乱入者
剣也と氷塔のタッグVS違法GAT
話は少し前に遡りそれは氷塔と剣也の戦いが激しくなっている時にそれは起こった
「おいおい・・・!随分と盛り上がってるじゃねぇか!俺も混ぜてもらおうか?氷塔!!」
「「!?」」
二人はすぐに飛んできた何かに反応して躱すと雪が舞い上がりながらその何かは姿を現した
一見すると普通のGATなのだがその体は黒く染まっており明らかに異常なオーラが放たれていた
おそらくそれは常人には見えないのだろうが実際に対面している二人にはそんなものが見えていたのだ
「気をつけて剣也!そいつは例のスパイから違法GATを受け取っていた男よ!」
そこへ先ほどまで彼らを尾行していた乙女と蜜柑が姿を現し彼のGATが例のスパイから与えられた物だと教える
「・・・やっぱりこの感じ・・・違法GATだったってわけか・・・だけど・・・この感じは・・・!」
「ああ・・・どうやら普通に違法改造されたGATとは違うようだな・・・
なるほど・・・そいつを使って俺らのシマを荒らしてきたってわけか・・・!」
「その通りだ・・・!と言ってもあくまでもこいつを試す為の肩慣らし程度だったがな」
どうやら彼にとっては氷塔の周りを荒らした事ですら単なる機体を試す為でしかなかったようで
それを聞いた氷塔は怒りを露わにしながらその違法GATに近づいていく
「・・・本当ならお前如きにこの俺が興味を示したりはしなかったんだが・・・事情が変わった・・・!
お前にはやはり興味はないがお前をそんな強欲で醜い存在へと変えたそのGAT・・・
そいつだけは・・・この俺の手でぶっ潰す事にさせてもらおう・・・!」
「ケヒャヒャヒャ!確かにお前の実力は折り紙付きだし普通のGATじゃ絶対に勝てないだろうな?
だがこいつは違う!こいつはそんじょそこらのGATとは訳が違うんだよ!
俺を潰すだと?本当にそれが出来るんだったら実際にやってみるこったな!!」
氷塔は先ほどの剣也としたように自分の強烈な一撃を違法GATに叩き込んだ
それにより凄まじい衝撃が辺りを包み込むがそんな中で直撃を受けたはずの違法GATだけは無事だった
「おいおい?俺を雑魚呼ばわりした割には随分と軽い一撃じゃねぇか?」
「・・・流石は違法GATといったところだな・・・今の一撃を受けてダメージすらないとは・・・
いや・・・やはり特殊な改造を施された違法GATか・・・どこで手に入れた・・・!?」
「それを答えて欲しかったら力づくで聞き出すんだな!」
「なら俺もその戦いに混ぜてもらおうか!」
こうして話は戻り氷塔と剣也はタッグを組んで違法GATと互角の戦いを繰り広げていた
(いや・・・互角と言うにはあまりにもこっちが不利か・・・!)
(ベアルの一撃を受けてもダメージがないほどの強度・・・剣也のヤマトでは絶対に倒すのは無理だな・・・
となると・・・こいつを倒すには何か別の方法を使わないとダメというわけか・・・!)
しかし戦っている本人達はすでに自分達の方がかなり不利だという事だけは分かっていた
その理由は先ほどベアルが一撃を当てた瞬間、違法GATに全くダメージが入っていなかったからだ
おそらくこの会場の中で最も攻撃力のあるGATは氷塔のベアルで間違いないだろう
そんなベアルの一撃ですらダメージがないという事は違法GATを倒す手段が現時点ではないという事だ
それは同時にこのまま戦っても剣也達が負けるという事を暗に示してもいた
「・・・さて・・・どうしたもんか・・・因みにだけど清志郎とかはまだ動けるか?」
「う〜ん・・・僕の方は腕を動かすだけで精一杯かも・・・律矢さんはどうですか?」
「私をこんなにした君が言うかい?どう考えても戦力外だよ・・・戦闘は無理だ」
もはや大会どころではないので剣也は先ほどまで戦いを繰り広げていた清志郎の律矢を頼るが
残念ながら清志郎の方は先ほどの戦闘でまともに体が動かなくなってしまい腕を動かすだけで精一杯で
律矢に関しては戦闘不能になっておりとても今から戦えるような状態ではなかった
「って事はやはり俺達でどうにかあの怪物を抑えるしかないってわけか」
「すまないね・・・一応は警備を厳重したつもりだったんだけど・・・抑えられなかったみたいだ」
「だろうな・・・あんだけの強さを持った相手なら責めたりは出来ねぇよ・・・実際に俺もキツいしな」
確かにこの中で一番強いであろう氷塔が全くと言っていいほど歯が立たない相手なのに他が勝てるはずもない
だからこそ今回の事に関して氷塔は誰かを責めるつもりはなかったしさせるつもりもなかった
そして今現状の問題であるどうすれば違法GATを倒せるかを考えようとするが
「・・・ダメだ〜!こういう頭使うのは俺に向いてねぇ!一体どうすればあいつを倒せるんだよ!?」
「・・・本当に頭で考えるのとかダメなんだな・・・でも確かにこれは頭を抱えるな・・・!」
正直な話、氷塔でなかったとしても目の前にいる違法GATを相手にすれば誰だって頭を抱えるだろう
実際、まともに倒すだけの手段など皆無でありギミックすらも相手は寄せ付けてはいない
そんな相手をどうやって倒すかなどそんな事を考えられるだけの天才はそんな簡単にはいない
「どうですか!?何かあいつに効く弱点とかそう言ったのって分かりませんか!?」
「それを今すぐに調べているんじゃが流石にフィールドから遠すぎて解析に時間が掛かるんじゃ!」
実は先ほどから伊部牧が相手の弱点を探る為に違法GATの事を解析しているのだが時間が掛かっていた
彼が言っている通りここから会場のフィールドが離れている事もあるのだが
一番の問題はあの違法GATがこれまでに使われていない未知の技術が使われているからだった
(あくまでも違法GATとはコアのセーフティーを外しているだけなのじゃが
あれにはおそらく・・・軍で使われておる・・・!一体誰があんなものを作ったんじゃ・・・!?)
そう・・・今、フィールドで大暴れしている違法GATは軍で使われているようなパーツなどが使われていたのだ
流石の伊部牧も軍の技術などに関しては知らない事の方が多いので調べるのに時間が掛かっていた
そしてそれと同時に軍の技術が使われている時点でとんでもない何かが裏で暗躍しているという事も理解していた
(GATが作られた目的は人が入れない場所への人命救助であり今は子供達のおもちゃとして希望を与える物・・・!
それをこの違法GATを作った者達は・・・!大量殺戮兵器でも作り出すつもりなのか!?)
伊部牧はこれほどまでの技術を注ぎ込んでGATを兵器として改造しているのが許せなかった
同時に自分達がヤマトに積み込まれているコアパーツを作り出した時と同じかもしれないと思い
なんとしてでもこれは破壊しなくてはならないとその責任を強く感じている様子だった
「なんとしても弱点を調べて剣也君達を勝利に導く!それがワシに出来る罪滅ぼしの一つじゃ!」
「伊部牧さん・・・!」
そこから伊部牧は凄まじい速度で解析を進めていきその中でようやくあの違法GATの頑丈さに気がついた
「なっ!?これはエネルギーフィールド発生装置!?これを全身に纏っておるからあれだけの頑丈さがあるのか!
本来ならば危険な場所の作業で使われるものをGATに応用するとは・・・!じゃがそれならば!」
頑丈さの理由さえ分かってしまえば後はどうすればそれを停止させればいいのかだけ
そしてその方法さえも判明してしまえば自ずと停止させる方法も見えてきていた
「確かあれは人間用じゃからGATのコアエネルギーだけでは賄えぬはず・・・
となればおそらく外部からそのエネルギーを使っているはずじゃが・・・!見つけたぞ!これじゃな!」
「剣也君!其奴の弱点は背中のパーツじゃ!それを破壊すれば自重に耐えきれず自爆するはずじゃ!」
「背中のパーツ?おいおい・・・背中狙うとかめちゃくちゃ難しいじゃん・・・」
「ああ・・・だがさっきまで弱点らしい弱点なんてなかったからな・・・!
それを考えたら背中を狙えばいいと分かっただけでも勝機が見えてきた・・・!」
「ケヒャヒャヒャ!たとえ背中が弱点だって分かってもお前らに攻撃出来るかよ!?」
そう言って男はまるで自分に近づけさせないかのように武器を振り回す
あれだけ振り回されてしまっては体の大きいベアルは近づく事すら出来ないだろう
(となると・・・ここは俺が前衛に出て相手の動きを止めるしかないな・・・!)
問題はそれをいかに相手に悟られる事なく氷塔に伝えるかという事だろう
「・・・分かっている・・・お前が考えている事くらいはこの俺でもな・・・
だが・・・先ほどの攻防ですでにベアルの足が限界を迎えている・・・!
おそらく・・・そんな素早く動く事は出来ない・・・!」
しかしそんな剣也の心配はなかったようなのだが同時に氷塔から衝撃の事実を聞かされる
先ほどの激突の所為でベアルの足に負荷が掛かってしまったようで早く動く事が出来なかった
「だから・・・!トドメはお前に任せる!」
そう言って氷塔はベアルを無茶苦茶に武器を振り回す違法GATへと突っ込ませていく
もちろん今のベアルにその攻撃を受け止めるだけの力などなく
「ケヒャヒャヒャ!どうした氷塔!?やぶれかぶれの特攻か!?」
「お前にはそう見えるだろうな・・・!だがお前に敗因は俺だけを見過ぎた事だ!」
「その通りだ・・・!お前と戦っているのは俺達だ!」
完全に剣也の事を見失っていた男はヤマトが後ろへ近づいてきている事に全く気がついておらず
あらかじめ背中の弱い部分を聞いていた剣也はそこへ真っ直ぐにヤマトの腕を突き刺して外部バッテリーを破壊した
「がっ!?バカな・・・!?この俺がこんだけ強くなった俺が・・・負けるだと!?」
そして伊部牧の言う通り違法GATは自重に耐えきれずそのまま砕けるように壊れた
「あ〜あ・・・やっぱり壊れちゃったか・・・まぁあのGATの実力を見れただけでも十分だったかな?」
どうにか勝利を収める事が出来た剣也達
しかし大会は中止になってしまった・・・




