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成長

今回は清志郎、乙女がメインの回です

いよいよ合宿最後の日を迎えて剣也達は最後の特訓として初日と同じチーム戦をする事になった

しかし初日と違う部分もあり今回、剣也は参加させて貰えず清志郎、乙女、蜜柑の三人で挑む事になった

「今回は清志郎と乙女がどれだけ初日よりも成長出来ているのかを確かめるのがメインだからな

 九重と互角以上の勝負が出来る剣也がチームに入っちまうと二人の実力を確かめられないからな」

「それは分かってるんですけど・・・最終日で何もしないのもなんというか・・・ムズムズします・・・」

剣也も白石達の言いたい事は分かるのだがそれでも何かをせずにはいられなかった

何故ならば今日で彼らとはお別れでありおそらくは県大会まで会えないと思っていたからだ

だからこそ最後くらいは目一杯戦いたいと思っていたがそれと同じくらい清志郎達の事も大切なので

ここはグッと堪えて今は彼らが合宿で成長した結果を白石達に見せられる事を祈るのだった

「さてと・・・流石に真っ向からのぶつかり合いだったら俺らが圧倒的に有利だからな

 ここは特別ルールで戦わせてもらう・・・つってもルールは公式戦も使われた事のあるもんだ」

そう言いながら白石は懐から何かを取り出して清志郎達に見せるとそれはなんの変哲もないただの旗だった

しかしこれだけで清志郎は白石が何を伝えようとしているのかを理解したようで難しい顔をしていた

「どうやら清志郎は気がついたみたいだな?その通り・・・今から戦うルールはフラッグ戦だ

 と言っても普通のフラッグ戦じゃねぇ・・・攻撃側はフラッグを奪取もしくは相手を全滅させれば勝ち

 逆に守備側はフラッグを防衛しつつ相手を全滅させれば勝ちって言う変則的なルールになっている

 清志郎・・・今のお前ならどうして俺達がこんなルールを提案しているのか・・・その理由が分かるな?」

「・・・はい・・・このルールは僕達に有利な勝利条件を与える為のルール・・・ですよね?」

そう・・・白石がこのルールを提案したのは他でもない清志郎達の勝利する道を増やす為だった

先ほど本人が話していた通り普通に戦えばいくら清志郎達が成長したとしても勝利するのはかなり厳しい

しかしフラッグ戦となれば相手と真っ向から戦わなくても作戦次第では相手を騙しフラッグを奪取する事が可能

つまりこれまで清志郎が苦手としていた臨機応変に状況対応しながら作戦通りに行動する

まさに彼らの合宿成果を調べるにはもってこいのルールとなっていたのだ

「もちろん俺達は守備側としてお前らを全滅させる事を目的に動く・・・手加減は無しだ・・・

 お前らはこれまでの合宿で身につけた全てを俺達にぶつけて来い・・・!いいな!?」

「「「はい!!」」」



「・・・珍しく気合が入ってるわね?そんなにあの子達の事が気に入ったの?」

「それはお前もだろ?それにここは先輩らしくカッコつけないとな・・・お前ら・・・準備はいいな?」

白石が二人に視線を向けると準備万端と言わんばかりの顔つきをしておりその顔を見て彼は安心していた

一方で清志郎達は作戦時間を貰いどんな風に攻めるかを話し合っていた

「フラッグの奪取・・・守る物がないから警戒しない分、私らの方が有利に感じるけど・・・実際は違うわよね?」

「うん・・・僕達に守る物がないのと同じように白石さん達も攻めるだけの理由がない・・・

 何せ標的である僕達はフラッグを狙って勝手に寄ってきてくれるんだからね・・・そこを狙えばいいだけさ

 つまりこの戦いで最も重要なのは如何にして相手にバレずフラッグに近づくかって事だね・・・」

清志郎の言う通り一見したらまるで彼らの方が有利な条件のようにも聞こえるが実際は違う

フラッグ戦と本来、三人の中で攻撃と守りに別れてフラッグを守りながら相手のフラッグを狙うルールである

しかし今回の変則的なフラッグ戦は見事にチームで攻撃と防御が完全に別れている

そして清志郎達の勝利条件がフラッグの奪取もしくは相手の全滅であるのに対して

白石達は相手を全滅させる事だけ・・・つまり自ら攻めていく理由がないのだ

これにより彼らはフラッグを防衛する事だけに専念でき更には罠をも張るだけの時間が存在する

逆に清志郎達はそんな完璧なまでの防衛を突破してフラッグを奪取しなくてはならず難易度はかなり高い

「・・・なんと言うか・・・白石さんって見かけによらず意外と策士よね・・・今更だけど・・・」

「うん・・・でもさっきも言ったようにこれは僕らにとっては勝利の可能性がかなり広いルールなんだ

 ならやる事はたった一つ・・・白石さん達を出し抜いてフラッグを奪い取る・・・!」

これだけの悪条件であるにも関わらず逆に清志郎はやる気を漲らせており他の二人もその目に闘志を燃やしていた

それを確認した清志郎は話を戻してどうやって白石達を出し抜いてフラッグを奪取するのかを話し合う

「正直、フラッグの奪取はスピードのある月白さんの月兎か僕のホークスで空から奪う方が良いと思うけど・・・

 多分それは白石さん達も予測しているはず・・・だから狙いを絞らせないようにしようと思う」

「・・・つまりそれはどちらかがフラッグを奪取するんじゃなくて二人で奪いに行くって事?」

「うん・・・それならいくら白石さん達でもどっちを優先的に倒さなくちゃいけないのか迷うからね

 具体的な作戦に関してはこれから話そうと思うけど・・・この作戦の鍵を握るのは僕達じゃない・・・

 乙女・・・君がトライハウンドのエース・・・九重さんをどれだけ抑えられるかが・・・勝敗を分ける・・・!」



「・・・ええ・・・!必ず九重さんは私が止めてみせる・・・!二人は安心して突っ込んで来なさい!」



『GATバトル・・・ファイト!』

試合が始まると清志郎達はすぐさま白石達のフラッグがある方へと突っ込んでいった

一見したら無謀な事にも見えるがこれは相手に罠を作らせない為のプレーでありこれが唯一の最善策だった

しかし問題はここからでありこの先に待ち構えている白石達を超えてフラッグを取らなくてはならない

その為の要は乙女が相手のエースである九重を抑えなくてはならないのだがそんな彼らの考えを読んでいたのか

三人の前に現れたのは九重と小寺の二人でありその姿を視界に捉えた瞬間、九重が突っ込んできた

これに対して乙女はどうにかみんなよりも早く反応して二人の前に出ると九重の突撃を受け止める

「・・・俺の一撃を受け止められるようになったか・・・合宿の中で成長はしたようだな」

合宿が始まる前の乙女ならばおそらくこの一撃を受け止める事は不可能だっただろうが

今の彼女は小寺との特訓があったので最初の一撃を防ぐだけの力は身につけておりその事に九重は感心していた

「だが・・・あくまで最初の一撃を受け止めらただけ・・・ここからが本当の勝負だと分かっているな?」

「はい・・・!ここで九重さんを食い止めるのが私の役目ですから・・・!お手合わせお願いします!!」

乙女は真正面から九重との戦闘を開始しそれを見ていた清志郎は作戦通りだと考えていたが

作戦通りに事が進んでいないものもありそれは目の前にいる小寺という存在だった

(てっきりフラッグは白石さんと小寺さんの二人で守っているんだと思っていたけど・・・

 これじゃあ二人の目を掻い潜るって言う僕らの作戦は通用しない・・・どうする・・・!?)

当初の予定では二人でフラッグを一斉に狙いどちらかに狙いを集中させると言う作戦だったのだが

ここに小寺がいるという事はその作戦が使えないだけではなく逆にこちらが人手を割かなくてはいけないという事

しかし清志郎はここで慌てるのではなく冷静に頭を回転させて必死に打開策を考える

そして思いついた作戦は一か八かというものだったがこれ以外に選択肢はないと考えていた

「・・・月白さん・・・ここは僕が残って小寺さんの相手をする・・・!真っ直ぐフラッグを目指して・・・!」

「・・・何か案があるという事なら私に反論はない・・・それじゃあ先に行かせてもらう・・・!」

「僕が援護する!月白さんはそのままフラッグまで突き進んで!!」

清志郎は突っ込んでいく蜜柑を援護する為の射撃を行い小寺を自分に釘付けにして先に向かわせた

「へぇ?意外と冷静に対処していたわね・・・でもあの子を一人だけ行かせるなんて本当に良かったの?

 悪いけど・・・ウチの待ちに徹した白石はあんたらが思っている以上に厄介な相手なのよ?」



「・・・大丈夫ですよ・・・ちゃんと作戦はありますから・・・!」



「・・・来たか・・・」

そしてフラッグの前にいよいよ蜜柑の姿が見えてきてそこで待っていた白石が狙撃銃を構える

蜜柑は減速したら逆にそこを狙われると判断し真っ直ぐにフラッグへと突っ込んでいく

それに対して白石はいい判断だと考えていたが残念ながら経験は明らかに彼の方が上であり

そう言った相手を撃ち抜いてきた経験があるのでゆっくりと狙いを定めていた

(良い線はいっていたが・・・やっぱり俺らに勝つのはまだ早かったかな?)

白石は自分達の勝利を確信してそのまま引き金を引こうとしたまさにその瞬間

「!?」

突如としてどこからか何者かの狙撃を受けて自分の持っていた狙撃銃を破壊されてしまった

しかし狙撃という時点で白石は誰が自分を攻撃したのか理解していた

「・・・まさかここでお前が出てくるとはな・・・!清志郎・・・!」

そう・・・白石を狙撃したのは他でもない清志郎であり彼は自分のGATの特性を理解していた

ホークスは他のGATよりも高く飛翔する事ができ上空からの狙撃を得意としている

つまり一瞬だけならば小寺と戦いながらでも上空へと飛んで援護射撃を行う事が出来るのだ

そしてその援護射撃は見事に成功し武器を持っていない白石に突撃する月兎を抑える術はなく

そのまま彼女を見逃す形で自分達のフラッグが取られるのを見つめるのだった



「・・・まさかこんな一か八かの作戦を思いつくなんて・・・本当に成長ってのは怖いもんだね〜・・・」

合宿の最終試験を見事に突破した清志郎達

そして楽しかった合宿もいよいよ終わりを迎える

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