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追いつこうとする背中

今回は三夏がメインになりそうです

「はぁ〜・・・最初はいい感じだったんだけどな〜・・・逆転されちゃったか〜・・・」

勝負に負けたはずなのに今の清志郎は特に悔しいという気持ちはなくむしろ晴々しい気持ちだった

おそらくは追い詰められた事による満足感と自分に足りないものを見つけられたからだろう

そこへ先ほどまで激戦を繰り広げてくれた剣也がやってきて清志郎に手を伸ばしてきた

「清志郎の作戦・・・あれには完全にしてやられたよ!また真剣勝負しようぜ!」

今回の勝負はおそらく剣也が戦ってきた中で最も追い詰められたと言っても過言ではなかった

それほどまでに清志郎は強くなっていたのだとそれを嬉しく思うと同時に凄いと尊敬してもいた

だからこそ清志郎に差し出していた手は同情で出したものではなく対等の存在だと認めている証でもあった

おそらく本人もそれが分かったからこそ伸ばされた手に対してなんの迷いもなく掴む事が出来た

そして二人はステージを降りて残った試合を見守る事にした

次に戦うのは乙女だったようで対戦相手は誰か分からなかったが

ここまで残っているという事はそれなりに強いのだと思っていた

しかしいざ試合が始まってみると戦いはかなり一方的なものであり優勢なのは乙女だった

そんな中で剣也達が注目して見ていたのは乙女の戦い方であり明らかに前とは違っていた

「・・・何というか・・・前までは猪突猛進って感じだったのに今はちゃんと技もあるな・・・」

「そりゃあそうだよ。あれから乙女は僕に作戦とか戦術とかを聞いて勉強してたからね」

どうやら乙女があんな風に考えて戦えるようになっていたのは清志郎が特訓をしたからだったようだ

その特訓の成果が出てきた結果、乙女は危なげなく準決勝へと見事に駒を進めたのだった

「なるほどな・・・みんなそれだけこの大会に必死になっている事か・・・本当に強敵だな・・・」

「そうだね・・・多分だけと後二人・・・それが誰になったとしても僕と同じか、それ以上に苦戦すると思うよ

 だから・・・剣也君も今の内に覚悟を決めておいた方がいいかもしれない・・・戦う覚悟ってやつをね」

確かに清志郎の言う通り今まではみんながどれほどまでに強くなったのかそれを楽しみに戦っていた部分も大きい

しかしここまで勝ち進んで仕舞えばおそらくみんなも優勝というものが視界に入っており

今までよりも本気になっているのは間違いないだろう

ならば今のうちに自分がそんな人達を倒して頂点に立つのだという覚悟を決めなくてはならなかった

そう・・・誰が相手だろうとも勝つというそんな勝利に対しての覚悟を・・・!



そして残った二つの試合は三夏と蜜柑が勝ち残り準決勝まで残った四人は知り合いだけとなっていた

『いよいよ盛り上がってきました!次はいよいよ準決勝!残った四人は間違いなく強いと言ってもいいでしょう!

 しかし!この中で一位となれる人はたった一人!勝利の栄光を手に出来るのはたった一人だけなのだ!

 そしてそんな決勝へと至る二人をこの準決勝で決める事になるよ〜!

 それじゃあ第一試合!戦うのは〜・・・この二人だ〜!!』

スクリーンに表示されたのは剣也ともう一人・・・対戦相手である三夏の姿が写されていた

『準決勝と決勝は午後から始まるからみんなもご飯を食べて充電しておいてね〜!それじゃあね〜!』

しかし戦うのは午後からとなっておりまずはみんなでご飯を食べる事になった

実は優の執事がみんなの分の食事を用意してくれる予定になっておりみんなはとある公園に集まっていたのだが

「・・・なんか・・・豪華過ぎて逆に食べる気持ちがなくなっていくんだけど・・・」

「本当よね・・・なんか見てるだけでお腹いっぱいなってきそうな感じだわ・・・」

用意されたのは豪華ディナーですらも生ぬるいと思ってしまうような高級そうな料理が凄い量で置かれており

これを目の当たりにした剣也達は先ほどまでお腹が空いていたはずなのに今はむしろ胸焼けを起こしていた

しかし二人は準決勝を戦わなくてはならないので食べないわけにはいかず覚悟を決めて料理に手をつけていく

「それにしても・・・まさか本当にアンタと戦う事になるとはね・・・絶対に負けないわよ・・・!」

「・・・それは私のセリフ・・・でもそれは相手が貴方だからって話じゃないけど・・・」

そして乙女と蜜柑に関しては戦う前から火花を散らしており準決勝は大丈夫なのかと全員が不安に思っていた

「先輩方はいいですよね〜・・・私の相手なんて剣也先輩ですよ?勝てるとは思えないんですけど・・・」

「そうでもないと思うよ?三夏ちゃんの格闘技術は剣也君とも互角に戦えるほど高いと思う

 後はどうやって剣也君のペースを崩して戦うかが勝負の鍵を握ってくるかな?」

「剣也先輩のペースですか?う〜ん・・・戦っている間はそんなの気にしていられないと思います・・・」

清志郎のアドバイスを聞いて三夏は確かにその通りだと納得するが自分がそれを行えるとは思えなかった

実際に清志郎と剣也の戦いを見ていたからこそ自分にその力はないと判断したのだろう

(・・・なんかいつもの三夏らしくないな?もしかして何かあったのか?)

ここまで弱気になっている三夏は珍しく剣也達が心配している中で歌女だけはその理由が分かっていた

(三夏ちゃん・・・多分だけど緊張してるんだ・・・剣也先輩と戦う事・・・)



「・・・三夏ちゃん・・・もうそろそろ試合が始まるけど・・・やっぱり緊張してる?」

「歌女ちゃん・・・そうですね・・・緊張していますし・・・なんだったら体が震えてます」

確かに三夏の体はこれまでに見た事がないほど震えている様子だった

本人もこんなに体が震えたりするのは部活の大会ですらなかったと思っていた

それほどまでに彼女の中で剣也との戦いは特別なものだと言う事なのだろう

「・・・私さ・・・剣也先輩に憧れてたんだ・・・中学校に入学した時、私はすごい元気に振る舞ってたけど

 実際の私は・・・少しだけ無理をしていたんだ・・・その時だったんだ・・・剣也先輩に会ったのは」

中学に入学した三夏はその運動神経からすぐさま部活に入りクラスでも人気者として活躍していたが

その反面でそんな生活をずっとし続けなくてはいけないのだと少しだけ無理をしていた

そんな生活に対してもう嫌になりどうすればいいのだと悩んでいた時に彼女は謙也と出会った

最初は自分の友達である歌女の先輩というたったそれだけの存在だったのだがその日を境に見る目が変わった

彼は自分がやっているような人への親切をまるで当たり前のようにやっていたのだ

その光景を見て最初は自分のように無理をしているのではないかと三夏は思っていたのだが

しばらく剣也を観察していてそんな心配は無用な事だったと気づいた

(そうか・・・剣也先輩にとって人への親切って別に特別な事でもなんでもないんだ・・・

 自分に出来るだけの親切しかしないから自分に無理していないし人も幸せに出来る・・・

 そっか・・・私にしていた事ってずっと自分を大きく見せていただけなんだ・・・!)

それから三夏は自分に無理のない範囲で頑張るようになりようやく満足の出来る生活を送れるようになった

そして・・・剣也に対して憧れと・・・好意を抱くようになっていた

「・・・正直さ・・・歌女ちゃんの事を羨ましいって思う瞬間もあったんだ・・・

 でもそれじゃあダメなんだ・・・!私が私らしく・・・それを先輩に見てもらわなくちゃ・・・!」

「・・・三夏ちゃん・・・」



『さぁ!いよいよ始まります準決勝!対するはこれまでの激闘を潜り抜けてきた強者二人!

 果たして決勝に残るのはどちらなのか!?それではみなさんご一緒に!GATバトル・・・ファイト!』



二人のGATが戦うステージは草原であり障害物と呼ばれるようなものは何もなかった

いや・・・たとえそんな物があったとしても二人は隠れたり逃げたりなどはしなかっただろう

そう・・・真正面からぶつかり合った二人のGATがその場にいた全員にそれを理解させた

もはやそこに言葉はなく二人はひたすらに己の全てを賭けてぶつかり合う

ノーガードで戦っているからこそヤマトにも攻撃が当たりダメージが通る

しかしそれ以上に酷いのは虎娘の方でありヤマトの攻撃を受ける度、装甲に亀裂が入る

おそらくダメージとしては圧倒的に虎娘の方が受けているのだろうがそれでもお互いに離れようとはしない

そんな攻防を見ていた清志郎の心には羨ましいという感情が芽生えていた

(凄いな・・・僕じゃ剣也君とあんな風には戦えない・・・あれは三夏ちゃんだからこそ出来る戦い

 そして・・・三夏ちゃんだからこそ・・・見れている光景なんだろうな・・・)

近接戦闘の苦手な清志郎はあんな風に接近して剣也と戦う事など出来ない

しかしそれが出来ている三夏は一体どんな景色が見えているのだろうか

それを考えただけで清志郎が三夏の事を羨ましいと思うには十分な理由となった

「・・・もししたら私達は彼女の事を過小評価していたのかもしれないわね・・・」

「ええ・・・兜君とここまで戦えるなんて・・・間違いなく彼女は強い・・・!」

そして次に戦いを控えている二人もどちらが勝つのか予想できなかったがたった一つだけ確信を持てた

それはどちらが勝ったとしても間違いなく強敵だと言う事だった

(三夏ちゃん・・・三夏ちゃんは私の事、羨ましいって言ったけどそれは私もだよ・・・

 私はそこまで強くないからこんな風に先輩と戦う事なんて出来ない・・・

 三夏ちゃんが見て・・・感じているような事を私は知る事が出来ないんだよ?)



(・・・やっぱりまだ勝てないな〜・・・最初から分かっていた事だけど・・・

 きっと先輩は・・・私達では到底、想像の及ばないような高みへと昇ってしまうような人なんだろう・・・

 でも・・・だからと言って私は貴方に近づこうとする努力をやめたりはしない・・・!

 きっと貴方に追いついて・・・そして必ず・・・!)



『決着!準決勝を制したのはゼッケン番号一番!兜剣也選手だぁぁぁああ!!』

いよいよ決勝戦に駒を進めた剣也

そしてその決勝で戦う事になるのは乙女か?それとも蜜柑か?

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