隠された機能
今回はタイトルに内容との関連はないです
全ての事件が終わった翌日、剣也は忘れていたヤマトの武器をグレードダウンしてもらうと伊部牧の元へと向かった
「伊部牧さん!少しだけ時間良いですか!?実はヤマトの武器で相談した事があるんです!」
「構わんが・・・そういえばヤマトの武器を使っておったのう・・・どれどれ見るとするかのう」
伊部牧は情報を精査する作業を終えてヤマトの武器である『ムサシ』と『シナノ』を確認する
そして詳しく調べた伊部牧はその設計と実際に発揮されるパワーを確認して驚いていた
「これは・・・確かにグレードダウンをさせないと大会では使えんのう・・・それにこの機能・・・
ワシらがデザインした設計にはなかったものじゃ・・・これほどのオリジナルを一体誰が・・・」
「さぁ・・・実はヤマトと同じでこの武器も俺の机にいつの間にか置かれていたんです・・・」
剣也の言葉を聞いて伊部牧はまさかと思ったが嘘を言うとは思えずそれを納得した上で
一体誰がこんな武器を作ったのかを考え一つだけ浮かんだのが例の剣也達を助けた謎のGATだった
(もしや・・・その謎のGATを操る人物が剣也君に協力しておるのか?じゃが・・・
だとしてもどうして剣也君に協力するんじゃ?ワシから見ても彼が特別な人間だとは思えん
いや・・・確かにファイターとしての成長速度は素晴らしいものはあるが・・・それだけでは・・・)
確かに剣也の実力は目を見張るものがあるが
それだけであんな世界の運命を変えてしまうようなGATを渡すほどの器だとは到底、思えなかった
となると伊部牧は自分ですら知らない何かが剣也にはあるのだと信じるしかなかった
(何にしてもここから先はまだ仮説の段階・・・とてもではないが本人にも話す事は出来んな)
「とりあえず武器の方はワシの方で大会でも支障が出ないようにグレードダウンしておくわい
しかし・・・この新しい機能に関しては前の戦いでは使わんかったのか?」
「それが・・・手にしてすぐにあの事件が起こったから試してる暇とかなくて・・・」
残念ながらゆっくりと武器の性能を試している時間はなく事件が終わった後もその威力のせいで試すに試せなかった
だからこそ伊部牧がグレードダウンさせた時にその武器に隠された機能を使ってみようと考えていたのだ
「なるほどのう・・・それなら威力を下げるだけに留めておくとしようかのう
それならば別にそこまでの時間は必要ないじゃろうし・・・一時間ほどあれば十分かのう」
そう言って伊部牧は早速、機械を取り出して『ムサシ』と『シナノ』のグレードダウンを行なっていく
(・・・一応はこれからの戦いの事も考えて威力の切り替えを出来るようにしておくかのう・・・)
「ほれ、出来上がったぞ。これで普通のGATとの戦いでも問題なく使えるはずじゃ」
こうして剣也はヤマトの武器をグレードダウンしてもらいバトルスタジアムへと練習しに向かう
今日は清志郎達も予定があったので一人でやって来たのだがそこで珍しい二人に出会った
「あれ?歌女ちゃんに三夏ちゃん?二人が一緒にバトルスタジアムにいるなんて珍しいね?」
「剣也先輩!実はもうすぐ地区大会があるのでそれに参加する為に練習しようかと思いまして!」
「私はそれを見に来た付き添いみたいな感じです。先輩も特訓しに来たんですか?」
「まぁね?ヤマトに新しい武器を持たせたんだけど今のうちに慣れておかないといけないからさ」
そう言って剣也は持っていたヤマトと持っていた武器を見せると二人は興味津々とばかりに見ていた
「へぇ〜・・・これがヤマトの新しい武器なんですね!すごいかっこいいです!」
「確かに・・・でもこんなに重さが違う武器を使っても普通に戦えたりするんですか?」
二人はヤマトの武器を見てとてもかっこいいと思っていたが
同時にヤマトの戦い方がどれくらい変わるのか興味があったようだった
「なら二人も俺の特訓を見てみる?しばらくはこの装備を使って戦う事になるだろうしさ」
「いいんですか!?それなら私も後で相手をしてもらってもいいですかね!?」
「もちろんいいよ。それじゃあ俺は受付を済ませてくるからまた後でね」
二人と別れた剣也は受付を済ませて武器を持ったヤマトでの戦い方に慣れようとバトルを申し込む
もちろん最初は動きを見るのと同時にグレードダウンした武器の威力を確かめる事を優先しようと考えていた
するとそこへバトルの成立したアラームが鳴り表示されたフィールドへと向かうと
そこには何ともガラの悪そうな男が待ち構えており剣也を見てまるで獲物を見つけたというような顔をしていた
「お前が俺の相手をしてくれるってわけか・・・!この前は生意気なガキにやられたが今日は違うぜ!
何せ今回のGATは大幅なカスタマイズによって強化されているからな!お前にはその試しになってもらうぜ!」
そう・・・その男とは他でもないこの前、鮫牙に勝負を挑んでコテンパンにやられたあの不良だった
どうやら今度こそは鮫牙を倒そうと思ってGATをカスタマイズしたようでその試しとしてこの勝負をしにきたようだ
それを聞いて剣也は少しだけ呆れたような顔をしていたがそれでも勝負をするには申し分はないと考えていた
(むしろこう言った相手の方が後腐れなく勝負する事が出来るからな・・・悪いがこっちも試させてもらうぜ)
相手はまだ気づいていないだろう・・・自分は試す人間ではなく試される人間なのだと言う事を・・・
『GATバトル・・・ファイト!』
戦闘が始まるとフィールドはジャングルステージでお互いに相手の姿を捉える事は出来なかった
「・・・ちょうどいいしここのオブジェクトで威力の試しをしてみるか」
相手のGATに攻撃する前に剣也は武器の性能を試してみようと考えて一番太い木に向かって斧を振り下ろす
すると木は何の抵抗もなく簡単に切れてしまいそのまま綺麗に真横に倒れた
「・・・えっと・・・本当にグレードダウンしてこの威力なんだよね?」
そのあまりに高過ぎる威力を見て剣也は何故かこれを始めて使った時の感覚が戻って来ていた
しかしオブジェクトは基本的に破壊がしやすいようにそこまで強い素材は使われてはいない
その事実を清志郎に教えてもらっていた剣也はやはりGATに試すべきかと考えを改める
するとそこへ凄まじい勢いでこちらに向かってくる影を確認し即座にその場を離れて回避する
「ほう?よくぞ俺の一撃を躱したな!だが果たしてこの俺のGATに勝てると考えない事だな!」
男はまるで自分が必ず勝てると言わんばかりの自信を持っているようでその言葉と同じくらい
その彼が使っているGATは派手なカスタマイズが施されていたのだが剣也はすぐに気がついた
(・・・もしかしてこのGAT・・・サブパーツを付けすぎてるんじゃ・・・)
これは最初の頃に伊部牧に教えられた事でありサブパーツと呼ばれるGATの性能を上げるパーツ
それは確かに多く装備すればするほどに色んな武装などを取り付ける事は出来るが
同時にサブパーツは武器と同等かそれ以上の重さを持っているでつければつけるほどに動きが遅くなっていく
しかも耐久力に関しては普通のGATよりも弱くなっているので一撃で破壊されてもおかしくはない
そんなサブパーツで全身を覆っている相手のGATは剣也にとってまさしく単調な動きしか出来ない的だった
(・・・これ・・・もしかしなくても俺は戦う相手を間違えたのではないだろうか・・・まぁいいけど)
正直な話をするのならば剣也の目的は武器の威力を試す事だったので今回の相手はちょうど良かった
しかし本人としてはやはりそれは全力の戦いの中で感じたかった事なので少しだけ残念に思いながら
とにかくまずは攻撃を当ててみようと相手のGATに突っ込んでいくと男は大盾を展開して防御の構えを取る
「ははははは!悪いが貴様の攻撃はこの盾に阻まれるのだ!そしてその隙に一撃で沈めてやる!」
「おもしれぇ・・・!やれるもんならやってみるといいさ・・・!このヤマトの攻撃に耐えられるならな!」
そう言ってヤマトが剣を振り下ろした瞬間、相手の盾は簡単に切り裂かれてしまい全体が露わになる
もちろんこんな大きな隙を逃すような剣也ではなくガラ空きになった胴に向かって斧を振り抜いた
「そんな・・・!?この俺が・・・二度もガキに負けるだと・・・!?」
「ふぅ〜・・・確かに威力は落ちてるみたいだな・・・これなら大会にも参加出来そうだ」
先ほどの戦いで相手のGAT本体に攻撃を当てても前のように真っ二つにはなっておらず
それを確認する事が出来て剣也もこれならば問題ないと本来の目的を達成出来て安心していた
しかしそれよりも危険視していたのは相手の男でありもしもこのまま因縁をつけられたらどうしようと考えていた
そして恐る恐る男の姿を確認すると剣也すらも予想していなかった光景がそこにはあった
「・・・あれ・・・もしかして・・・気を失ってる?」
どうやら自分が負けたというショックのせいで男は気を失ってしまったようで店員を呼び
そのまま男は救急車で病院に搬送される事になったのだった
「う〜ん・・・なんか悪い事したかな?・・・いや・・・別に俺は悪くないよな」
剣也は先ほどの出来事は自分の所為ではないと必死に言い聞かせてその場を去る事にした
その後も色んな人とのバトルを繰り広げて剣也はようやく武器の扱いに慣れていった
「ふぅ〜・・・これくらいで練習は終わりにするか・・・後は三夏ちゃんと対戦するだけかな?」
もう武器に十分慣れたと感じた剣也はここに来た時に三夏と約束した対戦をしに彼女の元へと向かった
するとそこでは三夏も丁度、対戦していたようで華麗な技を決めて勝利を収めていた
(・・・なんか・・・三夏の姿を見ていると強くなっているのは自分だけじゃないんだって感じるな)
三夏の勝利した時の笑顔とその努力している姿を見て剣也は負けていられないと思いながら
彼女の元へと向かい約束の対戦を始めるのだった
地区大会に向けて動き出した剣也達
そこで清志郎は新しくとある提案をみんなに持ちかけるのだった




