謎のGAT・ヤマト
謎のGATの名前が判明!
そして物語が動き始める・・・!
剣也は置かれていたGATを手に取って見てみるがやはり見覚えのない機体だった
(父さんが買ってくれた・・・ってわけもないだろうし泥棒が忘れた?
いやいや机の上にわざわざ置かれてたんだぞ?そんなのがありえるわけない・・・
って事は残された可能性は誰かがコレを置いていった?でもなんで・・・)
剣也の言うようにこの家にこんな立派なGATを置いていく理由はないはずなのだ
それどころか最近の窓はボタン式になっており無理に入れば警報がなる仕組みになっている
それを解除してまでもこんな物を置いていく理由が一体どこの誰にあるのか
「・・・どっちにしても俺だけじゃ話にならないよな〜・・・学校に持っていくか」
自分だけで考えても埒が明かないと剣也はそのGATを持って学校に向かう事にした
そして清志郎達を呼んで机の上に置かれていた例のGATを見せて今朝の事を話した
「謎のGATが机の上に置かれてた?・・・アンタが嘘を言うとは思えないけど確かに突拍子もない話ね・・・
てかそれが本当なら明らかに不法侵入でしょ!?警察に連絡とかしないさいよ!?」
「いや盗まれた物とかなかったし警報もなってなかったからさ・・・もしかしてと思って」
「う〜ん・・・やっぱり市販のGATじゃ見た事がないな〜・・・おそらくはハンドメイドだとは思うけど
この精巧な作り・・・世界トップレベルのGATと比べても遜色ないかも・・・」
謎のGATを見た清志郎の反応は素人が作れるようなレベルではなく
間違いなくGATを知り尽くしている人の物だと言う事だった
しかしそれならば尚更、こんな物がどうして自分の机に置かれていたのか剣也の疑問は大きくなっていく
「とりあえずコレを警察に渡したら?もしかしたら持ち主が紛失届を出しているかもしれないし
このGATが置かれていただけでCRバンドまでは置かれていなかったんでしょ?」
「ああ・・・俺の机にあったのはこのGATだけだな」
「だったらこのGATを登録したCRバンドを持っている人が警察に来ている可能性は十分にありえるわ」
実はGATのコアユニットにはGPSが搭載されており警察で対応したCRバンドを渡せば
そのGPSで紛失したGATを探してもらう事が出来るようになっているのだ
つまり乙女の言う通りコレに持ち主がいるのならば今頃、警察に来ている可能性は十分にあった
「そうだな・・・もしも来てなくても警察には渡しておいた方がいいよな・・・!」
学校が終わり剣也は近くの警察署へと向かい謎のGATを届けようとしていた
するとその途中でその姿を見ていた露天の老人に呼び止められた
「おや?あの時の少年!一体そんなに慌ててどうしたんじゃ?」
「あっ!あの時の露天のお爺さん!!実は今朝、俺の机にこんなのが置かれててさ・・・」
剣也はこの人もGATに詳しいので何かしているかもしれないと思い謎のGATを老人に見せた
「ほう?随分と精巧なハンドメイドGATじゃのう・・・しかもこの作り・・・とても素人の仕事ではないな
それこそ世界大会クラスか・・・あるいはどこかの企業が作り出したものか・・・!?」
じっくりと謎のGATを見ていた老人はコレに例のコアユニットが組み込まれている事に気がついた
(コッコレは・・・!?かつてワシらが研究し封印した筈のコアユニット・・・!?
馬鹿な・・・!こんな忌々しい物を一体誰が作ったというのじゃ・・・!!
それだけではない・・・どうしてこんな危険な物をGATを知らぬ子供に渡しておるんじゃ!?)
「?お爺さん?どうかしたのか?」
「いっいや・・・なんでもない。そうじゃ!警察に届けるのならワシも一緒に行ってやろう!
あそこの署長とは昔から知り合いでの!少しは融通を利かせてくれるはずじゃ!」
「本当!?実は初めて警察とか行くから不安だったんだ〜・・・」
老人は自分の知っているそのコアユニットの事を放っておけず剣也と一緒に警察署へと向かった
「ここで少しだけ待っておれ。ワシがここの署長に話をしてくる」
警察署に着くと先ほどの老人が署長に話してくると剣也を残していなくなってしまい
入り口のベンチで待っていたのだがふと剣也は署長を呼んでくるほどの大事なのかと心配になってしまった
そこへ何やら恰幅の良さそうな警官服を着た人と老人がこちらにやってきた
「いや〜お待たせして申し訳ない!君がGATを届けてくれた少年だね?初めまして私は大樹と申します」
「えっと初めまして剣也です・・・あの〜・・・もしかして俺の持ってきたGATってかなりの大事ですか?」
不安になってしまった剣也は自分はかなり大事な事件を持ってきてしまったのではないかと心配するが
その言葉を聞いた大樹署長は大笑いしながらそれを否定しどうして自分が出てきたのかを説明する
「脅かしてしまったのなら申し訳ない!実はこちらの伊部牧さんから話を聞いてね
もしかしたら一個人のGATではなく企業が作った物かもしれないと言う話から
GATの関する事件を担当している私が直接出向く事になったと言うわけだよ」
どうやらこの大樹署長はその地位にありながらもGATの事件を担当している人のようで
その理由から今回のGATは盗まれた物かもしれないからとわざわざ出てきたと言う事らしい
「とにかくまずはそのGATを調べる事にしよう。ついて来てもらえるかな?」
「はい!」
「この機械の上にGATを置いてくれるかな?そうすれば制作者とこのGATの名前が出てくるはずだよ」
大樹署長に言われるがままに剣也はGATを機械の上に置くと係りの人か機械を起動される
するとスキャン装置のような物がGATをスキャンするとその結果がディスプレイに表示される
「・・・ヤマト・・・これがこのGATの名前って事でいいんですよね?」
「ああ・・・だが問題は・・・制作者の欄には何も書かれていないという事だな・・・」
そう・・・名前がヤマトと判明したGATだが問題はその制作者が未だに不明だという事だった
剣也はそんな事があり得るのか尋ねると考えている署長の代わりに伊部牧が説明してくれた
「本来ならば制作者の欄には開発した者の名前か企業の名前が入っているはずなんじゃ・・・
そうでなければ登録出来ないようになっておるからのう・・・じゃがコレにはそれがない・・・
つまりは制作ソフトを使わずに作られた可能性があるのじゃが・・・
それでこんな精巧な物を作れるわけがない・・・つまりは・・・」
「・・・いずれにしても更に詳しく調べる必要がありますな・・・すまないがコレを預かってもいいかい?」
「もちろん大丈夫ですけど・・・」
「ありがとう!それじゃあ私達はコレを詳しく調べる必要があるから君はもう帰るといい」
それを聞いて剣也もこれ以上は聞いても意味がないと思って警察署を後にして帰る事にした
その後、大樹署長と伊部牧の二人は徹底的にヤマトを調べたのだがやはり出所を突き止める事は出来なかった
「・・・ダメじゃな・・・どこで作られた物で誰か作ったのか・・・どちらも見当が付かん・・・」
「伊部牧さんは心当たりはないのですか?例の研究に関わっていた他の人がいるとか・・・」
確かに大樹署長の言う通りあの研究に関わってきた者はそれこそ何十人も居たのだが
「・・・残念じゃがこのコアユニットの根幹を知っておるのはワシを除けばアイツだけじゃ・・・
設計データもあの事故があった後で消去もしたはずじゃからのう・・・残された可能性は」
「誰かがその消去したデータを復元して例のコアユニットを複製した・・・という事ですね?」
大樹署長の言う通りコアユニットを複製された理由はそれ以外にないのだろうが
そうなってくると犯行を行える人物は多すぎて誰かに断定するのは困難を極めるだろう
「となれば・・・やはり鍵を握っているのはこのヤマトと呼ばれるGATだけですか・・・」
残された唯一の手掛かりは二人の前にあるヤマトというGATだけだった
どういった理由があるにしてもコレを作り出した者達がそう簡単に諦めるとはどうしても思えない
それに複製を他に作るにしてもかなりの時間を必要とするはずなので尚更、ヤマトを狙う可能性は高いだろう
「果たしてコレが邪と出るのか蛇が出るのか・・・いずれにしても・・・ん?少し失礼」
ヤマトという存在が今後、一体どんな事件を持ってくる事になるのかと
大樹署長は心配しているそこへ一件のメールがやってきた
どうやらそれは警察の上層部からの重要なメールだったみたいなのだがそれを見て大樹署長は目を見開いていた
「・・・どうした・・・?」
「・・・すまん・・・どうやら今回の一件では私は力になれないかもしれん・・・!」
「なっなんじゃと!?」
一体どういう事なのかと伊部牧が驚いていると大樹署長は先ほど送られてきたメールを見せる
そこには特殊なコアユニットを搭載したGATが盗難に遭いそれを警察で確保しろとのものだった
これはつまり警察関係の人間もこのヤマトを作り出した人間と関係しているという事だった
「まさか警察関係者にも仲間が居ったのか・・・!これはいよいよ大事になってきたのう・・・」
「それだけではありません・・・このメールが送られて来たという事は
ヤマトをここに置いておくわけにはいかなくなったという事・・・一体どうしますか?」
確かに大樹署長の言う通り警察にも仲間がいるのならばここにヤマトを置いておくのは得策ではないだろう
となれば他のどこか安全な場所に移す以外の選択肢はないのだが問題はその場所だった
そんな時に伊部牧は何を考えたのか大樹署長が予想していなかった提案を持ちかけてきた
「・・・それなんじゃが・・・ワシはあの少年に預けてみようかと思っておる・・・!」
「なっ!?本気で言っているのですか!?それはあの少年をこの事件に巻き込むという事ですよ!?」
大樹署長は民間人である剣也を巻き込む事には大いに反対していたが伊部牧にも彼を選んだ理由があった
「分かっておる・・・じゃがどうしてもワシはあのGATが少年の元に来たのは偶然とは思えんのじゃ」
「まさかGATに意思が芽生えたとでも?確かにあの事件を知っていればそんな気にもなりますが・・・」
「じゃからこそ賭けるんじゃよ・・・このヤマトがあの子を選んだその運命にな・・・!」
何者かによって作られた謎のGAT・ヤマト
一体、ヤマトは剣也達に何をもたらすのか?