平穏な日常に迫る魔の手
今回は戦闘シーンが少しだけあります
地元の大会を終えて剣也達は元通りの日常を送っていたのだがそれに対して乙女は不満そうな顔をしていた
「いやまぁ・・・そんな顔になるのは分かるけどさ・・・何の情報もないんじゃ動きようがないって・・・」
そう・・・実は大会を終えてから例の組織に関しての情報が一切、入ってこなくなっていたのだ
それこそついこの間まで入って来ていた噂のようなものでしかない小さな情報ですら
「どう考えても向こうの方で何かしらの動きがあったって事だよな?もしかして警戒されたか?」
「もしくは何かしら大きな活動をする為の準備に入っているって可能性もあるね・・・
何にしても今まで何かしらの行動をしていた彼らがここまでなりを潜めるなんて何かあるとしか思えない
僕達も何があっても良いようにそれなりに覚悟を決めておいた方がいいと思う」
確かに清志郎の言う通りここまで何の情報も得られないという事は彼らが秘密裏に何かをしている事は間違いない
そしてその何かが始まった時、おそらくは自分達も動き出す事になるだろうとみんなは覚悟を決める
「・・・そういえば氷塔達から連絡はなかったのか?あれからずっと調べてくれているんだろ?」
するとここで剣也が気になったのは自分達に協力してくれている氷塔達の様子だった
大会に夢中になってしまっていて彼らがどんな行動をしているのかを聞いていなかったのだ
「それなんだけど・・・実は律矢さんが妙に気にしてる事があるみたいでさ・・・今はそれを調べているみたい」
「妙な事?」
「うん・・・前に大会に乱入してきた違法GATを使っていた人の事は覚えているよね?
実はその人以外にも違法GATを使う人があの近辺で出没しているらしいんだけど明らかに数が多いんだ
それで律矢さんはもしかしたら違法GATを製造している場所があの近くにあるんじゃないかって考えているみたい」
律矢の話では違法GATを作るにしても専用の設備が必要になるのは間違いないし技術者も必要になってくる
技術者の方は心当たりもないが専用の設備に関してはどんなに頑張ってもそんな簡単には用意出来ない
となればおそらく廃墟になった工場などを利用している可能性も高く今はそれを調べているらしい
「なるほどな・・・違法GATの出所が分かればあいつらの本拠地も突き止められるかもな・・・!」
「そう簡単にいくかしら?相手は少しの情報すらも与えてくれないほど徹底しているのよ?」
「確かに乙女の言う通り、その場所には特に情報となるものは何もないかもしれないけど
だからと言ってこのまま違法GATを量産されるわけにもいかないからね・・・」
たとえ情報が無かったとしても自分達としてはどうにか違法GATの製造だけでも止めたい
そう考えているからこそ律矢達は動いているのだろうと清志郎は考えていた
「そうだな・・・それじゃあ俺達も自分達に出来る事をやっていかないとな・・・!」
そして放課後になり剣也達はいつも通りにバトルスタジアムに向かおうとしていると
その道中で何やら事件が発生していたようで警察と野次馬の人達が並んでいた
しかもそこには剣也達がよく知っている人物である伊部牧の姿もあった
「伊部牧さん!一体、何があったんですか!?」
「剣也君達か・・・実はここに違法GATを持った男が現れてな・・・お店を破壊していったのだ
幸いな事に怪我人は一人も居らずその男もすぐに逮捕される事になったのじゃが・・・」
どうやら伊部牧の話では男はこの店に対して恨みを持っておりそれを違法GATを使って晴らそうとしたらしい
結果として男の違法GATは破壊されて無事に逮捕されたそうなのだが
やはり違法GATのダメージを受けているそうで逮捕されてすぐに病院に送られたそうだ
「力を与えられたとしてもその力が大き過ぎるものであれば我が身を滅ぼす事になる・・・
じゃが一番悪いのはそんな力をまるで悪魔の囁きかの如くばら撒く者達じゃろうな・・・」
「そうですね・・・その違法GATの出所って警察では目ぼしい情報とかは出ていないんですか?」
伊部牧の言う事はもっともだと剣也も思っておりもうこんな被害は出してはいけないと考えていた
だからこそ早く違法GATの出所を突き止めて欲しいと考えていたのだが
どうやら警察でも未だに違法GATがどこで製造されており誰がばら撒いているのか情報はないそうだ
「それなんですけど・・・実は律矢さん達がその出所に関して調べているらしいんです」
「律矢くん達が・・・なるほどのう・・・ならばワシらのやるべき事は被害を一つでも多く減らす事じゃな」
おそらく律矢達が違法GATの出所に関して調べるといってもかなりの時間を必要とするだろう
しかしその間も間違いなく違法GATの被害は増えるので剣也達は出来るだけその被害を食い止めようと考える
(本当に頼もしい子供達じゃのう・・・じゃがワシら大人がそれに甘えてしまうわけにはいかん・・・!
ワシはワシに出来るだけの支援をこの子達にしてあげなくては・・・!)
伊部牧はそんな彼らに出来るだけの支援をしてあげなければならないと考えていた
その為にはまずは警察に協力してもらう必要があると思い大木署長に連絡しようとしていた時だった
なんと自分が連絡する前に大木署長から連絡が入ってきた
彼からの連絡は珍しくおそらくは何かあったのだろうと思い伊部牧は急いで電話に出る
『伊部牧さん!その近くで違法GATを持った人が事件を起こした!すぐに向かってくれ!』
大木署長に事件の起こった場所を教えてもらい伊部牧は剣也達を連れて現場へと向かう
そこで今も激しい爆発音などが聞こえてきてそこら中から火花が散ったりしていた
「どうやら随分と派手に暴れているようじゃのう・・・!状況はどうなっておるのじゃ?」
「はっ!犯人グループは三名!いずれも違法GATを持っており建物を占拠しております!
建物の中には民間人もおり彼らの要求は身代金500万円と逃走用の車を用意しろとの事です!」
どうやら先に到着していた警察官の話では犯人は人質を連れて立て籠りをしているしているそうで
身代金と逃走用の車を用意しなければ人質の無事は保証しないと脅してきているらしい
「中では民間人がいまだに犯人に抵抗しているらしく救出を試みたのですが・・・」
「流石の警察でも違法GATの相手をするのはそんな簡単な事ではあるまいて・・・
しかしどうしたものか・・・早めに建物の中にいる人々を救出せんと人質として扱われかねん・・・!
そうなってしまえばますますこちらから手を出せなくなってしまうぞ・・・!」
伊部牧のいう通りこのままではいずれ建物の中にいる人達が捕まってしまうのは時間の問題だろう
そうなる前に救出したいのだが問題はどうやって違法GATを持っている彼らと戦うかだった
「彼らと戦う事なら私達に任せてほしい・・・!この個人用のフィールド形成装置を使えば戦える・・・!」
「!?それは獣兵衛の・・・!なるほど!その手があったか!
ならばワシと清志郎君が警察に協力して人質を救出する!その間に3人は違法GATと戦ってくれ!」
そこから剣也達は別れて行動し剣也達は違法GATを持っている男達と戦う為に真正面から乗り込む
「そこまでだ!これ以上はお前らの好きにはさせない!違法GATを置いて警察に出頭しろ!」
「あぁ!?どこのガキか知らねぇがこの俺達に指図してんじゃねぇよ!先にお前らからぶっ潰してやろうか!?」
「残念だけどそれは無理・・・確かに違法GATは強力だけどその力に頼るような相手には負けない・・・!」
「おもしれぇ・・・!そこまで言うのならその体に教え込んでやるよ!やるぞお前ら!!」
蜜柑の挑発が男達を刺激したようで違法GATを取り出すと剣也達に向かって襲わせてくる
するとその瞬間に蜜柑もフィールド形成装置を作動させてヤマトが違法GATの攻撃を受け止める
「言っただろうが・・・!違法GATを使うような奴ら相手には負けないってよ・・・!」
「それにヤマトだけを見ていて私達の事を忘れてもらっちゃ困るわよ!?」
完全にヤマトの事だけを見ていた男達は乙女と蜜柑の事を忘れており背後からの一撃により違法GATは破壊された
こうして事件は無事に解決したがやはり男達は違法GATの後遺症によって倒れてしまい病院へと送られた
「ふむ・・・どうやらあの時のような軍事的な技術は使われておらんようじゃ
これくらいならばおそらくは数日もすれば目を覚まして事情を聞く事も出来るはずじゃ」
「そっか・・・それにしても違法GATを使ってまで事件を起こすなんて・・・」
「ええ・・・使った後でどうなるかを分かっているはずなのに誰しもがそれを使ってしまう・・・
これじゃあ人の為にとGATを作った人はきっと今も悲しんでいるはず・・・」
蜜柑達の言う通り本来のGATは子供達に楽しんで遊んでもらう為の玩具として開発された
それを考えれば今の違法GATが出回っている現状は開発者にとって最も悲しい現実だと言えるだろう
その言葉を聞いて剣也達も同じく悲しいという気持ちになると同時に早くこの事態を収めなければならないと考える
「お前さん達の言う通りじゃ・・・これ以上、GATを悪用される事を決して許してはならぬ・・・!
それがGATを作り出した人達が最も願っているはずの事じゃからな・・・!」
「そうですね・・・俺達もこれからは出来るだけの協力をしたいと思います!
これからも何かあったら俺達にも連絡をください!」
「うむ・・・!本来ならばここは警察に任せておきたいところではあるが・・・頼りになるのはお前さん達だけじゃ
そして・・・その肩にこれからのGATがどうなっていくのか・・・その未来を背負っているという事を忘れるな」
そう・・・剣也達が負けてしまえばこれからのGATは間違いなく軍事的な目的で利用される事になる
それだけは絶対に避けなければならない事であり剣也達もその事は深く胸に刻んでいた
次々と発生する違法GATの事件
果たして剣也達はこれを食い止める事が出来るのか!?




