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チーム戦

チーム戦と書いていますがそこまでの戦いはありません

三夏が参加する事になったのだがそれを聞いて向こうの男三人は完全に侮って笑っていた

「そんな女二人が俺達の相手をするだと?どうやら相当な目立ちたがりみたいだな!」

「残念だけど彼女の実力は本物だし・・・貴方よりも目立ってはいないわ」

確かに蜜柑の言う通り現状で一番目立ってしまっているのは間違いなく目の前にいる男達だろう

それを考えれば先ほどの発言はまさに自分達に返ってくるブーメランとなるのだった

しかしそれを聞いて逆に自分達が侮辱されたのだと相手方はちゃんと理解出来たようだ

「いいだろう・・・!そこまで言うのなら相手をしてやる・・・!チーム戦だ!」

剣也達は早速、GATをフィールドにセットして戦う準備をするとどうやら向こうはすでに準備を終えていた

「へっ!女二人に始めたばっかりに青くせぇガキが一人!そんなんで俺らに勝てるわけねぇよ!」

「兄貴の言う通りだぜ!さっさと諦めた方が恥をかかなくて済むぜ!?」

「悪いけどさっきから恥の上塗りをしているのは貴方達の方・・・

 これで更に敗北までするのだから・・・もはや滑稽を通り越して哀れ・・・」

「んだと!?上等だ!その俺達に向かって吐いた唾を後悔させてやるよ!」

なんとも見事なまでに蜜柑の挑発に乗っている男達を見て剣也は流石に苦笑いしていた

ここまでの相手が本当に強いのかとも思ったが油断だけはしないようにしていると

「そんな口ばっかりの喧嘩をしてないで早くやりましょうよ!待ちくたびれました!」

「・・・三夏ちゃん・・・君も大概、酷い事を言ってるって自覚はあるのかい?」

「?よくはわかりませんが空気を読めないと友達に言われた事ならあります!」

それを聞いて剣也は何を言っても無駄だと判断したのか三夏の言う通りすぐにバトルを始める事にした

「ルールはシンプルにオールブレイク制だ。どちらかのチームが全滅するまでバトルを続ける

 そして負けた方は勝った方の言う事を聞く!異論はねぇだろうな!?」

「もちろん・・・でも私達の方は既に聞かせる言葉は決まっている・・・!」

「この店から出て行けって言うんだろ?それは俺らに勝ったら聞いてやるよ・・・!」

まさに一触即発といった感じの中でいよいよ剣也にとって初めてのチーム戦が行われようとしていた

「それじゃあ行くぜ・・・!ここからは俺様による破壊のショーの始まりだ!!」

『GATバトル・・・ファイト!』



チーム戦が始まると個人で戦っていた時と違って三人のGATはそれぞれ目視出来る場所に配置される

「そういえば先輩はチーム戦は初めてでしたね!特に難しい事はないですけど私が色々を教えてあげます」

三夏はチーム戦をよく知らない剣也にどんな事をすればいいのかを説明してくれるようだ

「チーム戦は基本的に個人戦とは違って様々なルールが存在するんですが

 今回はオールブレイクと呼ばれるルールで簡単な話が殲滅戦というわけです

 他にも拠点の争奪戦やフラッグを持っているGATを撃破するなんてルールもあるんですけど

 まぁもう戦いが始まってしまいましたしこれに関しては後で説明しますね!」

「ありがとう。それで?この殲滅戦ではどう言った事が重要になってくるんだ?」

「そうですね〜・・・最も重要な事は二つです。まずは絶対に相手にやられない事

 もう一つは味方の場所をちゃんと把握して戦いの邪魔をしない事ですね

 味方の場所をちゃんと把握していないと逆に足を引っ張ってしまう可能性があるので

 そうなってしまうとまとめてチーム全員が仲良く全滅なんて事もよくあるんですよ」

三夏の話ではどんなに強い人でもチーム戦になった瞬間に負けてしまう事は多く

それほどまでにチームワークが重要でそれこそが勝利の鍵を握っていると言っても過言ではなかった

「チームワークか・・・ぶっちゃけ初心者の俺にはどんな事をすればいいのかすら分からないんだけど・・・」

「大丈夫。前に私と協力して違法GATを倒した時はちゃんとチームワークを取れていた気がする」

「気がするって・・・確かにあの時は月白さんに合わせたりはしたけどさ・・・

 今回は三人もいるし流石の俺でも二人の動きに合わせるのは無理だって・・・」

いかにセンスのある剣也でも二人の動きを同時に模倣するなど確かに不可能だろう

なので今回はチームワークを優先するわけではなく個別での各個撃破を優先する事にした

「・・・それにしても相手の姿が見えないな・・・もしかしてとっくに囲まれてたりする?」

「それはない・・・多分だけどこのフィールドに罠を仕掛けているんだと思う・・・

 だからこの近くにはいないだろうし接敵すれば必ず逃げるはずだから気をつけて・・・」

蜜柑の予測では小狡い彼らの事なのでおそらくはこの先に罠を仕掛けて待っているはずだと予測していた

確かにチーム戦ならば罠の役割もそれなりに大きくなってくると考えるべきだろう

しかしこの時の剣也達は大きな誤解をしていた



実際の彼らは罠の準備をしていたわけではなく別の準備をしていたのだという大きな誤解を・・・



「・・・えっと・・・どこからつっこんだらいいのかな・・・これ・・・」

先に進んだ剣也達を待っていたのは何やら急造されたであろう特設ステージとその上に派手なGATが立っていた

「よくやって来たな!待っていたぞ挑戦者よ!今日はこのステージが俺の破壊ショーを行う舞台だ!」

「・・・なんか頭が痛くなってきたな・・・こいつ、多分強いんだろうけど・・・」

「うん・・・間違いなく・・・バカな事だけは確か・・・」

「せっ先輩達にここまで言われるなんて・・・ある意味で尊敬します・・・!」

「うっうるせぇ!変な目で俺の事を見るんじゃねぇ!お前ら!まずは前座として活躍しやがれ!」

「「はい兄貴!!」」

柄の悪い男に言われてその子分である二人の男が剣也達に突っ込んでいく

しかしこの程度の実力者に負けるような剣也達ではなく簡単に倒してしまったのは言うまでもないだろう

「だらしねぇなオメェら!だが安心しろ!この俺が三人まとめてぶっ壊してやるからよ!」

「「あっ兄貴!!」」

「・・・いつまでこんな茶番に付き合わなくちゃいけないんだ?」

「とりあえずは彼らがこのお店から帰るまでじゃないですかね?」

確かに三夏の言う通りそうではなくては何の為に戦っているのだとなってしまう

だがそれを考えると剣也は再び頭が痛くなるような気がするのだった

「何をよそ見をしてやがる!?テメェらにそんな暇はねぇはずだぜ!?」

「あ〜・・・確かにそうですね〜・・・動きが見え見えだけど・・・」

「なっ!?あいつ!兄貴の一撃を簡単に見切っただと!?」

子分の一人が自分達が兄貴と慕ったっている男の一撃を簡単に躱されてしまった事を驚いていた

しかし一番、驚いていたのは攻撃を繰り出した本人であり同時に剣也のありえないほど高い実力を見抜いた

(馬鹿な!?今の一撃はたった一週間ぐらいしか経っていない初心者に躱せるような一撃じゃねぇ!!

 こいつ・・・まさか実力を隠していたとでも言うのか!?それとも・・・これが本当の天才って奴なのか!?)

よくやくここで男は自分がとんでもない男に勝負を挑んしまったのだと気づいたが

もはやここで後に引けるわけもなく玉砕を覚悟しながらひたすらに攻撃を繰り出していく

「・・・隙だらけ・・・」

そしてもちろんそんな隙を蜜柑が逃すわけもなく後方で待機していた月兎に射抜かれて男のGATは倒れた



「きっきょうのところはこれで勘弁してやる!次にあった時は覚えてろよ〜!!」

「「あっ兄貴〜!!」」

男は自分のGATが倒される剣也達が何かを言う前に凄まじいスピードで店から逃げていった

「・・・勝ったのは俺らのはずなのになんであいつはあんなに偉そうなんだろうな〜・・・」

「よくはわかりませんけどとりあえずは勝ったという事で喜ぶ事にしましょう!」

「そうだな。それじゃあバトルも終わった事だしみんなのところに戻るとするか」

バトルを終えた剣也達は次郎達を安心させる為にみんなの元へと戻る事にした

「あっ!兄ちゃんおかえり!どうだった!?すごい強いって人と戦ったの!?」

「あ〜・・・うん・・・まぁ強かったかな〜・・・それなりに」

あまりにも歯切れが悪そうな剣也の顔を見て乙女はそこまで強くなかったのだと確信した

かと言ってやはり次郎が尊敬の眼差しを送っている中で本当の事を言えるわけもなく

とりあえずこの事は知らなかった事にしておこうと思っていると剣也が初めてチーム戦をした事を話していた

「チーム戦!?兄ちゃんもそんなのやったの!?いいな〜・・・俺もそろそろバトルしたいな〜・・・」

「確かに・・・もうそろそろ実戦とかを経験してもいいかもしれないよな・・・どうなんだ?」

「う〜ん・・・私としてはもう少しだけ訓練した方がいいとは思うけど・・・

 まぁ実戦での方が学ぶ事も多いだろうしちょっとだけ早いけど実戦をやらせましょう!」

「やった〜!」

乙女の許可も出たので次郎は早速、同じ初心者フィールドで戦っている同年代の子に挑戦しに向かった

どうやらその子も実戦を経験したかったようで次郎の挑戦を快く受け入れていた

その様子を見て剣也は少しだけ安心しながら二人の楽しそうな笑みを見て嬉しく思っていた

「・・・随分と嬉しそう・・・」

「まぁね・・・次郎があんなに楽しそうにしているとGATを買った本人としては嬉しいと思うのさ」

「・・・GATを買った本人?もしかして弟さんが持っているのって兜君が買ったの?」

「言ってなかったっけ?実は清志郎に言われてお金だけは貯めていたんだけど

 両親が妹の分だけしかGATを用意出来ないって話を聞いて貯めていたお金で次郎の分を買ったんだ」

「・・・天理さんの言う通り・・・兜君ってお人好しなのね・・・」

「あいつ・・・月白さんにどんな事を言ったんだよ・・・」

剣也は乙女に色々と聞きたい事が出来たと言わんばかりに彼女の元へと向かった



「・・・でも・・・私はそんな兜君の事・・・良いと思う・・・」

初めてのチーム戦を経験した剣也

色々な事を経験し地元大会を勝ち進む事が出来るのか!?

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