動き出した悪意
今回はシリアスが強めです
とある場所、そこでは違法GATを渡していた少年が何者かと話をしていた
「・・・そうですか・・・あのコアユニットはそんな子供の手に渡っていたのですか・・・」
「どうする?オイラが粉々に破壊してコアユニットを回収してきてもいいぜ?」
「いや・・・話では特に変わった機能を発揮しているわけではないのだろう?ならば放っておけ」
リーダーらしき男の言葉を聞いて少年はまるでつまらないとばかりに不貞腐れるが次の言葉を聞いて機嫌を直す
「それに我々にはやらなくてはいけない事があるではないですか・・・準備はどれくらい進んでいますか?」
「まぁ一人は実験の意味も含めて捨て駒にさせてもらったけど戦力自体は整ってるよ・・・!
それで?こんな戦力を用意して今度はオイラ達に一体、何をさせたいのかな?」
「実はとある場所を襲撃してもらうつもりなんですよ・・・そこは少しだけ邪魔になってきましてね・・・
主の話ではしばらくの間、そこがまともに機能しないくらいには破壊してほしいとの事です」
どうやら彼らはこれからどこかを襲撃する為に戦力を集めていたようでその準備は整っていた
それを聞いてリーダーらしき男はそれならば問題はないだろうとその襲撃をする場所を少年に教える
「場所はここだ・・・分かっているとは思うがくれぐれも正体がバレるような事だけはするなよ?
今はまだ、我らの存在を公にするわけにはいかないのだからな・・・だがそれ以外ならば」
「何をしても良いんだろ?分かってるって!オイラはその条件が気に入ったから仲間になったんだからな!」
先ほどまで不貞腐れていたはずの少年はまるで嘘のように笑顔を浮かべて指定された場所へと向かう
リーダーらしき男はその後ろ姿を見送っているとそんな彼に後ろから声を掛けてくる存在がいた
「良いのかしら?確かにあの子は他と比べて優秀だけど・・・やっぱりまだ子供なのよ?」
「ああ・・・だが今回の事件を世に知らしめる為には彼を使うのが一番だろうからね・・・
それにもしもの時の為に君を呼び寄せておいた事くらいは既に分かっているだろう?」
どうやらその女性はリーダーらしき男がもしもの為の保険として呼んでいた仲間の一人だったようで
彼女は今回の一件に関して本当にあの少年を頼っても大丈夫なのか不安視しているらしいのだが
それを踏まえた上でリーダーらしき男は彼女を呼んだのだと言う事を伝えると彼女な納得したように笑みを浮かべる
(それにしても・・・あのコアユニットを使ったGATを持つ少年か・・・
果たして彼が我々にとって脅威となるのか・・・それとも・・・いずれにしてもこの目で見る必要があるか・・・)
リーダーらしき男は剣也の事を調べるべく先ほどいた女性と同じくその場から姿を消すのだった
その翌日、剣也達は学校で例の違法GATが大量に出回っている件についてを話し合っていた
「う〜ん・・・どうやら僕らが思っている以上の数がこの街に出回っているみたいだね・・・!」
「だな・・・しかもそれで起きた事件がこれだけあるのか・・・このままじゃまずいな・・・」
たとえ警察が優秀だったとしてもこれだけの数の事件が起こってしまえば手が回らなくなってしまう
そしてそれは剣也達にも言える事であり流石にこれ以上の事件が起こるのだけはなんとしてでも避けたいと思っていた
「それに気になっていたけど・・・彼らがここまで大掛かりに動いている理由も分からない・・・」
「確かにね・・・こんなに露骨に行動しているのなんて明らかにおかしいわよね・・・嫌な予感がする」
しかしそれと同じくらいに問題なのが彼らがどうしてこんな事をしているのかその理由についてだった
今まではどんなに探しても情報の一つすら出て来なかったのに今回は自ら存在をアピールしている
おそらくそれには何かしらの理由があるはずだと蜜柑は考えているらしくその答えを考えていた
「とにかく今はどうにか事件を最小限に抑えるしか方法はないんだろうな〜・・・」
剣也の言う通り今の時点ではその答えに辿り着く為のピースも少なければ答えの影すらも見えない
ならば自分達が今、やらなくてはいけない事は違法GATの起こす事件の被害を減らす事だけだろう
「そうだね・・・これだけの事件にどこまで対処出来るか分からないけどそれしかないだろうね・・・」
「はぁ〜・・・早く違法GATの製造場所が突き止められればここまで苦労しないんだけどね〜・・・」
確かに違法GATの製造場所を突き止める事が出来れば事件がこれ以上、起こる事は無くなるだろう
そうなれば剣也達だけではなく警察の人達も残った事件を片付けるだけで済むのだが
それに関しては現在もずっと廃工場などを調べている律矢達に任せるしかないだろう
(しかし・・・確かに乙女の言う通りなんか嫌な予感がするな・・・あいつらは何かを狙っているのか?)
もしかして彼らは大きな何かをしようとしているのではないかと剣也が思っていた時だった
そこへ何やら慌てた様子で優が姿を現し剣也達の姿を発見するとすごい勢いで迫ってきた
「大変なんだ!パパの会社に違法GATが大量に乗り込んできてそのまま立て籠もってしまったらしいんだ!」
「なんだって!?それで状況は!?今はどんな感じになってるんだ!?」
「詳しくは分からないけどパパは会社の会議に出ていたから今の中にいるのは間違いないよ!」
その言葉を聞いて剣也達は学校の最中ではあったがそのまま飛び出していき急いで優の父親がいる会社へと向かった
会社に到着するとそこはすでに警察によって隔離されており関係者以外は中に入る事が出来なくなっていた
「ん?おぉ!剣也君達も来たのか!こっちに来てくれ!中の状況を教えよう!」
するとその中には大木署長の姿もあり剣也達の姿に気がついて隔離している中に入れてくれた
そして緊急会議室にまで連れてこられた剣也達はそこで今の状況に関してを教えてもらう
「現在の状況だけど・・・全ての出入り口は完全に制圧されていてとても中に入る事は出来なくなっている
中に閉じ込められている人数はおよそ百人以上・・・この会社の重役達もその中に含まれている・・・!」
「・・・犯人からの要求とは無かったんですか?こんな大規模な立て篭もりをしたんですから何かあるんですよね?」
剣也の言う通りここまで大掛かりな立てこもり事件を引き起こしておいてなんの要求もないという事はないだろう
それ故に一体相手はどんな要求をしてきたのと確認するのだが大木署長はそれに対して難しい表情をしていた
「実は・・・自分達が逃げる為に必要な車両を用意させる事以外は特にこれと言った要求はなかったんだ」
どうやらその表情の理由は犯人達が告げてきた要求の内容があまりにも大した事がなかったからのようだ
確かにこれだけの事件を起こして逃げる車両だけを要求するのなど明らかにおかしいと言えるだろう
となると彼らがこの会社を占拠している理由はお金とかではないと言う事だ
「私達もその要求が気になって犯人の目的を探ろうとしているんだが・・・あまり会話をしてこなくてね・・・
正直な話、交渉に関してはあまり効果はないかもしれない・・・そこで我々はもう一つの手に出る事にした
それは犯人に気づかれる事なく人質を救出する作戦なんだが・・・それには君達に協力してもらいたい」
大木署長の話ではどうやら会社の中に入るにはセキュリティを突破するしかないのだが
それらは既に相手側に占拠されておりこちら側からのハッキングも受け付ける様子がない
しかしそんなセキュリティを突破する為の方法が一つだけ存在しているらしい
「先ほど執事さんから聞いたのだがどうやらGATほどの大きさが入れるダクトがこの会社には存在するらしい
それらを使ってセキュリティ室に入る事が出来ればハッキングしなくても解除する事は可能だ」
「ですが・・・おそらくは相手もそれを予見してそのダクトに違法GATを配置させているんですね?」
「ああ・・・つまり作戦を成功させる為にはその違法GATを全て倒すしか方法がない・・・故に・・・」
「俺達に協力してほしい・・・そう言う事ですね?」
いくら警察官と言ってもGATがそこまで強いというわけではなくむしろ違法GATには負けてしまう可能性の方が高い
だからこそ既に違法GATを何体も倒している剣也達に協力をお願いしたいと大木署長は考えていたのだ
「もちろん協力させてもらいますよ・・・!ここには友達の親もいるんですからね!」
「剣也君の言う通りです!人の命が掛かっているのに見過ごすなんて出来ません!」
「元から私達は関わるつもりでここに来た・・・だからそう言う事は遠慮なく言ってほしい」
「そう言う事!それにこれは私達の戦いでもあるんだからね!」
「・・・ありがとう・・・!それでは早速ではあるがどうやって侵入するルートを教える!よく聞いてくれ!」
一方その頃、会社の中にある会議室では優の父親の前には例の少年の姿があった
(まさかこんな少年まで例の組織に加担しているとは・・・!彼らには人の心はないのか!?)
「ん?随分な仏頂面を浮かべているね?キシシ!そんなにオイラの事が気になるのかい?
まぁ流石に組織の事を教えたりは出来ないけどオイラの名前と今回の目的は教えてやるよ!」
「名前と・・・今回の目的だと・・・!?」
まさか自分が何も言っていないのにここまで喋ってくれるとは思っていなかった優の父だが
おそらく彼らがこんな少年を使う時点でそこまで大した情報は聞かされていないのだろうと悟る
つまり彼はただひたすらに純粋な心を利用されているだけではないのかと
しかし・・・そんな彼の優しい考えは次に少年が発した言葉によって簡単に覆させる事になった
「オイラの名前は小烏丸!そんでもって今回の目的だけど・・・オッサンを殺して会社を破壊する事なんだよね!」
優の会社への侵入を試みる剣也達
果たして彼らは無事に人質を救出する事が出来るのか!?




