課題
今回はそれぞれの修行が描かれています
剣也自身から頼み込んで始まった九重とのバトルはお互いに激しいぶつかり合いで幕を上げた
最初に戦った時のようにお互いに剣と剣のぶつかる金属音を響かせながら二体のGATはフィールドを駆けていく
「やっぱり強いな・・・本当に君だけはもう実力だけならもう全国クラスで問題ないだろう・・・」
「それは俺も同じですよ・・・!でも全国は実力だけで勝ち上がれるわけじゃない・・・そうでしょ?」
「ああ・・・特に全国チャンピオンは一人で一騎当千の強さを持っているからな・・・
あの人は今の所、二年連続でチャンピオンに君臨し続けている猛者・・・いやアレはもう鬼だ」
九重が鬼と称するほどの強さを日本チャンピオンは持っているようで剣也はそれを聞いて驚いていたが
それ以上に考えていたのがそれほどまでに強い日本チャンピオンなら世界だとどれだけ通用するのかだった
するとそんな剣也の考えを見抜いたのか九重はだがと付け加えてその続きを話し始める
「そんな鬼ですら勝てなかった男が一人だけ存在した・・・日本で初めてチャンピオンに君臨した男だな
もっともその人はその時に企業に属する事になったから公式戦にはもう参加出来ないんだけどな・・・
因みにその人でも世界では五本の指に入る実力者ではあったが世界チャンピオンには挑めなかった」
「そんなに強い人でもですか・・・なんか目指す道ってかなり高いんですね・・・」
まさか鬼と称されるほど強い人ですら世界ではあまり通用せずそれよりも強い人物がいたらしいのだが
それでも世界で五本の指に入るだけで世界チャンピオンに挑む事は出来なかったとの事だった
それを聞いて剣也は自分達の目指す道にはまだまだ先があるのだと改めて思い知らされていた
だが・・・だからこそ戦ってみたいとその顔には笑みが溢れておりとても無邪気な顔をしていた
九重は目の前にいる少年がこんな顔をするのかを少しだけ驚きながらも
そういえば自分にもあんな時があったと思い出しながら剣也とのバトルを続ける
「剣也・・・お前のライバルと思っている人物がどれほどの実力なのかは分からないが
おそらく俺を凌駕するだけの実力を持っているんだろう・・・だからこそ俺もこの合宿中は全力を尽くす!」
「はい・・・!俺もあいつには負けていられませんから・・・!今日一日は付き合ってもらいます!」
二人は再び激しい剣戟を繰り広げる。目標としている人物と戦う為に・・・夢のステージに辿り着く為に・・・
明確な目標のある二人はただひたすらにそこに向かって走り続けるのだった
その様子を見ていた伊部牧はとても嬉しそうな顔をしながら二人の事を見ていた
(やはりこの合宿は正解だったようじゃな・・・剣也君は新しい目標を見つけたし・・・後は彼らじゃな・・・)
一方その頃、清志郎と乙女はそれぞれ白石達との模擬戦をしながら自分達の弱点を克服しようとしていた
「どうしたどうした?これくらいで動転しているようじゃ冷静な判断なんて夢のまた夢だぜ?」
(ぐっ!?やっぱり白石さんは単体でもかなりの戦闘力を持ってる・・・!
僕の想像を簡単に超えてくるくらいの頭脳も持ってるし・・・でも・・・!強くなるにはもってこいだ!)
白石は清志郎を上回るほどの計算能力と状況把握する能力に長けており一人でも普通に圧倒していた
もちろん現時点での清志郎はこの状況を打破するだけの力はないが逆に修行としてはこれが丁度良かった
自分の弱点を明らかにしてそれを克服出来なければ強くなる事なんて出来ないのだから
(さて・・・一応は手加減をしているがどれくらいで攻略する事が出来るか・・・
難易度を上げるタイミングも難しいよな〜・・・後輩を育てるのも難しいもんだ)
一方で白石は白石でどうすれば清志郎を強く出来るかと必死に考えながら戦っていた
もちろん自分が強くすると話したのでそれだけの責任は取るつもりなのだが誰かに教えた経験はなく
どれくらいの塩梅で特訓してあげればいいのだろうと白石自身も学びながら清志郎との特訓に付き合っていた
(そういえば向こうの方は上手くやってるのか?ああ見えて小寺も教えるのは下手だからな〜・・・)
そしてもう一つのバトルスタジアムでは乙女が小寺を相手に戦っているが明らかに押されていた
小寺は前に戦った時のような拳銃で戦っているわけではなく乙女に合わせて近接武器を使っている
しかし基礎的な能力が乙女よりも高いので普通に操作技術の差で戦いを有利に進めていた
(やっぱり強い・・・!基礎的な能力が圧倒的に私よりも上でしかも慣れない武器だから戦い方が・・・
でも・・・!だからこそこれを超えられた時に私は必ず強くなる事が出来る・・・!)
(う〜ん・・・実際に戦ってみて分かったけどこの子は小手先の技が苦手って感じみたいね・・・
これは思った以上に時間が掛かるかも・・・でも・・・この子が小手先の技を覚えた時・・・
もしかしたら九重といい勝負が出来るほどに化けるかもしれないわね・・・)
自分のチームメイトに近接のスペシャリストである九重という人物がいたからこそ理解出来た
乙女がもしも現時点で足りない技を身につけたらおそらく彼にも劣らない実力を得る事になるだろうと考えていた
しかしその為にはやはり彼女には体で色々とな技を覚えてもらう必要があるので小寺はスパルタで指導する
「ほらほら!そんなんじゃいつまで経っても得意の武器に戻るなんて出来ないわよ!?」
「ぐっ・・・!まだまだ!もっと私は強くならないといけないんだ・・・!はぁぁぁああ!!」
「・・・んで?バトルが終わって帰ってきたらなんでみんなで勉強会してるんだ?」
長い長いバトルを終えた剣也達を待っていたのは何故か必死に勉強をしている清志郎達の姿だった
なんでこんな事になっているのだろうと思っていると黙々と勉強をしている彼らの代わりに
おそらくは勉強を教えているのでありお目付役である咲良が状況を教えてくれた
「なんでもこの二人はこの合宿が始まる前に宿題をしてなかったみたいでね・・・
それをさっき知ったからわざわざ練習を切り上げてもらって少しでも宿題を終わらせてもらおうと思ったの」
「やってないって・・・この夏休みが始まってもう二週間は経ってると思うんだけど・・・嘘だろ?」
まさかの発言に流石の剣也も驚きを隠せないようで勉強が苦手な乙女はまだしも
学校では真面目に勉強をしている清志郎も宿題をしていなかった事に関しては信じられなかった
「うぅ・・・夏休みに入ってから色々と試行錯誤してて宿題の事を忘れてたんだよ・・・」
「それは言い訳になりません。そういえば兜君の方はどうなんですか?宿題はもう終わっているのですか?」
「まぁ弟達がいるから流石にサボるわけにはねぇ・・・普通に一週間で終わらせたよ」
一方で剣也は家に次郎達が居るという事もあってちゃんと宿題は終わらせてから合宿に来ていた
なので咲梅に怒られる事はないのだが逆にそれは今まさに勉強をしている二人にとっては裏切りに聞こえていた
「そういえば他のみんなはどうしたんだ?月白さんは俺と同じで宿題とか終わらせてそうだけど
三夏と優に関しては同じくやってる部類だとは思えないんだけど・・・」
「二人は午前の間に勉強を見てあげたので問題はないです・・・それに二人もそれなりには終わらせてましたよ?」
どうやら二人に関してはこの合宿が始まる前に宿題はやっていたようで既に半分ほどは終わらせているらしい
そして午前にも勉強はしていたらしいので殆ど終わりに近く夏休みが終わるまでには終わる可能性が高いようだ
「・・・って事は残りの不安要素はこの二人だけって事なのか・・・ってあれ?九重さん?」
「・・・そういえば・・・うちのリーダーも宿題が残ってた気がしてきた・・・ちょっと確認してくる」
(ああ・・・そういえば白石さん達も学生だった・・・てか白石さんって三年生だよな?大丈夫なのか?)
九重の発言を聞いて白石は大丈夫なのかと思いながら去り行く寂しそうな背中を見てダメかもしれない感じていた
「・・・頼むからお前らは俺にあんな感じの背中はさせないでくれよ?・・・割とマジで」
「私も流石にあんな風にはしたくないと思っていますので・・・まぁこの合宿中は全力を尽くします」
もはや二人は呆れるを通り越して何か現実から目を逸らしたような顔をしながらそう呟いていた
「「・・・なんか・・・すいません・・・」」
こうして彼らの宿題は夜まで続きこの日の修行はこれで終わりを迎えたのだった
「・・・なぁ・・・なんで急に俺までこんな勉強させられてるんだ?いや勉強してなかった俺が悪いんだけどさ」
「後輩に悪い影響を与えない為です・・・てか本当にそんなんで卒業したらどうするんですか?」
「大丈夫!俺は実家を継ぐつもりだからな!」
「・・・別にだから大丈夫ってわけじゃないと思うんですけど・・・」
合宿で自分達の課題に必死に取り組む剣也達
果たしてこの合宿で彼らは成長する事が出来るのか!?




