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破砕のアルゴ

いよいよアルゴ戦!

信侍に全てを任せてきた剣也達は急いでGATがたくさんいたフロアを駆け抜けたのだが

そのすぐ後で迷路のような施設にどうやって出口まで辿り着けばいいのだと迷いながら走っていると

ようやく出口のような扉を発見しその中に入るとその奥には2メートルを超える大男が待ち構えていた

(こいつ・・・!あのモニターに映ってたバカみたいな力を持ったGATを使う幹部クラスの男・・・!)

「おぉ!ようやくやってきたか!もしや来ないのではないかと少しだけ不安になったぞ!!

 だがここまで来たからにはこの俺様の相手をしてもらうぞ!!」

そう言ってアルゴが取り出したのはやはりモニターに映し出されていた例のGATであり

映像で見た時は分からなかったが明らかに市販のGATよりも大きくあのベアルすらも凌駕していた

(なるほどのう・・・確かにあれだけの大きさならばどんなに巨大な物でも重量に潰される可能性はないか・・・

 じゃがそれはあくまでも理論的にはと言う話でありそれを実現させたという情報は学会ではない・・・

 つまりあのGATに仕込まれた技術もまた本当ならば軍で使われているような機密事項というわけか・・・)

そしてそれを直に見た伊部牧はその機体に使われている技術などを一瞬で見抜いている様子だった

それ故に彼の持っているGATがどれほど脅威なのはを十分に理解しており恐怖していた

(・・・剣也君はこれまで幹部達と戦っては来ているがそれはあくまでも仲間と一緒での事・・・

 しかし今回はその仲間すらもいない状況じゃ・・・果たしてどこまで戦えるか・・・)

何よりも伊部牧が心配していたのは今回、明らかに状況がこちらに劣勢な事だった

前までの戦いでは剣也には仲間がいた状態で幹部との戦闘に臨んでいたので実力差を埋める事が出来たが

今回に関しては仲間が誰一人としていない状況であり実力差がもろに出る事には変わりなかった

かと言ってここで逃げるような選択肢などあるわけもなくまた、目の前の人間が逃がしてくれるとも思えなかった

そして目の前にいるアルゴを見てみると彼はまるで玩具を見つけたかのような獰猛な獣の顔をしていた

その顔を見て伊部牧はやはり彼もまた裏の世界を生きてきた人間なんだと認識を改める

(果たしてこんな怪物を相手にして剣也君は・・・どうやら心配はいらないみたいじゃな・・・)

伊部牧は先ほどの顔を見て剣也が臆してしまったのではないかとも考えたがそれは杞憂でしかなく

今の彼にあったのはただ目の前にいる敵を倒すという託された使命を果たそうとする心だけだった

「へぇ?俺様の威圧にここまでビビらなかった小僧はお前が初めてだ・・・!いいぜ!

 俺はそんな強い強者と戦ってみたかったんだ!!俺とこのセベクはな!!」



その頃、アルゴ達が相対している部屋よりも奥にある部屋では鉱石の解析が終了しエネルギーの抽出準備をしていた

「む?どうやらアルゴ様のところに敵が来ているみたいだな・・・しかし一人とは・・・お生憎様だな・・・」

「そういえば自分はアルゴ様の戦いを見た事がないのですがどんな風に戦うのですか?」

みんなで作業していると部下の一人がアルゴがどんな戦いをする人物なのか気になっている様子だった

「そうか・・・お前達はあの人の戦いを見た事がなかったのか・・・いや・・・あれはもう戦いとかじゃないな・・・

 俺から言わせてもらえばあれはただ獣が目につく獲物に喰らいつく狩りとかと一緒さ・・・

 故に付いた二つ名が破砕のアルゴ・・・まさに全てを破壊する飢えた獰猛な獣って奴さ・・・

 ただ一つだけ動物と違う点があるとすれば・・・それはあの人の飢えを満たせる相手がいないって事だな」

「破砕ですか・・・流石にこの拠点が壊れるなんて事は・・・ない・・・ですよね?」

新人そうな部下が少し不安そうな顔をしながら彼の戦いぶりを聞いて拠点が大丈夫なのか不安に思っていた

副隊長である男はそんな事は気にしないでいいと作業に戻らせながらアルゴの事を考えていた

長年、彼に支えてきた彼だからこそアルゴがどんな戦いをするのか本人よりも理解している

それはまさしく破壊の権化であり壊せない物などないのではないかと言われたほどの怪物

そんな彼が戦っている姿はまるで狩りを楽しんでいる肉食動物そのものであり戦いとは程遠い

しかしアルゴがどんなに戦ったとしても飢えを満たしてくれるような相手は存在しておらず

唯一、まともに自分と戦えるような相手は同じ幹部の三人だけで本気でぶつかり合った事はなかった

だからこそ今回の剣也との戦いは彼にとってもしかしたら飢えを満たせる事になるのではないかとその男は考えていた

(・・・いや・・・いくらあの小烏丸様やミッドレイ様を退けたとはいえ相手はまだ中学生の子供・・・

 そして今回は味方すら誰もいない状況でアルゴ様と戦うんだ・・・

 いつも以上に一方的な展開になるのは目に見えている・・・だがまぁ・・・もしもあの人の飢えを満たせたなら

 そいつはもう・・・組織にとって最も危険視するようなファイターと言っても過言じゃねぇだろうな・・・)

部下の男はそんなもしもは起きえないだろうと思いながらエネルギーを抽出する準備を再開する

(頼みますよ?アルゴ様・・・アンタが負ける心配はしてないけど戦いの余波で目的を達成出来なくなったら

 その時は俺が上に怒られちゃうんですからね・・・それで降格になった日には組織、辞めたくなっちゃうよ・・・)

どちらが勝つにしても現状では時間さえかけてもらえればエネルギーを抽出するという目的は達成される

だからこそ逆を言えばそれが行われるまでは大人しく離れた場所で戦って欲しいと切に願う部下だった



そしてこちらでは既に剣也とアルゴの戦闘が始まっておりセベクはそのパワーを遺憾無く発揮していた

(どんなパワーしてんだよ・・・!コンクリート製の床なのに平然と破壊してやがるぞ!?)

「ガハハハ!!逃げているだけではこの俺に勝つ事なんて出来ないぞ!?それとも戦う気を無くしたか!?」

別に相手の挑発に乗っているわけではないがそれでも剣也は彼の言葉を聞いて苦い顔をしていた

その理由は戦えば戦うほどにセベクの弱点と呼べるものが見えてこなかったからだ

(もちろん本当に見えてこないわけじゃないけど・・・問題はその弱点を攻められないって事だ・・・!)

先ほどから剣也はアルゴの弱点である大振りな攻撃に合わせて攻撃を繰り出そうとしているのだが

まるで狂った獣のように暴れるセベクのパワーが強すぎて近づく事が出来なくなっていたのだ

(まさに極め尽くされた長所は短所すらも埋める典型というわけか・・・!しかしこれでは勝負にすらならん・・・!

 まずはあのがむしゃらに暴れる戦い方をどうにかしなくては・・・じゃがその為には武器の長さが足りん・・・!)

そしてここでもう一つ、問題になってくるのは他でもないヤマトの持っている武器の射程だった

本来ならばこう言った時は遠距離から攻撃して相手の態勢など崩したりするの剣也にはそれが出来ない

何故ならば今の時点ではヤマトの持っている『ムサシ』と『シナノ』以外、武器を使う事は出来ないからだ

(まさかここで例のシステム不良が仇となるとは・・・!

 こんな事ならばやはりちゃんと修理をしておくべきじゃったか・・・!)

今更になってと伊部牧は後悔している様子だったがそんな事を言っても時が戻るわけではない

だからこそどうにかして現在の状況を打破できないかと考えていた時に頭を過ったのは武器の隠された機能だった

しかしそれは現在においてもどうやって起動すればいいのかも分からずその内容も把握してはいない

もしも現状を打破出来るような機能ではなかった場合、間違いなくヤマトは粉砕される事になる

(ダメじゃ・・・!そんな博打に剣也君を巻き込むわけにはいかん・・・!

 せめて戦いが互角になるようにせねば・・・!じゃがどうすればそんな事が・・・)

伊部牧はこんな大切な勝負の場面で分の悪い賭けをするわけにはいかないと違う方法を考える

せめて互角に戦えるように二人が戦っている場所をどうにかする事は出来ないかと考えていた時だった

(・・・そういえばここには例の鉱石もあるはずじゃよな?なのにあの大暴れっぷり・・・

 もしかして彼奴は勝負になった瞬間、周りが何も見えていない状況になっておるのか!?

 ならば逆にその特性を利用すれば彼奴の動きを制限する事が出来るかもしれん・・・!)



一方でアルゴは剣也と戦いながら生まれて初めて嬉しいという感情を抱いていた

彼にとってGATを破壊する事はいわゆる空気を吸う事と同じ事であり喜びを感じる事はなかった

それ故に黙々と作業をしている中で彼は心の奥底で求めるようになっていた・・・強者の存在を・・・

そして今、彼の目の前には自分との戦いで全く傷を負わず果敢に攻めてこようとする存在がいる

これまでの相手はセベクのパワーに怯えたり逃げ出したりしていたのに剣也はそれをしない

つまりは今の彼にとってまさに遊び相手としてふさわしい敵でありアルゴはこの瞬間を待ち望んでいた

(これだ!これこそが俺が待ち望んでいた戦いというもの!俺は初めてそれを体感している!!

 いいぞいいぞ!もっと俺に戦いの喜びを・・・!そして勝利の喜びを教えてくれ・・・!!)

そんな中でアルゴは自分の勝利を疑ってなどおらず今の自分ならば確実に剣也に勝てると思っていた

だからこそ彼はこの場で戦ってすらいない伊部牧という存在を忘れてしまったのだ

アルゴは強烈な一撃をヤマトに当てようと同じく真横に飛んだ時、何故かそこにあった瓦礫に激突してしまう

そこをヤマトが狙ってきたが間一髪で攻撃を躱し何が起こっているのか周りを見てその違和感に気がついた

「なんだ・・・いつの間にか俺の戦うフィールドが・・・狭くなってる?」



「どうやら気がついたようじゃの・・・じゃが気づいた時には既に遅い・・・!お前さんはもう檻の中じゃ・・・!」

伊部牧の策に嵌ったアルゴ

しかしそれが彼の野生を解き放つ事になってしまう!?

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