タッグ戦
バトルは後半から
そして時間が経ちいよいよ爆裂武闘大会が始まろうとしていた
『やってまいりました!我らが祭典!爆裂武闘大会!』
司会の声と共に会場に来ていた人達も大声を上げておりまさに巨大な大会のような盛り上がりだった
『今回のルールはタッグマッチ!パートナーと協力する二対二のバトルとなっている!
簡単なルールではあるがその分、過激なバトルが予想されるぜ!?
まぁお前らにとってはそっちの方が大好物だろうがな!それじゃあ選手の紹介だ!
まずは!我らがリーダーとその参謀!氷塔・律矢ペアだぁぁあぁあ!!』
司会の案内で中央のステージから姿を現したのは
赤いバンダナを巻いたまさしく番長と言わんばかりの格好の大男と律矢だった
「あれがこのグループを纏めている氷塔という男か・・・凄い迫力じゃのう」
「ええ・・・まるで熊ね。もちろんその実力を含めてだけど」
その圧倒的な迫力に伊部牧と乙女は実力も含めてまるで熊のような男だと思っていた
しかし逆を言えばそれほどまでの実力があるからこそこのグループを纏めていられるのだろう
『もちろんこの二人は優勝候補筆頭でありそれは揺るがないと思っているぜ?
果たしてこの二人に勝てるような挑戦者が今回こそは出てくるだろうか!?
それじゃあ次々と今回の出場選手を紹介していくぜ!!』
こうして司会による選手の紹介と入場が行われていきいよいよ次は剣也達の番になった
『最後に!飛び入りゲストとしてなんと!
あの律矢さんを倒し今大会の出場権を入手したダークホース!剣也・清志郎ペアぁぁぁああ!!』
二人が会場に上がるとブーイングこそ起きなかったが律矢を倒したという司会の言葉を聞いてざわついていた
それほどまでに彼らは律矢の実力が高い事を理解しておりそれに勝った剣也達を警戒していたのだ
「お前が律矢の話していた剣也って小僧か!なるほどな・・・いい面構えをしてるじゃねぇか・・・!」
「俺の方こそ今日は氷塔さんに会えて光栄ですよ・・・!胸をお借りするつもりで戦わせてもらいます!」
「いいぜ!俺は燃え上がるようなバトルを楽しみにしている!
お前がそれほどまでの相手なのか戦って確かめさせてもらうぜ?」
「満足させられるかどうかは分かりませんけど・・・負けるつもりは最初からありません・・・!」
(ほう?俺を見ても揺るがないどころか宣戦布告するかよ・・・本当に今年は面白くなりそうだな・・・!)
『全選手の入場が済んだところでいよいよ!爆裂武闘大会の第一回戦を行うぜ!!
対戦を決めるのはこのルーレット!これに選ばれた二組が戦うんだ!それじゃあ・・・ルーレットスタート!』
ボタンが押されるとルーレットが凄まじい勢いで回転し先ほど紹介された選手の顔が変わっていく
そしてルーレットが止まると画面に映っていたのは剣也と清志郎の顔だった
『決まったぜ!第一回戦は剣也・清志郎ペアとモンキーブラザーズだ!!』
どうやら第一回戦から戦う事になってしまったようで剣也達はそのまま特設ステージに残る事になった
相手は本当の兄弟のようでコンビネーションに関しては間違いなく高いと言ってもいいだろう
だからこそ今回はお互いの役目をきっちりこなすように二人はちゃんとした打ち合わせをしていた
「モンキーブラザーズか・・・兄弟で息のあったコンビネーションに定評があったね?」
「ああ・・・俺の子分達の中でもタッグ戦なら間違いなく一、二を争う実力者だろうな
だが・・・逆を言えばあいつらぐらい簡単に勝てないようじゃ俺と戦う資格はねぇよ」
「随分と手厳しい意見だけど・・・確かにその通りだろうね。それくらいじゃないよ私達との戦いに勝ち目はない」
「そういえば例のふざけた野郎・・・やっぱりこの会場に紛れ込んでいるのか?」
氷塔は例の違法GATを手に入れた男に関して前の予想通り大会に紛れ込んでいるのか律矢に確認する
すると律矢はゆっくりと頷きながらその人物の動向に関してを報告する
「どうやら大会そのものには参加していないようだけど・・・ここに来ているのは間違いない
おそらくは・・・大会の途中で乗り込んでくるつもりなんだろうね」
「へっ!真正面から喧嘩を売れないような相手に俺は負けねぇよ・・・!
たとえそいつの持っているGATが違法に改造されているものだったとしてもな・・・!」
自分の開催する大会でそんな勝手な真似は許さないと言わんばかりに氷塔は怒っていた
律矢はどうしてそこまで彼が怒っているのかを十分に理解している様子だった
(口ではあんな風に言っているけど・・・やはり氷塔も彼と戦う事を楽しみにしているようだね・・・
となってくると出来る事ならば彼らが戦う前に・・・どうにかしないといけないか・・・)
律矢はどうにかして例の男を探し出さなくてはいけないと考えていると
「・・・おい・・・先に言っておくが別に俺はそんな小物をそこまで気にしちゃいねぇ・・・
だからテメェも考えるのは目先の戦いだけにしろ・・・いいな?」
「・・・やれやれ・・・流石に私の考えは読まれているね・・・分かったよ」
そしていよいよ剣也達の第一回戦が始まろうとしていた
「お前らが俺らの相手か!?俺達、モンキーブラザーズのコンビネーションは軍団一!
果たしてお前らみたいなガキに俺達、兄弟を倒せるかぁ!?」
「・・・何というか・・・兄がすんごく勝手に盛り上がってしまって申し訳ありません・・・」
「いや・・・むしろこんな感じが普通だと思ってたんで大丈夫です・・・」
兄は見た目通りと言うべきなのかなんともヤンチャで悪なイメージが強いのだが
弟の方はその見た目に反してかなり弱腰な性格をしており兄の行いを申し訳ないと謝っていた
正直な話、剣也達にとってはそちらの方が珍しいと思ったようでどう対応すればいいのか分からなかった
しかしそんな気持ちとは裏腹に司会が勝手に進行してしまって試合が始まってしまった
『さぁやって参りました!第一回戦!フィールドは森林フィールドでしかも雨の設定での戦闘!
これは泥に動きを取られる上に木々で相手を探すのに苦労する厄介なステージだ!』
司会の言う通りこのステージは剣也も体験した事のないフィールドでヤマトには天敵とも言える場所だった
「クッソ・・・!近接しかないヤマトにとっては最悪なステージだな」
「そうだね・・・でも逆に僕のホークスはこう言ったステージでも関係ないから剣也君の援護が出来るよ!」
清志郎のホークスは基本的に空中戦を得意としているGATでありその特徴は滑空能力
木々の上から相手を自由に捕捉出来るし更には武器も狙撃銃なので一方的に攻撃する事も可能
まさにこう言った足場で苦戦を強いられるステージでは大いに役立つ機体なのだ
そんな説明をしているとどうやら相手が剣也達を捕捉したようで凄まじい勢いでこちらに向かってきていた
(僕のホークスよりも簡単にこっちを捕捉した?と言うことは向こうの機体は密林ステージに強いGAT
色々と種類は限られてくるけど・・・おそらくは・・・猿型のGAT!ハヌマーン!)
清志郎の予想通り姿を現したのは赤と緑の猿型のGATであり木の上からヤマトに攻撃を繰り出した
「あっぶね!?でも攻撃を躱したら逆にこっちのもんだ!」
間一髪でその攻撃を躱した剣也はすぐさまカウンターを当てようとするが見事に空振りしてしまう
その理由はなんと攻撃を仕掛けてきた赤のハヌマーンの体に蔓が絡まっており
緑の方がそれを引っ張って攻撃を避けさせたのだ
「兄さん・・・お願いだから一人で突っ込まないでよ。僕のフォローも万能じゃないんだから」
「かっかっかっ!むしろお前を信じているからこそ俺はこうして前に出られるんだよ!」
「なるほど・・・兄弟だからこそ通じ合っている見事な連携だな・・・!」
「うん・・・!でも僕達も負けないくらいの連携が出来るってところを見せるよ!」
「おう!」
しかし剣也達も気迫では全く負けておらずこちらもコンビネーションで対抗すると言い切っていた
「面白ぇ・・・!俺達兄弟のコンビネーションに対抗できるもんならやってみろ!」
「ちょっ!?だから勝手に突っ込んでいかないでって!」
弟の意見を聞かないままに兄の方はヤマトに突っ込んでいってしまい弟はそれのフォローに回ろうとするが
その瞬間、上空で待ち構えていたホークスが弟のハヌマーンを撃ち抜いた
「なっ!?しまった!!」
「よそ見していていいのか?正面には俺もいるんだぜ!!」
「ぐぉぉおおお!?」
弟が先にやられてしまい兄の方は一瞬だけ隙を生んでしまった
もちろんその隙を逃すような剣也ではなくその隙を狙って近づき見事に兄のハヌマーンを上空に放り投げる
そして空中で身動きが取れなくなったところをホークスが狙撃し勝敗が決した
『勝負あり!なんとあのコンビネーションの匠とまで言われたモンキーブラザーズを倒し
一回戦を突破したのはやはり今大会のダークホース!剣也・清志郎ペアだぁぁあああ!!』
まさか彼らが勝ち進むとはこの場にいるほとんどの者が思っていなかったようで
歓声が上がると言うよりはどちらかというと驚きの声が多かったように感じる
「流石ね・・・打ち合わせ通りにヤマトを囮にして清志郎が相手の機体を破壊し
その隙を狙って剣也が残った一機の動きを封じ込めて再び破壊させる」
「うむ・・・どうやら作戦通りにうまくいったようじゃの。しかし・・・今回の大会で思い知らせれてしまうのう」
「・・・それはヤマトに武器がない・・・と言う事?」
「そうじゃ・・・これからの戦いにおいてはヤマトに武器がない事は致命傷になってくるじゃろう
それを考えれば早めに専用の武器を製作した方が良いじゃろうな」
伊部牧は今後の戦いを考えてヤマトの整備もしなくてはいけないと考えるようになっていた
それが戦いに彼らを巻き込んでしまった自分に出来る最大にしてたった一つの役目だと
「・・・さて!ワシらも仕事を始めるぞ!急いでこの会場のどこかにいるスパイを探し出すのじゃ!」
無事に一回戦を突破した剣也達
果たして次の相手は一体誰なのか!?




