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譲れない席

今回は乙女VS蜜柑の回です

三夏との戦いにどうにか勝利し見事、決勝戦に駒を進めた剣也

しかし無事だったという感じでもなくヤマトもダメージを負っており今はその修理を行なっていた

「・・・次はいよいよあの二人の戦いだな・・・どっちが勝つにしても厄介だろうな〜・・・」

剣也の考えている通り自分達のグループの中で次に強いのは間違いなく蜜柑と乙女のどちらかなのだ

つまりどっちが勝ち上がってきたとしても決勝戦はこれまでとは明らかに戦いの密度が違うのだろう

しかしこれから戦いを繰り広げるステージ上の二人は決勝戦の事など何一つとして頭の中には入っていなかった

彼女らの中にあるのはたった一つ・・・自分の方が強いという事を証明したい気持ちだけだった

「・・・正直な話、私はアンタが嫌いよ・・・!でもこの戦いはそんな気持ちでやるわけじゃない・・・!」

「・・・ええ・・・この戦いの目的はたった一つ・・・どちらが強いのか証明するだけ・・・!」

二人はフィールドにGATをセットするとMCのお姉さんがスタートの合図を出してバトルが始まる

ステージの設定は深夜の住宅街となっており有利なのは遠距離タイプである蜜柑の月兎の方だった

しかしそれはあくまでもステージがちゃんとしていた場合の話であり乙女はすでに対策を講じていた

「はぁぁぁぁあ!!」

清志郎と剣也の戦いを見ていた乙女はこうすれば遠距離攻撃を持っている相手であろうとも

迂闊に攻撃出来なくなり同時に自分が近づきやすくなる事は分かっていた

問題は先ほど二人が戦っていたような天候とは違い今回は移動を制限するようなものは何もない

つまりは自分が色々と破壊している間に蜜柑は既に月兎を別の場所に移動させている可能性があるという事だった

そしてその予想通り先ほどまで月兎がいた筈の場所にはもはや影も形もなく乙女も移動しなくてはいけなくなった

「・・・この勝負・・・どちらが先に相手を見つけるかが勝負を鍵を握ってきそうだね・・・!」

二人の戦いを見ていた清志郎の見解では勝負の鍵を握ってくるのはどちらが先に相手を発見するかだった

しかもそれは乙女が不利になる事が分かっているからこその見解であり依然として有利なのか蜜柑の方だった

月兎は遠距離攻撃を持っているので別に接近せずとも攻撃を繰り出す事が出来るのに対して

乙女のワルキューレは近接武器しか持っておらず離れている相手には接近して攻撃する以外に選択肢がない

つまり蜜柑は相手に見つかったとしても攻撃する手段を持っているのに対して乙女にはそれがないのだ

そして・・・もしも蜜柑が先に乙女を見つけてしまえば近づかれる前に攻撃を開始する事が出来てしまう

「もしも乙女が勝利するのなら・・・月白さんが見つけるよりも先に接近しなくちゃ・・・」



(くっ・・・!自分でやった事とはいえ視界がほとんど瓦礫で塞がれてとても何かを探せる状況じゃない・・・!

 しかも二人は気にしてなかったけどこの足場・・・!少しでも油断したら足を持っていかれる・・・!)

先ほど清志郎が考えていた事はもちろん乙女も分かっており必死になって蜜柑を探そうとするが

崩してしまった瓦礫が視界の邪魔をしており同時に足場が悪くなってとてもまともには歩けなかった

しかしそれでも移動して探さないわけにはいかず瓦礫の中を移動しようとしたその時だった

「!?」

どこからともなくワルキューレに向かって矢が飛んできたのだ

乙女はどうにか攻撃を弾いて直撃を避ける事は出来たが問題は自分の居場所がバレていた事だった

これは自分が想定していた中で最も最悪な展開であり乙女は蜜柑がどうやって自分の居場所を突き止めたのか困惑する

(距離からしておそらくサーモグラフィでも私の居場所を突き止めるなんて絶対に不可能なはず・・・

 と言う事はそれ以外の何かが要因って事だけど・・・今はそんな事を考えている場合じゃない・・・!)

それでもすぐに冷静さを取り戻してまずはこの状況を打破しなくてはならないと考え

まずはこの場から移動しようと考えるが移動しようとする度に矢が飛んできて動く事が出来なかった

(くっ・・・!このままじゃ完全にやられる・・・!こうなったら一か八か突っ込むしか・・・!)

幸いな事に矢が飛んできている方向は分かっているので乙女はダメージを覚悟で突っ込もうかと考える

しかしそんな事で倒せるような相手ではない事は自分がよく分かっておりすぐにその考えを改める

(おそらく向こうがわざわざ矢を外しているのは正確にダメージを与える事が出来ないから・・・

 つまりは正確に私の事が見えているわけではないって事・・・なら狙ってくるのは・・・カウンター!)

先ほどからの攻撃を考えれば自分の居場所が判明しているのは確実なのに蜜柑は当てようとはしていなかった

そこから判断して乙女は居場所を突き止められたとしても自分の姿までは正確に判明していないのだと理解する

そしてその結果から導き出されたのは蜜柑が狙っているのはこのまま戦う事ではなく

我慢出来なくなった乙女が突撃した瞬間を狙ったカウンターではないかと判断したのだ

(だとしたら突っ込んでいくのは間違いなく愚策になるけど・・・ならただ突っ込まなければいいだけ!)

乙女は意を決して相手が望んでいるであろう突撃をすると予想通りと言うべきなのか矢が飛んでくる

しかし来ると分かっていれば迎え撃つのは簡単で乙女は飛んでくる矢を叩き落としながら月兎の元に向かう

そして月兎が視界に入った瞬間、まるで狙い澄ましたかのような一撃が飛んできてワルキューレを捉えたが



「残念だけど・・・!何の対策もなしに突っ込んだわけじゃないのよ!!」



「!?」

この攻撃を読んでいた乙女は予めワルキューレの腕に瓦礫を括り付けておりそれが攻撃を防いだ

蜜柑もこの攻撃を防がれるとは思っていなかったようでワルキューレのなんとか躱す事が出来たが

完全に近づかれてしまった事実に変わりはなく追い詰めたはずなのにいつの間にか状況は逆転していた

「・・・正直、驚いてる・・・まさか私がここまで追い詰められる事になるなんて・・・」

「私も自分がここまで出来るなんて思ってなかったわ・・・!でも・・・ここからは小細工はなし!

 アンタが勝つか私が勝つか・・・お互いの腕で勝負を決めようじゃないの!!」

乙女の言う通りここまでの接近戦ともなればもはやお互いに策を仕掛けるほどの余裕はなく

後はどれだけ相手の攻撃を避けながら攻撃を当てる事が出来るかが勝負の行方を決めるだろう

二人共それは十分に分かっているようで乙女は弓を弾きながらハルバードを振り回し

逆に蜜柑は振り回されるハルバードを躱しながらどうにか攻撃を当てようと矢を放つ

まさにどちらも譲らない一進一退の攻防を繰り広げているが

同時にそれはこのままでは決着がつかない事を意味していた

(どうにかして攻撃を当てたいけど・・・アイツの月兎は私のワルキューレよりも速度が速い・・・!

 一撃で勝負を決められる自信はあるけどその為には相手のスピードを封じる為の何かをしないと・・・!)

乙女は必死に月兎のスピードを封じられないかと考えるがその方法は全て攻撃を当てる以外に選択肢がなかった

おそらく最もその可能性があったのは先ほど近づけた一瞬の隙でありあれが唯一のチャンスだっただろう

そして蜜柑はもうあのような油断は絶対にしないであろうと言う事は乙女もよく理解している

だからこそもう彼女は理解していた・・・自分が勝てる可能性がほとんど残されてはいないと言う事を・・・

「っ!それでも私は戦う!アンタに負けたくない!この意地だけは絶対に曲げないんだから!」

「・・・本当に凄い・・・貴方のそう言うところを私は心の底から尊敬する・・・

 だからこそ・・・!私の全力で応えるのが・・・貴方への最大の敬意であり・・・私からの賛辞!!」

二人が少しだけ距離を取った瞬間に戦いを見ていた全ての人が決着の瞬間が来ると予想していた

そんなみんなの期待に応えるかのように二人は今の自分が放てるであろう渾身の一撃を放った

おそらく二人の一撃は間違いなくお互いのGATを戦闘不能するだけの威力があり勝敗は速度が分ける事になった

そしてもちろん・・・その速度で勝っていたのは他でもない・・・月兎の方であり



勝敗は・・・決まった



『終〜了〜!準決勝第二試合!凄まじい激戦を勝ち抜いたのは月白蜜柑選手だぁぁぁああ!!』



「はぁ〜・・・後一歩か〜・・・これは悔しいなんて言葉じゃ足りないわね・・・」

乙女はまるで倒れるかのように天井を見つめると何故か自分の見ている光景が歪んで見えた

しかしその理由はすぐに分かった・・・自分が涙を流しているのだと気づいた事によって

「あっあれ?なんで私、こんな泣いてるんだろ?そりゃあ悔しいし泣くほどじゃ・・・」

負けた事への悔しさから自分は泣いているのかと思う乙女だったが泣くほどの感情ではないと分かり

どうして自分はこんなに涙を流しているのだろうと思っているとそこへ反対側にいた蜜柑がやってきた

「・・・いい勝負だった・・・でもこれで決着じゃない・・・また戦いましょう・・・」

その言葉を聞いてようやく乙女はどうして自分がこんな風に泣いているのか理解出来た

そう・・・彼女は悔しくて泣いているのではなく無意識に負けたと言う敗北感から涙を流してしまったのだ

しかし蜜柑の言葉を聞いてようやく自分はまだ負けたわけではないのだと気づき必死に涙を拭う

「当たり前でしょ!今回はアンタの勝ちだけどこの先の戦いも負けを譲るつもりはないわ!

 必ずアンタに勝って私の方が凄いんだって証明してあげるんだから覚悟しなさい!」

「・・・ええ・・・その時を楽しみにしてる・・・!」



「・・・凄い勝負だったね・・・まるで二人の感情がGATに乗り移ったみたいだ」

「ああ・・・そしていよいよ決勝だ・・・!相手は月白さん・・・俺達も負けていられないぜ・・・ヤマト!」

いよいよ出揃った決勝を戦う二人

果たして勝つのは剣也と蜜柑のどちらになるのか!?

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