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今回で剣也VS繋馬、決着!

体調が悪いので次回は再来月になるかもしれません

試合の様子を端末で見ていた清志郎達はその内容に驚きを隠せないと同時に剣也の状況を冷静に分析していた

(おそらく剣也君はさっきの一撃で繋馬さんを仕留めたかったはず・・・それが出来なかったのは本人も痛手のはず

 ・・・となると次に攻撃するチャンスを逃してしまえば繋馬さんを倒すのは完全に不可能・・・

 まさに次の一瞬が勝負を分ける事になるけど・・・ここから剣也君が逆転するような手があるのか?)

「・・・難しい局面だな・・・あの繋馬の早撃ちは間違いなく剣也でも避けられない・・・近づかれればよりな・・・

 かと言って近づかなくては攻撃を当てる事は出来ない・・・となると残された手段はたった一つだけ・・・

 攻撃を当てられる前に相手の懐へと入り込み攻撃が放たれる前に渾身の一撃を叩き込む事・・・だが・・・」

氷塔の言う通りもはやそれ以外に剣也が勝つ術はないのだが実際に言うのとやってみるのとでは難しさが段違い

しかも繋馬が相手ではそれはもはや不可能に近い確率になっているのは間違いないと言っても過言ではないだろう

それでも剣也が勝つ為の手段としてはそれ以外に方法はないとその場の全員が思っており後はその策をどうするのか

正直な話をするのならば清志郎達はここからジャングルに隠れている繋馬の懐まで入り込むような策は思いつていない

だからこそ剣也もそんなに都合のいい作戦が思いつくのかと不安視しており彼の行動を見てもまだなのは明らかであり

清志郎達は思いつくまでに繋馬に捕捉されてしまわないかと心配しているがこのジャングルでその確率は低いだろう

実際、たまに繋馬の視点も映し出されているが彼らが接触する様子はなく清志郎達も問題はないと考えていた

しかしあくまでもそれは現時点での話でありいつまでもこの状況が続くとは限らないしそんな保証はどこにもない

「・・・ここからは向こうが見つけるのが先か、剣也が策を思いつくのが先かの勝負になるわね・・・

 と言っても剣也はこう言うのを考えるのがあんまり得意じゃないし下手をすれば見つかるのが先かもね・・・」

(でもなんでかしら・・・意外とアイツだったらその場になった瞬間、何かを思いつくんじゃないかって考えてる

 そうよね・・・アイツはこんなピンチを切り抜けてきたんだもん・・・!今回だって必ずなんとかするはずよ!)

これまで剣也の戦いを見てきた乙女はどんなにピンチな状況だったとしても必ずどうにかすると剣也を信じていた

それは控え室で同じく剣也の試合を見ていた蜜柑も同じでありこんな状況にも関わらず彼の事をずっと期待していた

いや・・・期待というよりもどうやってこの状況を覆してくれるのかとワクワクしているのが正しい表現だった

しかし蜜柑はこんなにもワクワクした事は祖父から月兎を貰った時以来でありどんな感情なのか理解していなかった

それでも今は自分の分からない感情を考えるよりも剣也達の試合をその目に焼き付ける事を優先する事に決めた

(彼は・・・剣也君は必ずこの状況を打破するはず・・・たとえそれがどんな状況であったとしても・・・

 でも相手も全国に幾度となく出場している強者・・・次の一瞬で誰しもが勝負が決まると確信している・・・)



誰しもが待ち望んでいる二人の戦いに決着が着く瞬間、いよいよその時が迫ろうとしている事を彼らは知らない



フィールドの方ではようやく安全な場所へと辿り着く事が出来た剣也がこれからの事についてを考えていた

繋馬に遭遇しなかったのは上々ではあったが未だに予断を許さないのも確かでありいつ彼が現れるのか

それを考えたらこの場で何もせずに留まっているのはどう考えても愚策であり何かしらの対策をしなくてはいけない

そこで剣也が思いついたのは木々を敢えて斬り倒して繋馬が来れるルートを限定するという作戦を取るのだが

おそらくはこれくらいで動じるような相手ではなく何よりもルートを限定したとしてもあの早撃ちを攻略できない

剣也の攻撃が当たるよりも前に向こうの弾が当たるのが速いのは分かっておりその対策も考えなくはいけない

しかし武器で防ぐとしても守れるのは上半身までであり足元に関しては疎かになってしまうのは剣也も分かっていた

(いっその事、足元を狙えないくらいまで接近してみるか?・・・いやあの人相手にそれはあんまり意味がないか

 何せあの早撃ちで正確な射撃が出来るんだからな・・・それを考えたら近づくだけじゃ足りないはず・・・

 何か裏をかけるような何かがないと・・・まぁ・・・そんなのがあったら苦労はしないんだけどね・・・)

確かにそんなものが簡単に思いついてしまうのならば剣也がここまで苦戦を強いられるわけなどなかった

それほどまでに繋馬という男が強いという事でありだからこそ剣也はそんな相手に勝って自信を付けたかった

(やっぱり距離の問題が最大の敵だよな・・・出来る事なら攻撃が当たる距離まで近づいてきて欲しいけど

 おそらく繋馬さんはそんなヘマはしないはず・・・となれば残された選択肢は自分が近づくしかないけど・・・

 正直、そんな事をしている間に蜂の巣にされるのが目に見えてる・・・やっぱりもう詰んでるのかな?)

ここまで弱気になっている剣也はとても珍しく決着の様子を見ていた清志郎達も心配している様子だった

そんな不安そうな顔をしているとレーダーが一瞬だけ繋馬を捉えたようで剣也は警戒していると発砲音が聞こえる

すぐに剣也はレーダーの反応があった場所の射線上から退避して弾丸が当たらないようにしたがそれが罠だと気づく

繋馬ほどの男がこんなミスをするとは思っていなかった剣也は誘導されてしまったのだと気づくが時すで遅く

いつの間にか繋馬は確実に剣也を狙い撃てる距離まで近づいてきており剣也はここまで誘導されてしまったのだ

もはや誰もが絶体絶命だと思っていたがそんな中で追い詰められているはずの剣也だけは違う事を考えていた

それは自分が誘導されたという事でありそれを行なったはずの繋馬がどんな方法を使ったのかという事だった

(そうか・・・!俺は攻撃を当てる事に躍起になってたけど別に当てる事だけが攻撃の目的じゃない・・・!

 時にはフェイントとして使う事で相手を油断させる事だって出来る・・・当たり前の事を忘れてたぜ・・・!)

剣也は先ほどまでの弱気な考えが嘘かのように頭が冴え渡っており今の状況を冷静に分析し何が出来るかと考える

そして出した答えは今から攻撃されては回避するのは不可能だと判断し攻撃する前に攻撃するという作戦だった



(っ!?こいつ・・・自分の持っていた武器をそのままこっちに放り投げてきやがった・・・!)



流石の繋馬もこの攻撃を今から回避するのは不可能だと判断し剣也を狙うのは諦めて武器を撃ち落とす事にした

飛んできた武器を全ての弾丸を使って弾き飛ばした繋馬は即座にリロードし再び銃を構えるが既に剣也の姿はなく

レーダーでその動きを追った時にはすでに遅くいつの間にか自分の懐に入り込まれており渾身の一撃を喰らう

どうにか直撃だけは避ける事が出来た繋馬ではあったが両腕が使えなくなってしまいもう武器は使えない

既に戦う力を失ってしまいもはや自分の負けを悟った繋馬は大人しくサレンダーを宣言するのだった

そんな二人の戦いを別室から見ていた鬼嶋はあの一瞬で何が起こったのかを見極められていたようだ

(・・・あの一瞬・・・攻撃を回避出来ないと判断した小僧は武器を飛ばす事で繋馬よりも早く攻撃した・・・

 もちろんそんな攻撃が当たったところでどうって事はないが射線が消える繋馬にとっては邪魔にもなるし

 その前のダメージもある・・・だからこそ全ての弾丸を使ってまでもあの攻撃を弾く事を優先してしまった

 小僧は武器を投げ飛ばしたのと同時に走り出し武器に狙いが絞られたのを確信した瞬間、武器を振るった

 これに関しては紛れもなく機転を使って繋馬の注意力を逸らした・・・小僧の勝利だ・・・)

あれほどの激闘の中であんな手が思いつく者がどれほどいるだろうか、おそらく世界クラスでも思いつかないだろう

それほどまでに賭けに出た勝負であると同時にあの土壇場であんな勝負が出来る剣也を素直に評価する

おそらく自分でもあんな勝負はしないだろうし何よりもあの状況ならば勝負を諦めていてもおかしくはない

しかし彼はそんな状況でも決して諦めずにどうすれば勝つ事が出来るのかを考え結果、見事に勝利を収めた

鬼嶋はおそらく信侍以来の高揚感を初めて持ったようで早く剣也と戦ってみたいと思い笑みを浮かべていた

一方、ステージの方ではようやく剣也が勝ったという事実を観客達が飲み込めたようで大きな歓声が上がる

そんな中で剣也だけは未だに状況を飲み込めていないようで自分が勝ったのどうかすらも理解していないようだ

すると向こう側にいる繋馬から拍手の音が聞こえてきてようやく剣也は正気に戻り自分が勝ったのだと理解した

「・・・負けたよ・・・まさかあの場面で防御や回避を選ぶんじゃなく攻撃してくるとはね・・・驚いたよ・・・

 でもその結果・・・俺は君の攻撃を警戒して攻撃を弾き事に専念してしまい君を見失ってしまった・・・

 俺もまだまだ修行が足りなかったみたいだな・・・またら改めて出直させてもらうよ・・・見事な勝利だった」

繋馬は自分の負けをちゃんと受け止めているようで清々しいまでに剣也の勝利を賞賛している様子だった

しかし剣也はそんな中にも繋馬の瞳からは今度こそは負けないという意志が伝わってきたようでそれをみて実感した

本当に自分はこの人に勝利したのだという実感が・・・そしてようやく彼は勝った喜びをそこで噛み締める

こうして本戦の第二試合は幕を閉じ繋馬を下した剣也は準決勝へと駒を進める事が出来たのだった



「・・・剣也君が勝ちましたか・・・これでいよいよ県大会のリベンジが出来そうですね・・・!」

繋馬を下して準決勝へと駒を進めた剣也

次に戦うのは県大会の決勝で戦った巴

果たしてどんな戦いが繰り広げられるのか!?

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