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机の出会い

いよいよ運命の出会いを果たす!

翌日になり剣也は普通に学校へとやって来てGATを選んでくれた清志郎と優にお礼を言っていた

「本当にありがとうな!次郎も凄い喜んでたからあれを選んで正解だった!」

「本当!?それはよかった〜・・・でもこれでまた剣也くんのGATは遠のいちゃったね・・・」

確かに清志郎の言う通り弟である次郎にGATを買ってしまったので彼専用の物を買うには

また長い年月を掛けてお金を貯めなくてはいけなくなってしまった

「それなら僕の持っているGATを一つプレゼントしようか?

 パパも事情のある友達にあげるって言えば納得してくれるだろうし」

すると優が父親に話して自分の持っているGATをくれる様にお願いしてみるかと提案する

正直な話、この提案は剣也にとってとても嬉しいものではあったがすぐに拒否してしまう

「悪いな・・・それは優のお父さんがわざわざ買ってくれたものなんだからもらえないよ

 それにやっぱり自分の手で手に入れた方が自分の物だって実感も湧くだろうしな」

「そうかい?そこまで言うのなら僕はもう何も言わないけど・・・困ったらちゃんと頼ってよ?」

残念そうにしながらも本人の意思を尊重する事にした優に剣也は申し訳なさそうな顔をしていると

「アンタ・・・次郎にGATを買ってあげるなんて・・・相変わらずお人好しよね〜・・・」

先ほどの話を聞いていた女子、幼馴染の天理乙女(てんり おとめ)が話に混ざってきた

「乙女か・・・別に俺の金なんだからどう使おうと俺の勝手だろ?次郎だけ無いのは可哀想だし」

「そこら辺は偉いと思うけどたまには自分の我儘も通しなさい!そうじゃないと下の子だって心配するでしょ!?」

乙女はあまりにも我儘を言う事がない剣也に対して文句を言っていた

その理由は彼があまりにも我儘を言わない所為で彼の兄弟が心配してしまうと考えていたからだった

確かに今回は誤魔化せてはいるが成長すれば二人もどれだけのお金が使われたのか気づいてしまうだろう

そうなってしまえばきっと罪悪感を覚えてしまうだろうしお互いにいい気持ちにはならないはず

そう考えたからこそ乙女は偶にでいいから自分の我儘を言わなくては駄目だと剣也に言ったのだ

「そりゃあそうなんだけどさ〜・・・それじゃあ俺から一つだけ乙女にお願いしてもいいかな?」

「・・・何よ?言っておくけどお金が掛かるようなお願いなら聞いてあげないからね?」

「そんなんじゃないって・・・雲母にもGATバトルについてを教えてあげて欲しいってだけだよ」

「・・・はぁ〜・・・本当にアンタはお人好しよね〜・・・いいわ!私が雲母ちゃんに教えてあげる!」

こうして話している内に担任の先生がやってきて授業が始まった



そして放課後になり剣也はおつかいを頼まれていたので学校に残らずそのまま学校を後にする

「えっと・・・とりあえず頼まれていたものはコレで全部かな?・・・ん?」

剣也は自分の買った物を確認していると街中にあった巨大な空中ディスプレイにGATの映像が映し出された

その映像は去年に行われた世界大会のものであり様々なGATが多種多様なバトルを繰り広げていた

ある者はまるで華麗に舞う踊り子のように戦いある者は大迫力のパワー勝負を行なっており

そしてある者は計算され尽くしたまさに将棋やチェスのような戦いをしている者もいた

しかしその中で最も注目を集めていたのは四度もチャンピオンに君臨している世界最強の男

「・・・フォンベルト・ムーン・・・」

彼の戦いはまさしく圧巻の一言であり先ほど挙げたような選手ですら彼には敵わない

それほどまでの異次元的な強さを持っており未だ彼に勝てた選手はどこにも存在しなかった

(・・・凄い・・・俺もGATを手に入れたらあんな風に戦えるのかな・・・)

「そこの少年・・・お前さんもGATに興味があるのかい?」

突如として声を掛けられて剣也は後ろを振り返るとそこには何かの屋台を引いた老人の姿があった

「俺じゃなくて弟に昨日、買ってあげたんですよ・・・それよりもお爺さんはGATに詳しいんですか?」

「そりゃあもちろん!何せワシはGATのパーツを売っているんじゃからな!お前さんも見ていくかい?」

どうやらその老人はGATのパーツを売っている人だったようで剣也は試しにお店の商品を見せてもらうと

そこには古いながらも様々なパーツが置かれておりGATをよく知らなくても心が躍るような光景だった

「へぇ〜・・・!GATのパーツってこんなにあるんだ・・・話には聞いてたけど実際に目にすると違うな・・・」

「そうじゃろそうじゃろ!?弟さんにGATを買ってあげたらしいが何を買ったのじゃ?」

「ドギーって言う最新の機体を買ってあげたんだけど・・・」

「おぉ!あれか!お前さん中々に見込みがいいのう?確かドギーは最初の武装が剣しかなかったはずじゃから

 初心者が使うのならば盾も必要じゃろうな・・・少し待ってくれるか?」

老人は屋台の下にあるパーツを入れている箱を漁り始めて剣也の前に様々な盾のパーツを用意する

「スゲェ・・・盾のパーツだけでもこんなにあるのか・・・」

「それだけじゃないぞ?持ってみたら分かるがそれぞれ重さがかなり違うんじゃ

 ドギーの機動性を活かすのならば軽い盾の方がいいじゃろうな」

剣也は言われた通りに持ってみると確かに重さが違い本当にここまで違うのだと驚いていた

しかし同時にこれほどの物ならばそれなりの値段がするのではないかと思っていた時だった

「因みにお代は全て五百円じゃから安心して買うのをオススメするぞ!」

「そんなに安いの!?それってあんまり儲けにならないんじゃ・・・」

「いやこれはだいぶ前のパーツじゃからな。それこそ値段的には妥当なところじゃよ

 コアユニットと呼ばれる大切な部分は最新式がオススメされておるのは知っておるじゃろ?

 しかしそれ以外のパーツは意外と古いのでも使えるのが多くてな

 じゃから安くて古いパーツを使う者もかなり多いんじゃよ」

「へぇ〜・・・それじゃあ・・・この盾を貰おうかな」

「毎度!ここで会ったのも何かの縁じゃろうおまけにもう一つ・・・これもやるわい!」

そう言って老人がくれたのは最新のGATについて書かれているカタログのようなものだった

「お前さんは自分のGATを持ってはおらんのじゃろう?

 それを見て今度はお主が自分で欲しいと思ったGATを買ってもう一度、来ておくれ」

「・・・ありがとう・・・!その時になったらまた来させてもらうよ」

「うむ!気長に待っておるぞ!」

剣也はそのカタログを大切に持ち帰り盾のパーツをプレゼントされた次郎はとても嬉しそうにしていた



(自分だけのGATか・・・確かにそんなのがあったら良いんだろうけど・・・そんなの・・・)



そしてその夜・・・とある研究所では過去に作られていた忌まわしい物を再び作り出そうとしていた

「・・・本当にこれを作るんですか?いくら上の命令だからと言っても・・・」

「確かに危険なのは間違いない・・・だが売ってくれと頼んできた相手は作るだけで

 実験はしなくていいと言っているんだ。それも高額・・・乗らない手はないだろ?

 それに作るのを正式に禁止されているわけでもないんだ。分かったら手を動かせ」

先輩研究員は怯えている様子の後輩研究員に喋っている暇があるのならば手を動かすように告げる

それほどまでに彼らはこれを作り出す事に尽力しておりこれが完成すれば研究所の資金も得られると考えていたのだ

「・・・それにしても凄いですね・・・これを五年前に作り出した研究者のお二人は・・・」

「ああ・・・俺達があの二人の研究データを復旧させてこれを再現させるのにおよそ三年・・・

 しかも結局は二人が作り出した物よりもいくらか性能が劣っているきたもんだ・・・

 事故だったとはいえ惜しい人達がこの科学界から姿を消してしまったもんだよ・・・」

どうやら二人がこれほど賞賛するほどに作り出そうとしている物は高度な物のようで

しかもそれをたった二人で作り出したというのだからもはや天才と言っても過言ではないだろう

そんな事を話しているとどうやらようやく完成したようで二人は開発室に向かう

「・・・これが例の現象を引き起こすコアユニットですか・・・」

「ああ・・・と言ってもこれはそれの劣化版だからな・・・必ずあの現象を引き起こせるわけじゃない

 おそらくパーツを取り付けて動かしたとしても・・・奇跡的な確率でしか発生しないだろうな」

「それじゃあパーツは取り付けてあげないんですか?」

「向こうはこのコアユニットだけで良いと言っているからな。体の方は作らん」

二人がその手に持っていたのはかつて研究者だった天才の二人が作り出し

そしてその片方が事故によって植物状態になってしまった問題のコアユニットだった

どうしてそんな物を作って欲しいと願い出てきたのか理解は出来なかったが

それでも研究資金には変えられないと彼らはとにかく完成した事を上司に連絡しに向かった

「・・・分かりました。どうやら先方は明日になったらコレを取りにくるそうだ

 俺達もここ最近はずっと働きっぱなしだったし家に帰ってゆっくり休むとしようぜ?」

「そうですね・・・でもこんな不用心に置いていって本当にいいんですか?盗まれる可能性があるんじゃ・・・」

「それもそうだな・・・それじゃあ金庫に入れておいて明日になったら開けるとしますか」

二人は出来上がったそのコアユニットを金庫の中に入れてそのまま家へと帰る事にした

そしてその夜中、突如としてGATのパーツを作り出す製造機が作動し何かを作り始めていた

そう・・・まるで自分の体を作り出しどこかへ行こうとするかのように・・・



「ふぁ〜・・・もう朝か・・・」

剣也はベッドから起き上がって眠い目を擦りながら自分の部屋を出ようとした時だった

「・・・ん?」

おかしな違和感がある事に気がついて周りをよく見てみると何故か自分の机の上には



「・・・なんだ?このGAT・・・?」



見た事もない白と赤の織り混ざった色をしたGATが置かれていた

突如として自分の机の上に置かれていた謎のGAT

果たしてこのGATの正体とは!?

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