がなくちゃいけないのは分かってるけど・・・!あのビームのせいで遮蔽物は減るし
私達もアレを躱さなくちゃいけないから操作に集中出来ない瞬間が出てくる・・・!)
ナーガの攻撃力はもはや遮蔽物すらも破壊してしまう威力を持っており徐々に隠れる場所もなくなっていく
更には清志郎達自身もあんな攻撃を生身で受けてしまえばどうなるのか、目に見えており
その恐怖から体が勝手に反応して避けてしまいGATの操作に一瞬ではあるが隙が生じてしまう
そしてその一瞬の隙は彼らにとって・・・最も最悪なピンチを招いてしまう
「ぐっ・・・!しまった・・・!武器と翼が・・・!このままじゃ・・・!」
先ほどの隙でホークスの武器が破壊されてしまい更には翼まで破損してしまった
このままでは戦う事はおろか逃げ回る事すら出来なくなってしまうだろう
残された取れる選択肢はたった一つ・・・無事な乙女と蜜柑の事を守るだけだった
「二人共・・・!僕の事は放っておいて、今の内に体勢を整えるんだ・・・!」
「でもそんな事したらアンタのホークスが破壊されるわよ!?それでもいいって言うの!?」
「僕のホークスは壊れてもまた修理すればいい話だ・・・!今の目的はそうじゃないだろ!?」
清志郎はちゃんと自分達が足止めの為に残っているという事を自覚しておりその為に自分を捨て駒にしようとしていた
もちろんそんな事を許そうとする乙女達ではなかったが彼の言っていた事に対して思う部分がないわけでもなく
必死に他の方法がないかと考えるがどんなに頑張ってもホークスを見捨てる以外の選択肢は出てこなかった
しかも相手はそんな話し合いすらも待ってくれる様子はなくこちらに集中攻撃を仕掛けてきた
流石の清志郎もここまでかと諦めていたのだが攻撃がくる直前、何者かがナーガに攻撃して狙いを逸らしてくれた
一体何者がやってくれたのだと三人は攻撃が飛んできた方向を見るとそこに居たのは先ほど助けてくれたGATだった
「あいつ・・・!また私達を助けてくれた・・・?でもなんで・・・」
「分からない・・・けど体勢を立て直すなら今の内・・・!飛鷹君は自分のGATを回収して・・・!」
どうしてそのGATが自分達を助けてくれるのか理解出来なかった清志郎達だったが
この状況を利用しない手はなく彼がナーガの気を引いている間に清志郎はホークスを回収した
しかし状況は依然として不利なままでありこのままでは全滅する可能性も十分にありえた
すると先ほどのGATがナーガの攻撃を躱しながらこちらに振り向いてきて三人に喋りかけてきた
『お前達・・・ここに居ては戦闘の邪魔だ・・・!早くこの場から去れ・・・!』
「なっ!?そんな事、出来るわけないでしょ!?あいつの狙いは剣也なのよ!?
ここで逃げたら足止めする為に残った理由がなくなるわよ!!それに民家を巻き込むわけにも・・・」
乙女の言う通りこの状況に逃げ出してしまえば確実にナーガは逃げていった剣也を追いかけていくだろう
そうなってしまえば清志郎達がここに残ってしまった意味がなくなってしまうし
何よりも問題なのはその途中で民家や一般人などを巻き込んでしまう可能性があるという事だった
そんな危険な真似は絶対に出来ないと乙女が真剣な顔で伝えるとそのGATは大丈夫だと告げる
『お前らの代わりは俺が務めてやる・・・だからお前らとっとと小僧の元に戻って安心させてやれ』
その言葉を聞いて清志郎達は今の剣也が自分達を残して行ってしまった事を後悔しているはずだと気がついた
だからこそ自分達は無事に彼と合流しなければならないと言う事を謎のGATは諭してくれた
「・・・分かりました・・・!必ず剣也君を連れて戻ってきます・・・!だからそれまで耐えてください!」
清志郎達はそのGATの言う通りにその場から離れて剣也達の元へと走り出していく
ナーガはそれを食い止めようと狙いを定めるがあんな事を言った手前、彼がそれを許すわけもなかった
『お前の相手はこの俺だと言ったはずだ・・・!小僧が来るまでしばらくの間、遊んでもらうぞ?』
ナーガは完全に対象を見失った事で殲滅対象を変更し目の前のGATに狙いを定める
それに気がついた彼も同じく本気だと言わんばかりに自分の使い慣れている愛用の武器を取り出し戦闘を開始した
そんな二人の戦いを尻目にしながら蜜柑は先ほど助けてくれたGATの声に聞き覚えがあった
(・・・似ていた・・・機械から聞こえていた声だったからまだ確信は持てないけど・・・
小さい頃に聞いていた・・・お爺ちゃんの声にそっくりだった・・・どうして・・・?)
圧倒的なナーガの前になす術がなかった清志郎達
それを助けてくれたのは謎のGATだった
果たして彼の正体とは!?




