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陽動

今回は敵側の視点もあります

「はぁ・・・はぁ・・・なんとか・・・勝った・・・!」

あれだけカッコをつけていた剣也だったが普通に体力も限界だったようで膝をついてしまう

それを確認した蜜柑は急いで部屋の温度を元に戻して伊部牧は彼らの介抱をし

二人の警察官には宴会場に集められている人質の避難誘導を任せる事にした

「はぁ・・・はぁ・・・マジで・・・しんど・・・!やば・・・かった・・・!」

「うむ・・・!むしろよくぞここまで持ち堪えたというものじゃ・・・!よくやった!

 しかし・・・これ以上はお前さん達に無理をさせるわけにはいかんからのう・・・」

正直な話、これ以上は彼らに無理をさせてしまうわけにはいかないと考えた伊部牧だったが

「いっいや・・・!まっまだ俺も一緒に行きます・・・!せめて親玉の顔だけは見ないと・・・!」

「・・・分かった・・・!清志郎君と乙女君の二人は人質と一緒にあの二人に任せて

 ワシらは最上階にいる会議室に向かい優君のお父さんを助けに向かうとしよう・・・!」

最上階へと向かおうとする伊部牧達に蜜柑が合流して三人はエレベーターで最上階に向かう

ゆっくりと周りを確認しながら最上階にある会議室へと向かうとそこには優の父親が倒れていた

伊部牧は急いで倒れている優の父親の元に向かい生きているかどうかを確認するとどうやら心配はなかったようだ

「別に殺してないよ〜?まぁ本当は殺す予定だったんだけどなんか色々と予定外な事態が起きちゃったからさ〜」

そしてそんな三人に対して話しかける声が聞こえてきて振り返るとそこには例の蜜柑が撮影した小烏丸がいた

それを見て剣也達は急いで警戒体勢に入るがどうやら向こうに戦闘の意志はないみたいだった

「そんなに怖い顔しないでよ。オイラは今回、戦うつもりなんて無いんだからさ

 というかオイラが命令されているのはあの新型の性能を見る事だけだったんだよ」

「・・・その割にはそこにいる人の殺害を予定だったって言ってたと思うんだけど・・・」

「それはあくまでもさっきの新型の性能を試す為のついでってやつだよ

 まぁその二体もお兄さん達に破壊されちゃったから予定が狂ちゃったけどね?」

どうやら今回の事態は彼らにとっても予想外の出来事だったようで優の父親が生きているのもそれが原因らしい

しかし剣也達が唯一、彼の説明の中で理解出来なかったのはそんな予定外の事態が起きている中で

どうして彼がここに居てしかもこうして懇切丁寧に自分達の状況を説明しているのか理解出来なかった

「あれ?どうしてオイラがまだここにいるんだって顔をしてるね?まぁ説明してあげてもいいけど・・・」



「・・・どうせこの後で色々と分かるんだから別に問題なんてないよね?」



「なっ!?」

小烏丸はまるで待っていたと言わんばかりに窓ガラスが壊れるとそこから飛び降りてしまう

剣也達が急いで後を追いかけると彼が飛び降りた窓の下からヘリが飛んできた

「それじゃあお兄さん達?縁があったらまた会おうね〜!その時は戦ってあげるからさ〜!」

そしてそのまま小烏丸を乗せたヘリはどこかへと飛んでいってしまい姿を消してしまう

「逃げられてしまったようじゃのう・・・まぁここから先は警察に任せるしかないようじゃが・・・」

「うん・・・多分だけど逃げられるのは目に見えているだろうね・・・残念だけど・・・」

彼らが乗っていたヘリはおそらく普通の仕様ではないので警察の追跡も振り切ってしまうだろう

しかしそれ以上に彼らが気にしていたのは小烏丸が言い残したあの言葉だった

(どうせこの後で色々と分かる?もしかして俺達が調べている中でもう何か動いてるって事か?)

色々と不安になる事は多かったがとにかく今は人質を無事に助けられた事を喜ぶ事にした

剣也達も先ほどまでの戦いの疲れがあった所為なのか眠るように倒れてしまい伊部牧に送られていった



剣也達を無事に家へと送った後で伊部牧は大樹署長と先ほどの小烏丸が言っていた事を話し合っていた

「色々と分かるか・・・まるで今回の事件そのものが陽動だったように聞こえるな」

「うむ・・・もしかしたら何しらの事件が起こるかもしれん・・・気をつけた方がいいじゃろうな・・・」

二人は小烏丸の例の発言から必ず何かしらの行動をしてくるはずだと考えており

おそらくはこれから何かしらの報告があるだろうと思っていた時、大きな爆発音がそこら中から聞こえてきた

「なっ!?一体、何が起こったのじゃ!?」

「ほっ報告します!たった今、工場地帯にある複数の建物が一斉に爆発しました!」

「なるほど・・・これがあの少年が話していた色々と分かると言っていた答えの一つと言うわけか・・・!」

伊部牧が完全にしてやられたと思っているとそこへ携帯に連絡が入り誰なのか見ると律矢からだった

『してやられました・・・!俺達が調べていた工場が全て爆破されてしまいました・・・!』

「なんじゃと!?そうか・・・!あやつらが破壊したのはただの工場ではなかったのか・・・!」

「つまり自らの隠蔽工作をする為にあの事件を引き越して工場から警察の目を離したと・・・

 しかしなんと大胆不敵な事を・・・!それにあそこにはまだ人がたくさんいるんだぞ・・・!!」

先ほどのビル立て籠りに関しては人死は出ていなかったが今回に関しては避難などもさせていないので

下手をすれば何人もの人が重軽傷・・・いや死者が出ていてもおかしくはないと大樹署長達は怒りを露わにする

そんな中で伊部牧はその工場を調べ回っていた律矢達は大丈夫なのか急いで確認を取る

『こちらは問題ありません。流石に無傷とまでは行きませんでしたが軽傷で済みました

 ただ目ぼしい工場は全て潰されてしまい違法GATの生産工場を見つける事は・・・』

「いや君達が無事だっただけでもワシらにとっては十分に安心出来る報告じゃよ

 それにおそらく生産工場はまだ残っておる・・・

 でなければあんな事件を起こしてまで証拠隠滅などせんじゃろうからな・・・」

確かに工場に爆弾を仕掛けて爆発させるのならばあんな大袈裟な誘導は必要などない

つまりあの事件は他の工場から一つの工場などに荷物を移す為の時間稼ぎであり

おそらくはまだ一切、手をつけられていない生産工場が残されているはず

(じゃがそれもいつまで残されているからは分からない・・・急いだ方が良さそうじゃが・・・

 律矢君達まで動けなくなった今・・・明らかに人手が足りなくなってしまったな・・・)



伊部牧達は他に何か得られるだけの情報はないかと優の父親が入院している病院で面会していた

「・・・と言う訳でして・・・私を暗殺するという事以外は何も話していませんでした・・・」

「そうですか・・・改めてご気分もまだ治っていないのにお時間をとってしまい申し訳ありません」

「私の方こそお役に立てず申し訳ありません・・・もっと情報を教えられたら良かったんですが・・・」

優の父親があまり情報提供出来なかった事を申し訳ないと思っていたが

彼は人質だったので情報を得られなくても別に悪くはないし謝る必要など微塵もなかった

二人はあまり長居をしても優の父親に迷惑なのですぐに退散し状況をまとめる事にした

「ふむ・・・やはり優くんの父親の話では彼らを殺しあの会社を潰すつもりだったようですね・・・」

「じゃな・・・だがそれもあくまで表向きにビルを襲撃する理由だっただけで本来の目的ではなかった・・・

 そして本来の目的が果たされた今、彼らがここにいる目的もないじゃろうな・・・」

「そうですね・・・やはり時間が経ってしまうと彼らが居なくなるのは目に見えていますね・・・」

その前になんとしても本命の工場を見つけたいところなのだが問題はその人手である

先ほどの事件で警官のほとんどが駆り出されてしまい今は捜索に回せるだけの人手はない

民間に頼むわけにはいかないしそもそもその民間で頼っていた彼らが怪我をして動けなくなったからこそ

こうやって人手が足りないと言って悩んでいるのだった

「ふむ・・・あまり使いたくはなかったが・・・どうやらアレを使わなくてはいけないようじゃな・・・!」



一方その頃、某所の工場では小烏丸が何やら不貞腐れたような顔をしていた

「ちぇ〜!せっかくアイツらと戦えると思ったのに〜・・・つまんねぇ〜!」

「そんなに不貞腐れないの。リーダーも話していたけどここに来た時は戦っていいって言ってたでしょ?」

どうやら小烏丸は剣也達と戦えなかった事が不満だったようでそれで不貞腐れていたようだが

そんな彼にどこからともなく現れた女性が彼らのリーダーである男の言葉を告げる

そう・・・小烏丸が任されていた本来の任務とはこの工場を放棄する為の時間稼ぎだったのだ

なのでここにやって来た場合には問答無用で戦ってもいいという命令を受けていた

しかし小烏丸はその言葉を聞いても何やらとても不満そうな顔をしていた

「だってアイツらがここまで来れるわけがないじゃん・・・こんな状況でさ・・・」

確かに小烏丸の言う通りこんな状況ではとてもこの工場を見つけるのは厳しいだろうが

そんな中で女性の方はそれでも彼らならばやってくれるのではないかと思っていた

「そうかしら?相手にはあのコアユニットを作った天才科学者がいるのよ?

 おそらくはこの状況すらも覆す何かを既に作り出している可能性があるわよ・・・きっとね?」

その自信がどこから来るのかは分からなかったがこれまでの事を考えれば

可能性的にはこの工場を特定する確率の方が高いと考えているようだ

そしてその可能性には剣也達はもちろんの事だが伊部牧の存在も含まれていた

(この子はまだあのお爺さんを甘く見ているけど

 彼はGATのコアユニットを作り出すだけの技術力を持っている・・・

 この状況下でもここを見つけるだけの力は持っていると考えるべきでしょうね・・・

 でも・・・本当にこの子・・・魅力的よね〜・・・会うのが楽しみになってきたわ)

そう思いながら女性は不適な笑みを浮かべながら闇に消えていくのだった

敵の陽動作戦によって完全に人手が失ってしまった剣也達

果たして彼らは敵が撤退する前に工場の場所を特定する事が出来るのだろうか!?

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