違法GAT
今回は序盤は戦闘シーン!
後半は少しだけシリアスな展開になります
男達は早速、自分達のGATをセットしてCRバンドのスイッチを入れる
それと同じくして剣也と蜜柑もCRバンドを装着しそのスイッチを入れて戦闘を開始する
「兜君・・・もしかして貴方のGATは武装を搭載していないの?」
「まぁね・・・おまけに武器も登録してないみたいでちゃんと稼働してくれなくて・・・
そんなわけで素手で戦うけど・・・まぁ足は引っ張らないつもりだからさ・・・!」
「ヒャヒャヒャ!武器も持たないGATが俺達の改造されたGATに敵うものかよ!!」
男達は剣也のGATに何も付けられていない事を笑って馬鹿にしていたが蜜柑は違っていた
「馬鹿なのは貴方達の方・・・たとえどんなに強いGATを持っていたとしても
使う人間が未熟ならば身を滅ぼす事になるのは・・・自分達の方よ・・・!」
蜜柑だけはどうやら剣也が只者ではない事を見抜いていたのかやられるのは彼らの方だと宣言する
その言葉を聞いて頭にきたのか男達はは蜜柑のGATである月兎の方を狙うのだが
「俺の存在を忘れてるんじゃねぇよ!」
そこへヤマトが飛び蹴りをかまして男達のGATを吹っ飛ばした
「テメェ!?」
「月白さんに相手をしてもらいたいのなら先に俺を倒してからにしてもらおうか?」
その挑発が効いたのか男達はすぐに蜜柑から敵意を剣也に変えて一気に突っ込んできた
しかし剣也はその攻撃を最小限の動きで躱しており男達も何故、当たらないのだと不思議に思っていた
そんな中でたった一人・・・味方である蜜柑だけは剣也の動きを完全に捉えていた
(凄い・・・!まだGATを初めて間もないはずなのにもうその特性を理解して完全に操れている・・・!
もしかしたら本当に私は必要なかったかも・・・でも武装も無しに違法GATを倒すのは無理・・・)
剣也の強さを見て蜜柑は本当に自分は必要なかったのではないかと思っていたが
ヤマトには武装が装備されていない事を思い出してトドメを刺すのは自分しかいないと気持ちを切り替える
そしてそれは剣也も自覚しているようで先ほどから攻撃をしているが戦闘不能に出来る様子はなかった
(違法に改造されたGAT・・・装甲も普通のGATに比べて硬い・・・!
素手じゃあの防御力を突破するのは無理だな・・・やっぱりトドメは月白さんに任せるしかないか!)
「月白さん!俺が隙を作るからトドメは頼む!」
「ええ・・・!どんな小さな隙でも見逃さない・・・!」
「テメェら!さっきから作戦がダダ漏れなんだよ!?そんなんで俺達がやられるとでも思っているのか!?」
「もちろん・・・思ってるさ!」
ヤマトは凄まじい勢いで違法GATの懐に入り込むとそのまま投げ技の要領で空中に投げ飛ばした
「これだけの隙があれば・・・十分・・・!」
もちろんその隙を逃すような蜜柑ではなく空中に浮遊している間に違法GATを弓で撃ち落とした
「「「グァァァァアア!!??」」」
すると自分達のGATが破壊された瞬間に男達は悲鳴を上げながら地面に倒れ込んだ
「!?一体何が起こって・・・」
「・・・後で説明する・・・まずは警察に連絡して・・・」
剣也は蜜柑に言われた通りにすぐさま警察に連絡をした
幸いな事に大樹署長と知り合いだったので警察は剣也の言う事を信じてくれた
「それにしても違法GATを使ったのか・・・
セーフティーをつけている理由は相手を傷つけないためだけではないんだがな・・・」
「あの〜・・・違法GATってそんなに危険なものなんですか?」
「そうか・・・一般的には違法GATがどんなものなのか教えられていないのか・・・」
事情を聞いて駆けつけてくれた刑事は違法GATを使うなど馬鹿な事したと思っていた
剣也は違法GATの危険性については何も知らないので一体どんな事が起こるのかを尋ねると
刑事の代わりにその問いに答えたのは剣也の後ろにいた蜜柑だった
「違法GATはさっきも言ったように普通のGATよりも同調率が高い・・・
だからGATが受けたダメージと同じだけの痛みを受ける事になるの
下手をしたらそれでショック死する危険性だってある・・・だからセーフティーがつけられたの」
「そうだったのか・・・確かにそれは禁止されて当然だよな・・・」
「その通り・・・だからこそ彼らからどこで違法GATを入手したのかを確認しないと
その前にまずは君達を家まで送り届けないとね!それと・・・捜査にご協力ありがとうございました!」
刑事は捜査に協力してくれた事を感謝しており二人は自宅まで送ってもらえる事になった
「・・・そういえば月白さんはどうしてあの人達に絡まれてたの?」
「家に帰ろうとしていた時にたまたま絡まれた・・・
しかもしつこかったから自分で倒そうとも考えたんだけど・・・
正直な話、兜君が助けに入ってくれて感謝している・・・」
(・・・って言われてもな〜・・・無表情であまり感謝されている感じがしない・・・)
蜜柑はどうやら感情表現が乏しい女の子のようで表情があまり変わらなかった
それでも素直に感謝している事だけは伝わってきたので剣也は素直にその感謝を受け取った
(・・・この人・・・私がこんな性格だって分かっても変わらない態度・・・
もしかして・・・私のような人が知り合いにいたりするのかな?)
そして蜜柑の方も盛大に勘違いしている事は言うまでもなかったのだった
その後、両親に帰ってきた理由を説明し色々と心配されてしまったが
とりあえずは無事なのを喜んでもらい翌日も剣也は何事もなく学校に通っていた
「あんたね・・・私らが二人の相手をしている時になんでそんな事件に巻き込まれてるのよ・・・」
「あはは・・・本当に面目次第もございません・・・」
「謝る必要なんてないよ!むしろ違法GATを持っている相手に勝っちゃうんだから逆にすごいよ!」
どうやら清志郎も違法GATの事は知っていたようで初心者なのに勝てたと賞賛していた
それほどまでに違法GATは強くて腕に自信のある実力者でも負けてしまう可能性があるのだ
「それにしても・・・月白さんもそんなにすごいGATを使う人だったんだね
三年間も同じ学校に居てしかも有名人なのに全然知らなかったな〜・・・」
「そんなに有名なのか?確かに美人って印象が強かったけど・・・」
「知らないの!?この学校の五大アイドルなんて言われてる一人なんだよ!?」
「・・・詳しいな・・・清志郎・・・」
清志郎の話ではこの学校では五人の美少女をアイドルとして崇めているそうだ
一人は生徒会長である咲梅という女子生徒で成績優秀スポーツ万能と
まさに大和撫子を絵に描いたような人だと言われている
二人目は剣也達の前にいる乙女であり女子の人気も高いのだがそれ以上に男子の人気も高い
「何それ!?私聞いてないんだけど!?勝手に崇めるのはやめて〜!!」
しかも本人が恥ずかしがって否定しているところからツンデレの異名を持っていた
(・・・別にその説明は要らないんだけどな〜・・・)
続く三人目は剣也と同じ図書委員である歌女で彼女はまさに守ってあげたい系の文学少女であり
しかもスタイルもいいので男子からの人気は高く親衛隊があるほどらしい
四人目も同じく後輩である三夏であり彼女は明るく元気な性格で誰にでもフレンドリー
だからこそ好感を持つ男子生徒が多く勘違いされてしまう系のトラブルメーカーでもあった
「そして最後が先ほどから話に挙がっている月白蜜柑さん!
見た目通りのクールビューティーでクラスメイトですらあまり話した事がないくらい無口!
だけどそれが逆にいいって言われているほど男子からの人気が高いんだよね〜・・・」
「・・・改めて聞くんだけどさ・・・ウチの学校の男子は大丈夫なのか?・・・主に頭が」
「あはは・・・流石の僕もそこは否定しきれないかな〜・・・」
昼休みになり剣也は清志郎達と一緒にご飯を食べようとしているとクラスメイトに呼ばれた
一体、何の用なのかと思ってそちらを見るとそこには蜜柑の姿がありどうやら呼んでいたのは彼女のようだ
もしかしたら昨日の件で呼び出したのかもしれないと思った剣也は清志郎達に謝り蜜柑の元に向かった
「俺に用って・・・もしかしなくても昨日の違法GATの事で間違いないよね?」
「ええ・・・それで少しだけ話したいんだけど・・・時間いい?」
剣也は人のいない教室まで連れて行かれてそこで彼女の話を聞く事になった
「それで?昨日の違法GATについての話だってのは分かったけど・・・なんでこんな場所で?」
「・・・それはあまり人に聞かれたくない事情があるから・・・
そしておそらくこれは兜君・・・貴方にも関係のある事・・・」
蜜柑は今から話す事を他人には聞かれたくないようで更に剣也に関係のある事だと話していた
一体どういう事なのだろうと思っていると蜜柑はポケットから一通の手紙を取り出した
そしてそれを無言で剣也に渡してきたのでおそらくは読んで欲しいのだろうと思いそれを開けて読んでみた
『突然で申し訳ないがこの手紙は汝に対する忠告文として受け取ってもらいたい
もしも汝が平穏な生活を望むのならば同封された写真に写っているGATを持つ者に近づいてはならない
だが・・・もしも汝が五年前の真実を知りたいと言うのならばそのGATを持つ者と共に居ると良い
そうすれば・・・いずれ真実を知る事が出来るだろう・・・』
同封されていたのは他でもないヤマトの写真であり剣也はこの手紙がどういった物なのかは理解出来なかったが
少なくとも只事ではない事だけはなんとなく分かった
「月白さん・・・不躾で悪いんだけど五年前の事件ってなんなのか・・・教えてもらって良いかな?」
「・・・私にはGATの事を研究していた祖父がいた・・・私のGATを作ってくらた人でもあるわ・・・
その人が五年前・・・研究室のとある実験に失敗して植物状態になり・・・命を落とした・・・」
「私は知りたい・・・!五年前にお爺ちゃんが一体どんな研究をしていたのか・・・その真実を・・・!」
果たして蜜柑の祖父は一体GATのどんな事を研究していたのか!?