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出揃った強者四人

準決勝前の休憩回

乙女と鮫牙の戦いが終わってしばらくした後、蜜柑の試合も始まったのだが

やはり予想通りと言うべきなのか特に番狂せもなく勝ち上がったのは蜜柑だった

こうして準決勝へと駒を進めた四人が決まり会場は大盛り上がりだった

『さぁさぁ盛り上がってきました地区大会!ここで途中経過を発表させていただきます!

 まずはパワーと戦いの経験からここまで生き残った猛将!氷塔選手!

 次に手数の多い攻撃!そしてトリッキーなプレイを見せた兜選手!

 そして近接戦においては右に出る者はいないのか!?国崎選手!

 最後は圧倒的なスピードで百発百中の腕を持つ弓の名手!月白選手!

 以上の四名が準決勝に残った代表になります!そしてこの四人には特別なプレゼントがあります!』

どうやら司会のお姉さんが言うにはこの準決勝まで残った彼らには大会側から何かしらの褒美があるらしい

そんな事は大会のチラシなどにも書かれていなかったので剣也達は一体、何を貰えるのだろう思っていると

『実は今年からGATバトル委員会の提案によりそれぞれの大会の規模を増やす事になりました!

 そしてたった今!この準決勝に残った四人は・・・県大会に出場する資格を得たのです!』

なんと剣也達に渡されるプレゼントとは他でもない県大会に出場する為の資格そのものだった

これには剣也だけではなく鮫牙や氷塔達も驚いていたようで目を見開いていたのだが

鮫牙だけはすぐに冷静さを取り戻して何故かは分からないがとても嫌そうな顔をしていた

彼の事を見ていた剣也はどうして彼がそんな顔をするのか分からなかったが一つだけ分かっている事はある

それはこの大会がどんな形で終わったとしてもこの先で再び鮫牙と戦える可能性があるという事だった

それを考えただけで彼のワクワクとした感情は止まらずこの先の戦いも待ちきれないという感じだったのだが

『それでは準決勝を始める前に・・・もうそろそろお昼も近いのでこれから一時間ほど休憩とさせていただきます!

 観客の皆様は入場チケットを無くさないように持って外の出店などに向かってください!

 選手の皆様も午後からの激しい戦いに備えてくださいね?それではまた午後の部でお会いしましょう!』

まさかのお預けを受けてしまい剣也は出鼻を挫かれてしまったみたいになってしまった

しかし司会のお姉さんが言っていた通り、ここまでの戦いでかなりエネルギーを消費したのか

誰よりも派手な音で剣也のお腹が鳴り響きご飯を食べないと力が出る気がしないと思っていた

「・・・しょうがない・・・みんなと合流して何か食べるとするか・・・」



剣也達は会場を後にして近くにある公園に集まる事になっていたのだが

そこには何故か既に剣也の家族が風呂敷を広げて料理を用意しており完全にピクニックになっていた

「・・・なんでこんな事になってるのかはもう聞かないけど・・・用意が良すぎでしょ・・・」

「まぁまぁ、せっかく母さんが用意してくれたんだからみんなで一緒に食べようじゃないか」

どうにか場を和ませた剣也の父によりみんなで食事をする事になった

しかし流石にこんなにいるとは思っていなかったようでおかずなどが足りないと思っていると

「みんなこんなところに居ったのか!午前はいい試合じゃったのう!これはワシらからの差し入れじゃ!」

そこへ伊部牧と大樹署長の二人が屋台で買ったであろう様々な料理を持ってきてくれた

みんなはそれをありがたくもらっていると二人は剣也の両親に誘われて一緒に食事をする事になった

「そうですか!貴方がよく剣也の話していた伊部牧さんでしたか!息子がお世話になっています!」

「なんのなんの!むしろこちらとしては常連さんとして贔屓してもらっておるくらいじゃよ

 それにしても・・・お宅の息子さんはすごいのう・・・まさか準決勝まで勝ち進むとは・・・

 しかも県大会は出場が確定したわけじゃし・・・本当に凄まじい成長じゃわい・・・!」

正直な話、伊部牧はこれまで剣也がどれだけ激しい戦いを超えてきたのでこれくらいは出来ると知っていた

しかし家族はどれほど危険な事に巻き込まれていたのかまでは知らないはずなので

両親には本当に彼は凄いという事だけを伝えると何故か剣也の父は申し訳なさそうな顔をしていた

「・・・確か伊部牧さんは知っているんですよね?ヤマトが私達の買った物じゃなく拾い物だって事を・・・」

「それを調べたのは他でもないワシですからな・・・もしやそれを気にしているのですか?

 あれは別に会社自体が倒産していたから返す必要もないものなので気に病む必要など・・・」

伊部牧はどうして剣也の父がここまで申し訳なさそうな顔をしているのだろうと思っていると

どうやら彼が申し訳ないと思っているのはそのヤマトに関してのようだった

「・・・正直な話、私はあの子に対して何かを買ってあげた事はそんなになかったんです・・・

 だからGATもあの子がお金を貯めていたのを知っていたのに家族分を用意出来ずあの子に我慢をさせてしまった」

「・・・なるほどのう・・・確かにあの子はこれまで親に迷惑をかけないようにしていたのかもしれん・・・

 しかし・・・あの子は別にその事を気にしてはおらんみたいじゃぞ?

 そうでなければあそこまで楽しそうな顔はせぬよ・・・じゃからお主も気にせずいつも通りに接しなさい」



「・・・はい・・・!」



「はぁ・・・それにしても次の相手は氷塔か・・・あの大会の続きをするって感じか・・・」

そう・・・剣也と氷塔は爆裂武闘大会でも戦っているのだが、あの時は邪魔が入って決着はついていない

つまりこの準決勝はある意味、彼らにとってはその時の決着をつけるようなものなのだ

だからこそ少しだけ感慨深いものがあると同時にどんな風に彼と戦えばいいのかを悩んでいた

(あの時はただ単純に戦いを楽しむって意味で真正面からぶつかってたけど今回は違う・・・

 正真正銘、全力でぶつかり合う事をアイツは望んでいるはずだ・・・それこそ自分の持っている全てを・・・)

今回のバトルと前のバトルとで違うのは楽しむバトルなのは変わらないが勝敗を考えなくてはいけない事

つまり向こうもどんな手を使ってでも勝ちを狙ってくるしこちらもそれを狙わなくてはいけない

それこそがこの戦いにおいて最大の礼儀であり最も評価されるであろう行動なのだ

しかしそれが逆に剣也にとって迷いを生じさせる事になっておりどんな戦いをすればいいのか悩む原因になっていた

するとそこへ氷塔と最初に戦い敗北してしまった清志郎が姿を現して剣也の隣に立つ

「・・・随分と悩んでるみたいだね・・・やっぱり氷塔さんは剣也君の目から見ても強敵?」

「当たり前だろ?それに今回は正真正銘・・・勝ちを目的とした全力の勝負になる・・・あの時と違ってな

 それがどんな試合になるのか・・・正直な話、俺も全然想像が出来ない・・・」

剣也は今回の戦いがどれだけ激しいものになるのか全くと言っていいほど想像出来ないと告げる

それほどまでに氷塔の強さは剣也の想像を超えており全力で戦わなければならないと考えていたのだ

そしてその事は実際に戦った清志郎も理解しておりその上で彼にアドバイスをする事にした

「・・・正直・・・氷塔さんと戦った時・・・今までにないくらいの気迫を感じたよ・・・

 あの人は強い・・・!もちろんファイターとしての強さもあるけど一番は心・・・!

 これまでにないくらいの覚悟が氷塔さんを尋常じゃないほどに強くしてると僕は思ってる・・・!」

「覚悟か・・・つまり氷塔に勝つ為にはその覚悟を超えなくちゃいけないって事か・・・」

清志郎の話を聞いて剣也は氷塔の強い覚悟を超えなくてはいけないのだと険しい表情をしていた

しかしそれを超えなくては彼が待ち望んでいる鮫牙との戦いに臨む事は出来ない

(・・・こればっかりは本当に戦ってみないとどうなるか分からないな・・・

 鮫牙・・・お前だったら氷塔とどんな戦いを繰り広げたんだろうな・・・)

今になってはもはや叶う事のない二人の戦う姿を想像しながら剣也は空を見上げるのだった



一方その頃、氷塔は律矢と一緒に近くの屋台で買った料理を食べながら剣也との試合についてを話していた

「・・・いよいよ彼との決着をつける時だけど・・・君からして勝率はどれくらいあるんだい?」

「勝てる確率なんて関係ない・・・!俺は全員を倒して自分が頂点だと証明するだけだ・・・!」

律矢の問いに対して氷塔の答えは勝つか負けるかではなく必ず勝ってみせると宣言していた

だが付き合いの長い律矢はすぐにそれがいつもと違う彼の強がりだという事を理解出来た

その証拠におそらくは律矢しか気づいていないだろうが氷塔の手が少しだけ震えていた

(・・・おそらくだけど・・・真正面から勝負しても剣也君には勝てないと彼も分かっている・・・

 だからこそ色々な対策を考えて戦うしかないけど、問題は・・・彼も同じ事を考えているという事・・・

 つまりどんな戦法を使ったとしても剣也君の動き次第では・・・氷塔の敗北は濃厚だ・・・)

残念ではあるが律矢の目からみても両者の戦いは剣也の方が圧倒的に有利だと考えていた

その事実を氷塔自身も理解しているはずであり、それ故に体が震えているのだろう

「・・・氷塔・・・どうか私の分のリベンジも君が済ませてくれ・・・!信じてるぞ・・・!」

それでも律矢は彼が勝つ事を信じて応援する事を選んだ

それが彼を慕い彼の事を信頼している唯一無二の親友としての役目だと思ったから・・・

「・・・ああ・・・!必ず俺が優勝し・・・お前の無念を晴らしてやる・・・!」

氷塔はそんな律矢の覚悟を理解したのか彼の思いも一緒に受け取った

そしてゆっくりと空を見上げながら彼は最後の決意を固める

(剣也・・・今は貴様との勝負の事だけを考えよう・・・!この試合でどんな決着を迎えるかは分からない・・・

 だが・・・!たとえどんな決着になったとしても・・・勝つのは・・・俺だ・・・!)

こうしてそれぞれの覚悟を決めて

両者はバトルスタジアムへと舞い戻る・・・!

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