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譲れぬ想い

今回は乙女が主役の回です

残る試合はあと二つ、その内の一つは相手からして蜜柑が勝つのは目に見えているのだが問題はその前

剣也がライバルと思っているファイターの鮫牙とそんな彼に対して戦いを挑まなくてはいけない乙女

この両者の戦いがどうなるかでこの先の戦いがどんな風になるのか決まると言ってもいいだろう

(・・・正直・・・天理ちゃんとあのファイターじゃ相性が悪過ぎる・・・)

そんな中で観客席からその様子を見ていた律矢はどちらが強いのかを理解していた

確かに乙女はこれまでの合宿で強くなっているのだろうがそれでも鮫牙の方に天秤は傾いた

それほどまでに鮫牙は強く更に特訓までしてきたという事は全国クラスの実力も上がっているだろう

(・・・だが確かに見応えのある戦いになるのは間違いないだろうな・・・激しい打ち合いになりそうだ)

しかし試合の内容に関しては律矢も興味がありその戦いは激しいものになるだろうと予想していた

その理由はもちろん二人共が近接戦闘のエキスパートであり打ち合いが予想されるからだった

鋭い攻撃と素早い攻撃で怒涛の連打を繰り出す鮫牙に強力な一撃を叩き込んでくる乙女

おそらく乙女の一撃が決まれば面白い試合になるのだろうが問題はどうやってその一撃を当てるか

(鮫牙はあの剣也君の素早い攻撃にすらついていけるほどの反応速度と操縦技術を持っている・・・

 そんな相手に対して格段に遅いハルバードの一撃をどうやって当てるのか・・・天理ちゃんの作戦が決め手だな)

もしも乙女が鮫牙に対して有効な一撃を与えるだけの作戦を持っていた場合

この試合は誰も予想していない展開になっていくだろうが流石の律矢もそこまでは期待していなかった

いや・・・期待できなかったと言うのが正直なところなのだろう

そこまでの期待を彼女に対して勝手に背負わせてしまうのは申し訳なく今は応援するだけにした

そんな中でバトルスタジアムの準備が出来たのか二人がメインステージに登っていくのが分かった

その瞬間から誰しもが鮫牙の勝利を疑ってはおらず観客はざわついている様子だった

しかし当の本人達は全くと言っていいほど気にしている様子はなくバトルスタジアムに己のGATをセットする

「剣也には悪いけど・・・絶対、アンタに勝って私が決勝に行かせてもらう・・・!」

「・・・お前がどれほどの強さを持っているのかは分からないが・・・俺はそんなに甘い人間じゃない・・・

 このバトルスタジアムを前にしたらお互いの全力をぶつけ合い・・・己が強いと証明するだけだ・・・!」

両者はすでに戦う前から火花を散らしており開始の合図がする前からやる気は十分と言った感じだった

『それではGATバトル・・・ファイト!』



戦闘が始まると乙女のワルキューレが転送された場所はどこかの遺跡の中のようで周りが暗く何も見えない状況だった

こんな場所ではまともに戦えないと判断した彼女はゆっくりと警戒しながら移動して明るい場所に出ようとした時

「!?こんな暗い場所でも仕掛けてくるなんて・・・!どんなセンサー積んでるのよ!!」

「別にセンサーを頼っているわけじゃない・・・暗くても輪郭はぼんやりと見えているし音もする

 後は・・・培ってきた経験がものを言っているだけだ!」

どうやら鮫牙はこんな暗闇の中でも戦えるだけの術を持っているようで乙女は防戦を強いられていた

かと言って後ろを見せて逃げようとすれば鮫牙は確実にその隙を突いて攻撃してくるだろう

どうにかして彼の攻撃を中断させ離れなくてはいけないと乙女は色々と考えてここが遺跡の中だという事を思い出した

(!そうか!ここが遺跡の中だっていうのならどこか一本でも柱を壊してしまえば!)

乙女は鮫牙からの攻撃を防御しながら近場にあった柱を破壊すると天井が落ちてきた

遺跡ステージは元々、かなり脆く出来ているので一つでもオブジェクトが壊れると崩落する仕様になっているのだ

しかし鮫牙もそれは覚えていたようで天井が落ちてきても冷静に対処し落ちてくる瓦礫を斬り落としていく

(・・・逃げられたか・・・出来れば今の攻撃で決めておきたかったんだがな・・・)

無事に崩落から逃れられた鮫牙だったが乙女には完全に逃げられてしまいその姿を見失ってしまう

本人としては一方的に攻撃出来ていた先ほどの間で決着を付けておきたかったと思っていた

かと言って今から追いかけても待ち伏せされていては元も子もないし何よりもまだ崩落の危険性がある

(いくら瓦礫を斬り落とせると言っても限界はあるし・・・ここまで戦いの場が荒れてしまうと・・・)

正直な話、崩落が起きて最も問題になってくるのはその崩落した場所では戦闘が出来なくなるという事だった

そうなってしまえばいくら鮫牙が強いと言っても出来る事がどんどんと限られていってしまう

だからこそ鮫牙は下手に乙女を刺激しないでゆっくりと追い詰めながら一気にケリをつけようと歩き始める

その頃、無事に鮫牙から逃げ切った乙女は再び広い場所を探しているが迷路のようなその遺跡に苦戦していた

「ああもう!なんでこんなに入り組んでるのよ!?これじゃあ広い場所に出るどころが迷子になっちゃうじゃない!」

流石の乙女もこれには怒りを隠せないようで壁を破壊しようかとも考えたようだったが

そんな事をすれば先ほどのように遺跡が崩落して自分が追い込まれる事になってしまうのは目に見えている

だからこそ冷静にどうすればいいのかを考えながら歩いていると一つだけ思いついた事があった

(・・・ちょっと待って・・・別に横を壊す必要はないんじゃないの・・・壊すのなら・・・!)



「っ!?また崩落!?いやこれは・・・アイツが遺跡を破壊しているのか!?」

再び遺跡が揺れ始めて鮫牙は崩落が始まったのかと思ったが揺れが不規則な事に気がつきこれは人為的なもの

つまりは乙女が遺跡を破壊しようとしている事に気付くがその理由までは理解出来なかった

(アイツはバカなのか!?さっき自分の攻撃で遺跡を攻撃すればどうなるか分かったはずだ!?

 それを敢えて攻撃するなんて・・・いやそうか!奴の狙いは崩落させて外への出口を作る事・・・つまりは上!)

そう・・・乙女が狙っていたのは天井を破壊してこの遺跡から脱出する事だった

確かにここがどんなに狭い遺跡だったとしても必ず外というものは存在するはず

ならば自分がやるべき事はその出口を作り出す事、つまりは天井に穴を開ける事だと考えたのだ

本来、これは下手をすれば天井の崩落に巻き込まれてしまう可能性があるので危険極まりない行為

だからこそ流石の鮫牙もこんな無謀な手を使ってくるとは予想していなかったようで理解するのが遅れた

その結果として乙女は賭けに勝つ事ができ無事に遺跡の外、屋上へと飛び出る事が出来た

「はぁ・・・はぁ・・・!思った以上に天井まで遠かったけど・・・これで十分に戦える・・・!」

なんとか外へと出られた乙女は一息つきたいところだったがそういうわけにはいかなかった

(戦いはここからが本番・・・!アイツがどこから現れるのかによって勝負が決まる・・・!)

遺跡の中にはまだ鮫牙が残っており外に出てくる時がもっとも無謀にになっているだろう

乙女はまさにその瞬間を狙っておりその奇襲がうまくいくかどうかによって勝敗も大きく変わってくる

そして乙女はどこからやってくると警戒しながら周りへの注意していたまさにその時だった

「っ!そこだ!!」

一部の地面がひび割れて乙女はそこから鮫牙のジョーズが出てくると判断し攻撃を繰り出したのだが

そのひび割れた地面の下は空洞になっておりジョーズの姿はなく別の場所から彼は飛び出してきた

「流石に一発で飛び出てくるわけがないだろう・・・まぁ・・・警戒したのは認めるがな・・・」

どうやら出た直後を狙われる事は鮫牙も理解していたようでフェイントとして天井を一回だけ攻撃し

乙女はその衝撃に釣られてしまい初撃を誘発させられてしまったというわけだった

これにより乙女の勝つ為に残された方法はたった一つ・・・真正面からの戦闘で勝つ事だけ

そして同時に・・・最も勝つ事が難しい選択だけが残されてしまった

「いいや・・・!それでも私は・・・絶対に勝つ・・・!勝ってみせる・・・!」



「いいだろう・・・!その覚悟を俺にぶつけてこい・・・!」

どうやら鮫牙も真っ向勝負に乗り気なようで一才の小細工なしに戦う構えをとっていた

おそらくはこれが乙女の覚悟に応える彼なりの敬意を表したものだったのだろう

それは本人も理解しており感謝はするがそれでも戦って勝つ意志に変わりはなかった

そして両者の激突は一瞬ではあったが勝負は決まり・・・勝ったのは・・・鮫牙だった

『バトルエンド!勝者!国崎選手!』

鮫牙に敗北した乙女はそのまま控え室へと繋がる通路に行くとそこで涙を流していた

しかもその場所に居たのは彼女にとって最も会いたくない相手である蜜柑だった

すると彼女は無言で乙女の事を抱き締めるとそのまま乙女は声を上げて泣き始めた

蜜柑はそんな乙女の頭を撫でながら自分の出番が来るまでその場に居続けるのだった

いよいよ出揃った四人の猛者達

果たして優勝するのは一体誰なのか!?

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