蠢く影の存在
今回は伏線回になりそうです
あれから剣也達は次郎達の特訓に付き合いながら一日を終えて翌日、学校で例の大会についてを話していた
「本当に参加するの?その人達が正々堂々と戦う人達だって言うのは理解出来たけど・・・」
「確かに・・・そこまで危険なら無理して参加する必要はないと僕も思うけど・・・」
「でも清志郎が言っていたように実力的に強い相手と戦うのはいい事だろ?」
しかし得られる経験も大きい事には変わりなく剣也と清志郎の二人は出来るだけ参加したいと思っていた
そしてこの大会に参加する理由には経験とは別のもう一つの理由もあった
「それに・・・彼らに今回の事件に関して協力してもらった方がいいかなって考えていてさ」
「なるほどね・・・ここら辺を仕切っている彼らなら色んな情報を仕入れられるってわけね」
「そう言う事!だからこそこの大会には是が非でも参加しなくちゃいけないんだ」
どうやら清志郎は律矢達にこれからの情報を集めてもらおうと思っているようで
だからこそ今回の大会に参加しその力を見せつける必要があるのだと考えているようだった
「・・・でも問題もある・・・彼らの中に肝心の敵が居るかもしれない・・・
そうじゃなくてもその大会を見学しにきた中にスパイがいる可能性もある・・・」
するとそこへ蜜柑が姿を現してもしかしたらその中に肝心の敵が居る可能性があると告げる
確かに律矢達がどれだけ信用出来ると言ってもそれ以外の人間はそう簡単には信じられない
それこそ彼らのグループに属していない見物客に関しては尚更、危険だと言ってもいいだろう
「・・・いや・・・むしろあいつらのスパイがいるのなら好都合かもしれないな・・・!」
しかし剣也はむしろ彼らのスパイが居てくれた方が都合がいいと考えている様子だった
元々、地元大会に出る理由に関しても彼らにヤマトの存在をアピールする為の行動であり
もしもスパイが居たとしてもその結果が少しだけ早く効果を発揮するだけ
「はぁ・・・むしろそんな風に考えられるアンタが一番凄いような気がしてきたわ・・・」
「流石は兜君!その毒を食らわば皿までの精神は見事だ!そう言う事ならば僕も協力しよう!」
「いいのか?優に協力してもらうのはありがたいけど迷惑になるんじゃ・・・」
「その心配はいらないよ!それに実は既にジィに頼んでヤマトの調査を進めていたからね!」
どうやら既に優はヤマトの事に関して調査を進めてくれていたようでその資料が家にあるそうだ
「それなら伊部牧さんも呼んだ方がいいかもしれないな・・・それじゃあ放課後に優の家に集まろう!」
そして放課後になり剣也達は伊部牧を呼んで彼と一緒に優の家にやって来ていた
「おぉ〜・・・こりゃあ凄い豪邸じゃのう・・・見上げる首が痛くなってしまいそうじゃ」
「まぁ・・・最初はそんな反応になりますよね〜・・・そういえば大樹署長には連絡したんですか?」
「ん?まぁのう。じゃが流石にワシと二人で行動していれば否が応でも怪しまれるというものじゃ
今回の報告に関しては別の方法でやり取りする事になっておるから安心せい」
どうやら伊部牧も後で大樹署長に連絡するみたいで剣也達の心配は無用のようだった
それを聞いて少しだけ安心しながらとりあえず優の家に上がって彼の執事が集めた情報を確認する事にした
応接室に案内された剣也達はそこで執事さんが纏めてくれた資料に眼を通す
「・・・なるほどのう・・・随分と詳しく調べてくれたみたいでこれは大助かりじゃ」
「えっと・・・伊部牧さんや大樹署長とかが知りたいと思っていた情報ってありますかね?」
「残念じゃが確信に近いものはあまりなさそうじゃがそれでも候補はいくつも書かれておる
これを絞り込んでいけば時間は掛かるが確実に主犯の元へと辿り着く事が出来る事じゃろう」
伊部牧の話では流石に犯人が分かるような情報は一つとしてなかったがそれでも有用な情報は多くあった
これを大樹署長と一緒に調べれば犯人の尻尾くらいは捕まえる可能性もあると考えているようだ
「私の調べた事がお役に立ったようで何よりでございます・・・それと御坊ちゃま、旦那様より言伝が」
「どうしたんだい?パパが電話じゃなくてジィを通して連絡するなんて随分と珍しいね」
「それほどまでに重要な事だからでございます・・・おそらく犯人は相当な組織力を持っている者達
そしてその監視の目は自分の会社にまで及んでいる可能性があるとの事でした」
『!?』
執事の話を聞いて剣也達は改めてヤマトを作り出した組織の大きさがどれほどのものなのか恐怖していた
警察が動けない時点でそこまでの人達が相手なのだとは考えてはいたのだが
まさか友達の会社にまで潜伏しているとは思っていなかった
しかし優とその執事さんはそこまで心配している様子は微塵もなかった
「おそらくパパはだいぶ前からそのスパイの存在に気がついていたんだろうね
だからこそ僕達にこんな事を伝えたんだと思うし・・・それなら心配する必要はないよ」
「優がそう言うのなら問題はないと思うけど・・・そういえば律矢達の情報は?」
「それならばこちらにあるのは彼らに関する資料にございます」
「・・・なるほどね・・・大会の名前は爆裂武闘大会・・・男の子が考えそうな名前だわ・・・」
「そうか?確かに安易な名前ではあるけど仰々しい名前よりはマシだと思うけど・・・
それにしてもリーダーの名前は氷塔・・・こいつは確かに凄い実力の持ち主らしいな・・・」
「うん・・・まさか噂だと思われていた百人斬りを本当に成し遂げていたなんて・・・
どうやら律矢さんの話は間違いってわけではなかったみたいだね・・・」
「ですが硬派なグループなのに変わりはなく不正などに関しては心配なさる必要はないかと存じます
心配するべきはやはりその試合を観戦しに来るであろうスパイの存在かと・・・」
どうやら執事の人も蜜柑と同じく気をつけるのならば観戦するスパイの方だと考えているようだ
「でも気をつけるなんてどうすればいいんですか?判別なんて俺らじゃ出来ないだろうし・・・」
「それならばワシらが隠れてそのスパイを探す事にしよう・・・それなら安心じゃろ?
とにかくお前さんらは何の心配もしないでその大会に参加するとええわい」
「そうですか?それならお言葉に甘えて参加させてもらおうか?彼らに協力もお願いしたいし」
「そうだな・・・伊部牧さん!お言葉に甘えさせていただきます!」
こうして剣也達は大会に参加する事を決意し優の家でもう特訓する事になった
一方その頃、律矢は大会に向けて準備を始めており子分達に指示を出してステージを作っていた
「首尾は上々みたいだな?そういえば例の男に関してはどんな感じだったんだ?」
「中々に強かったよ・・・初心者らしいけどそれを感じさせないほどに強かった・・・
もしかしたら本当に君の相手をするに相応しい挑戦者になるかもしれないよ?」
「面白い・・・!俺はそんな心が震えるような戦いを待ち望んでいたんだ・・・!」
どうやら氷塔は律矢から話を聞いてようやく自分が望んでいた戦いを出来ると喜んでいるようだった
実はこの大会も本来は彼の求める最強の挑戦者を探す為の大会であり
今まで氷塔が望んでいる戦いをしてくれる挑戦者は誰一人として現れなかった
しかし剣也という存在が現れて彼はようやく自分の目的を果たす事ができるかもしれないとワクワクしていた
その様子を見て律矢はまるで我が子を見るかのような満足げな笑みを浮かべており
今回の大会は必ず成功させなければならないと考えていた
「・・・そういえばここら辺で随分とウチの舎弟をイジメている野郎がいるって聞いたな・・・
律矢・・・そいつに関しては何か情報を得る事は出来たのか?」
そんな中で彼らが唯一、危険視していたのは最近になって自分達のテリトリーを荒らしている謎の人物だった
もちろんそんな事を許すような彼らではなかったが何故か動向を調べる事は全く出来ず
氷塔はその謎の人物に対して律矢に何者なのかを調べるように頼んでいたのだ
「それなんだけど・・・実は調べた結果、相手はそこまで大した事ない人物だったんだ
前に大会に出場し一回戦で君と当たって何も出来ずコテンパンに負けたようなね・・・
それにも関わらずウチの部下を倒す事が出来るようになったっていうのを聞くと・・・」
「例の違法GATって奴か・・・!その野郎にそれを売りつけた黒幕は誰なのか分かってるのか?」
違法GATを入手出来たという事は間違いなくそれを売りつけた何者かがいるという事だった
氷塔はその人物に対しても調べたのかを確認すると律矢は厳しい表情を浮かべていた
「残念だけどそっちに関しては何も分かってはいないんだ・・・誰がどうして彼に違法GATを渡したのか
何の目的があって私達のシマを荒らしているのか・・・でもこれだけは間違いなく言える事はある・・・」
「おそらくその彼は今回の大会に乗り込んでくる・・・!」
「なら俺達がやる事はたった一つ・・・!
そいつが乗り込んで来たら今度こそ馬鹿な真似が出来ないように心をへし折るだけだな!」
「そうだね・・・今回ばかりは私も頭にきてるからね・・・!その彼は利用されているだけだろうけど
それでも私達に喧嘩を売った事には変わりない・・・!身の程を教えてやろう・・・!」
二人はそれだけの怒りを露わにしてこれから来るであろう敵への対策も考えるのだった
そして別の場所、とある路地裏では先ほどまで話題に上がっていた人物が再び氷塔達の仲間を倒していた
「やっぱりコイツはスゲェな・・・!これさえあれば必ず氷塔に対してもリベンジが出来るぜ・・・!」
「きひひひ!喜んでくれているようで何よりだよお兄さん!」
「お前は!?コイツをくれたお前は只者じゃねぇんだろうけど・・・もうコイツは俺のものだ!返さないぜ!!」
「別にそんなのはどうでもいいよ・・・それよりも!お兄さんって例の大会に参加するんだよね?
実は俺もそれを見学したくてさ・・・前みたいに案内してもらってもいいかな?」
様々な事態が予想される爆裂武闘大会
果たして剣也達は無事に優勝する事が出来るのか!?




