彼らの目的
剣也と鮫牙は本隊の居場所に気が付く
どうにかある程度の数を倒し終えた剣也達だったがやはり問題は彼らの行動目的だった
「う〜ん・・・時間稼ぎって言うのは分かるんだけど・・・一体何の為に・・・」
剣也もある程度の数を倒して彼らの狙いは時間稼ぎだという事は理解出来たのだが
一体何の時間を稼ごうとしているのかを疑問に思っており少しだけ状況を整理する事にした
(まず彼らは何かしらの目的を果たす為に人手を割いて時間を稼ごうとしている
そのついでに色んな場所で騒ぎを起こして事件が起こっている場所を特定させないようにもしてるんだろうけど
問題はその場所がどこかって事だよな・・・多分だけど伊部牧さんはもう相手の狙いに気づいて探してるか・・・
でも・・・気になるのはそれだけの時間を稼がなくちゃいけないほどの大仕事って何なんだ?)
確かにこれほどの騒ぎを起こして尚且つ時間を稼がなくてはいけないという事は
その場所は普段からも警戒が厳重であり事件が起こったらすぐに警察が来てもおかしくはない場所
しかしそんな場所はこの世界中のどこにでもあるので残るはそれがどんな場所なのかと言う事だ
(彼らの事だから資源とか?いやでも警察がいつも巡回するような採掘場所なんてないよな?
となると・・・何かの研究施設?いやアイツらならそんなのいくらでも持ってるよな・・・)
「残るは・・・電力施設か!アイツらの施設を動かすには莫大な電力が必要だからな
問題は・・・どこの電力施設って事か・・・この近くだと風力発電に太陽光発電・・・
後は他にもいっぱいあったよな・・・まだまだ数を絞り込むには難しいか・・・!」
電力施設と言われても基本的には人の目に触れない山奥などにあるので見つけるのは難しいし数も多い
そんな中から特定の電力施設を探せなど時間の掛かる作業なのは間違いないし
何よりも問題なのは現時点でその捜索作業に回すだけの人手など存在しないという事だった
「何か他にヒントはないのか!?出来れば何かめちゃくちゃ分かりやすいヒントとか・・・!」
剣也はこれまで倒した人の中で何かしらのヒントになりそうな物を持っていないかと考えていた
しかしこれまでの人達はGATとそれを操るCRバンドを持っているだけでそれ以外は何も身につけてはいなかった
つまり剣也が予想していたような手掛かりを彼らは持っていないという事だった
そんな中で剣也は倒れている彼らにたった一つだけ・・・疑問に思う事があった
「そういえばコイツら・・・何でか戦っている最中にGATのレーダーに引っ掛かってたな・・・
何でだ?生身の人間には反応しない金属レーダーなはずなのに・・・!もしかして!」
一方その頃、鮫牙も時を同じくしてあらかたの敵を片付けて彼らの居場所を察知し
急いで電力施設のある場所へと向かおうと考えるのだが行く為の手段を持っていなかった
「ちっ・・・!とにかく今は街にあぶれた奴らを探し出して倒す事を最優先にするしかないか・・・!
居場所も目的も分かっているのに手を出せないのは・・・辛いな・・・」
本来ならばこれ以上、彼らの好きなようにさせてはいけないが人手が足りない以上は後手に回るしかない
しかしこのまま無闇に時間だけが過ぎていけば間違いなく彼らの思い通りになってしまうだろう
それだけはなんとしても避けなければならないと考えていると鮫牙に連絡が入る
『鮫牙君か?たった今、協力者のおかげでほとんどのGATが制圧されつつある・・・!』
「協力者・・・俺と同じような民間人ですか・・・まぁ人手が足りない現状では仕方ないですが・・・
それよりも署長・・・もしかしたら彼らの本隊がいる場所を突き止めたかもしれません」
『本当か!?しかし・・・生憎、今の我々にはその人手を割くだけの余裕がない・・・』
「はい・・・なのでここは俺が行こうと思います・・・!文句はないですよね?」
『なっ!?そんなのダメに決まっているだろ!!相手はテロリストだぞ!?武器を持っていたらどうするんだ!!』
確かに大樹署長の言う通り彼らは犯罪者でありその中で最も危険だと言われているテロリストと呼ばれる人種
この前のビルの立て籠りでも武装している人間も居たので普通の人間が行けば間違いなく命の危険がある
そんな場所に民間の協力者である鮫牙を行かせる事など断じて出来ないと考えるのが普通だろう
しかし鮫牙としては一刻も早く彼らの野望を食い止めたいと言う思いもありその言葉を否定する
「お言葉ですが署長・・・こちらが後手に回っていては彼らに好き放題、やられて逃げられてしまうだけです
むしろ攻めに回れるのならばたとえ誰が相手であろうとも・・・俺は行きます・・・!」
『それで自分の命を捨てる事になったとしてもか!?それでは彼らのやっている事と何も変わらないぞ!!』
大樹署長は必死に鮫牙を止めようとするが彼の気持ちは変わらず電話を切ってしまう
「あっおい!!・・・切られたか・・・!これは剣也君達も早く合流させた方がいいな・・・!」
電話を切られた事で大樹署長は彼が先ほど話していた敵の本隊がいる場所に向かったのだと推測
もちろんそんな場所に彼一人で行ってしまえばどうなるかなど目に見えているので
大樹署長は出来るだけ早めに剣也達を向かわせる必要があると急いで伊部牧に連絡する
「伊部牧さん!そっちの状況はどうなっている・・・そうか・・・なら頼みがある!」
「はぁ・・・はぁ・・・とりあえずこの周辺の敵は倒したな・・・!少し休憩するか・・・」
既に倒した敵の数ならば二桁は越えたであろう剣也は少しだけ休憩しようかと思った時だった
「うぉ!?びっくりした〜・・・伊部牧さんから連絡か・・・何だろう?」
『剣也君!君の近くにはもう敵はいないようじゃし急いでとある場所に向かって欲しいのじゃ!!』
「・・・それってもしかして彼らの本隊がいる場所ですか?だとしたら俺も心当たりがあります」
その言葉を聞いて伊部牧はまさか彼までもが本隊の居場所に気がついていたのだと驚きを隠せなかった
『・・・まさかお主までもが気づいておったとはな・・・そうじゃ・・・
彼らの本隊がいるであろう場所は・・・太陽光発電所・・・!』
「・・・やっぱりですか・・・実はさっきから戦った人達がGATのレーダーにどうしても反応していたんで
もしかしてと思ってレーダーの出力を最大にしたら彼らの体に付着してたんです・・・鉛とかの反応が」
太陽光発電は基本的にソーラーパネルなどを使って発電するのが主でありもしもそれが破損すると
それに使われている鉛などが出てくる場合がある・・・普段ならば排出事業者が処理を行うのだが
おそらく今回の破損理由が彼らの襲撃だった事を考えると間違いなく処理はされていない
つまり彼らの体に付着した鉛などは彼らが暴れた結果でありそれが居場所を知らせる事になってしまったのだ
『うむ・・・実は剣也君と同じくその事実に気がついた民間協力者がいたらしいのじゃが・・・
その事実を知った瞬間に大樹署長の静止を振り切ってその太陽光発電所に向かってしまったのじゃ
おそらくは相手にも武装している者達がおるじゃろう・・・剣也君にも危険を伴ってもらう事にはなるが・・・』
「分かってます・・・!今は最優先でその人を助けるのが先って事ですよね?なら俺も行きます!」
『すまん・・・!清志郎君達も残党を片付けさせたらすぐに向かわせる!もちろんワシらもな!』
最後にそれだけを聞いて伊部牧からの通信は切れてしまい剣也は急いで指定された場所へと向かおうと思ったのだが
「・・・あっ・・・そういえばどうやって行けばいいのか聞いてなかった・・・」
その太陽光発電所は山の中にありとてもではないが人の足でたどり着けるような距離ではない
しかし乗り物を使うにしても剣也に運転など出来るわけがないので誰かを頼るしかないのだが
こんな状況で一体、誰を頼ればいいのだろうと慌てて考えているとそこへ一台のバイクがやってきた
そしてその人物がヘルメットを外すとその顔は剣也がとても見知っていた顔だった
「氷塔!」
「話は律矢から聞いてる!早く乗れ!!」
「ふぅ・・・一応は剣也君を向かわせたが・・・果たして本当に大丈夫じゃろうか・・・」
伊部牧は大樹署長に頼まれた通り剣也を向かわせるようにはしたがそれでも不安は拭えなかった
それは彼らがいざとなればどんな事でもするというとんでもない集団だという事を理解していたからだ
それこそ先ほど話していた最悪の事態の通り武器でGATではなく本人を攻撃する可能性もある
そうなってしまえば確実に剣也達の命はないだろう・・・その不安がずっと消えないのだ
(うむ・・・出来る事ならば他にも警官に向かって欲しいところではあるが・・・
実際にそんな人手は残されておらん・・・!せめて武器を持った人間に対処できる者がいれば・・・)
おそらく最も安全なのは武器に対しても普通に対処する事が可能な人間を護衛として
剣也達のところに向かわせる事なのだろうが生憎とそんな知り合いは伊部牧の知人にはいない
そんな風に考えているとそこへ律矢からメッセージが届きどうやら氷塔が剣也の護衛につく事を知った
「氷塔君か・・・確かに彼ならば武器を持った人間にも対処する事は出来るじゃろうが・・・
それでもやはり・・・手札が少ないのが鬼門じゃな・・・?また律矢君からか?」
伊部牧は先ほどのメッセージを見て氷塔ならば十分に戦力として問題はないと考えていたが
それでも戦力としてはあまりにも心許無くもう一人でいいから戦力が欲しいと考えていた時だった
再びメッセージが届いて先ほどと同じく律矢からかと思ったが差出人不明で届いており同時にその内容を見て驚いた
『小僧達の事は俺がどうにかしよう・・・それと彼らについての情報も後で渡す』
「一体何者が・・・!?いや今はそんな事を考えていても仕方がない・・・藁にでも縋る思いじゃからな
どこの誰かは分からんが・・・信用させてもらうぞ・・・!」
急いで本隊のいる発電所へと向かう剣也と鮫牙
果たしてそこで待ち受けるのは一体何なのか!?
そして伊部牧に送られたメッセージの主とは!?




