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開幕!激動の県大会

いよいよ県大会編スタート

いよいよ県大会開幕の日となり剣也達は執事に送ってもらい会場へと向かっていた

そんな中で最も緊張している様子だったのは他でない大会初参加である歌女だった

「・・・まさか蜜柑達の三人目のメンバーが歌女ちゃんだったとはな〜・・・

 てっきり三夏ちゃんかと思ったんだけど・・・部活なら仕方ないか〜・・・」

「まぁね〜・・・でも歌女ちゃんを甘く見てたら痛い目に遭うわよ?この数日でかなり鍛えられてんだから」

自信満々に告げる乙女の顔を見て剣也は嘘ではない事は分かっていたがそれでも今から行われるのは県大会

これまでの大会とは次元が違っており勝ち上がれるかどうかはまた別問題だろう

(まぁそれは俺達にも言える事なんだけどな・・・どんな実力者達が集まっているのか・・・

 正直、不安ではあるけど頑張らないわけにかいかないよな・・・あっそういえば・・・)

「なっなぁ・・・もしかしてなんだけどさ・・・歌女ちゃんって例の事、知らなかったりすると思う?」

実は今回の大会からテレビが大々的に放送する事になっておりその様子は全国に伝わってしまう

それを知っていて参加しているのかと剣也は気になって隣にいる清志郎に確認すると

おそらく彼女が知っていればそもそも大会には参加していないだろうと判断し首を振って否定した

それを見て剣也は会場に着いた時にどんな反応をするのか不安に思いながらも今は黙っておく事にした

「それよりも・・・本当に良かったの?私達にこの集めた資料を見せたりして・・・」

「別に問題はないだろ?集めたのは俺達じゃないし・・・どっちにしろ大会が始まれば嫌でも分かるさ・・・

 その資料に書かれているだけの実力を持ってるって事がな・・・なら早い方がいいだろ?」

蜜柑が見ていたのは執事が集めてきた大会に参加する人達の資料であり

なんの情報も集めていなかった彼女達としてはとてもありがたい事であると同時に本当にいいのか不安視していた

しかし剣也達としては別に自分達が集めた情報ではなく執事が集めたものでありその本人がいいと言っているので

文句を言えるわけもなく大丈夫だと言って蜜柑を安心させると彼女は納得しながら資料に目を通していく

そしてやはり彼女も感じていたのは巴の圧倒的な実力であり彼女とだけは当たりたくないと考えていた

(間違いなくこの集められた資料の中で別格なのはこの人・・・もしも戦う事になったら・・・

 おそらく三対一で挑んだとしても勝ち目はない・・・当たらない事を祈るしかない・・・)

資料だけでも蜜柑はまともに戦えるような相手ではないと確信したようで彼女と当たらない事を祈っていた

そんな彼らを乗せた車はようやく県大会が行われる会場へと到着したのだった



「・・・地区大会でも思ったんだけどさ・・・なんで毎回、こんな大きな会場でやるんだよ・・・」



「さっき自分で言ったんじゃないか・・・この県大会からはテレビも入るからその時点で全国区なんだよ

 それに色んな地区から集められた人達がここで更に数が絞られるわけだからね・・・

 盛り上がりに関しては全国大会にも負けないと言っても過言じゃないよ・・・!」

清志郎の話ではここでの戦いがテレビに映され全国に流れるのだから大きな会場でやるのは当然であり

何よりもその盛り上がりは全国大会にも負けないと言っており剣也は改めて自分達がどんな場所に来たのかを自覚する

(・・・正直、侮ってたな・・・実際に間近にすると初参加の歌女ちゃんの事を心配出来ないくらい緊張する・・・

 でも・・・それ以上に・・・楽しみでしょうがないって・・・笑顔が止まらなくなってる自分もいる・・・!)

先ほどまで緊張していた歌女の事を心配していたがそんな事が言えないほどに剣也も緊張し始めていたのだが

それ以上に自分の中にあるワクワクを止められず笑顔になる顔を止められずその顔を見ていた清志郎達は驚いていた

その理由はもちろんこんな緊張する場面で満面の笑みを浮かべて震えている剣也が異常だったからだ

しかしそんな彼だからこそ強いのだという事を自覚しており自分達も負けていられないと気合を入れ直す

「・・・あの〜・・・皆様には申し訳ありませんが今日から試合を出来るとは限りませんぞ?」

そんな中、執事が後ろからみんなに対して申し訳なさそうな顔をしながら試合が出来ないかもしれない事を告げる

剣也達は大会に参加する為にこの場に来たのではないかと思っている中で清志郎だけは何かを思い出したようで

大きな声をあげると同時に何か本のようなものを取り出してとあるページを開き剣也達に見せる

「えっと・・・尚、県大会はその参加人数の多さとフィールドの数から日数を分けて行います?

 ・・・え?って事はもしかして・・・初日から戦えるって決まってる訳じゃないって事?」

「そうだね・・・初戦の組み合わせで名前が呼ばれれば話は別だけど・・・

 確かフィールドの数は八つだったはずだから・・・百何チームの中から一六枠に選ばれるかどうかは・・・」

なんと確率的には十分の一レベルであり流石の剣也もその中に入るとは正直、思えなかった

それにより先ほどまでの気合を入れた感じはなんだったのかと急にテンションが下がってしまう

これには余計な事を発言してしまったと執事が慌てているとその様子を見ていた歌女は笑っていた

それを見ていた剣也達も先ほどまでの自分達のやり取りを思い出して笑っており良い具合に緊張が取れた

「それでは皆さん・・・遅れれるわけにもいきませんしお早いですが会場に向かいましょうか」

執事の人もどうやら自分のやった事は無駄ではなかったと安心しながらみんなを会場まで連れていく

そして執事はこの時、みんなの緊張が解けて本当に良かったと思う事になるとは思っていなかった



会場の中に入るとそこにはまさしく強者と呼べるような顔つきのファイター達が既に集まっており

これから自分達はこの人達と戦うのだと剣也達に思わせるには十分な迫力があった

するとそんな人の波を掻き分けて近づいてくる人達がおり一体誰なのだろうと思っていると他でもない白石達だった

「よぉ!随分と早く到着したな!それよりもどうだ?地区大会よりも大掛かりだし緊張してるんじゃないか?」

「白石・・・アンタは聞かなくても分かるような事をわざわざ聞くんじゃないわよ・・・

 でもコイツの言っている通りここは地区大会とは違って色んな事が派手になってるわ

 それこそ自分達がどれだけ狭い世界に居たのかを知る良い経験になるでしょうね・・・」

あまりにも遠慮のない事を言う白石の事を怒りながらも

小寺はこの大会が剣也達にとってどれだけ大きな経験になるかを告げる

大掛かりなのはもちろんの事、ここからは色んな事が地区大会とは異なってくる選手だけじゃなくギミック

そして戦い方や自分達を応援してくれる声など様々な世界がここから広がっていく事を彼女達は知っていた

同時に剣也達もおそらくは自分達と同じようにそれを知っていく事になるかもしれないと小寺は感じていたのだ

「・・・確かに凄いですけど・・・今は早く戦いたいって感情の方が強いですね・・・!

 まぁ戦えるかに関しては今日の組み合わせ次第なんですけど・・・ははは・・・」

「おっ?そこまで緊張してる訳じゃねぇって感じか!羨ましいね〜・・・俺ら最初はあんなにガッチガチだったのに

 後輩達は緊張よりも戦いを楽しみにしてる方が強いなんて・・・なんだか嫉妬しちゃうね〜・・・」

言葉ではそんな事を言っているものの顔はそんな事一切思っていないという表情をしており

むしろ剣也達ならばそれくらいの気持ちでいるのは間違いないだろうとすら思っているような感じがしていた

そんな中で剣也が疑問に思っていたのは先ほどから九重が一言もこちらとは喋ろうとしない事だった

彼は既に全国大会にも参加した事がある選手なので緊張しているわけもなくどうしてなのだろうと思っていると

チームリーダーである白石が代わりに九重がしゃべらない理由をこっそりと剣也に教えてくれた

「実はあいつは大会になると親しい奴とは話さないようにしてるんだよ・・・なんでも緊張感が解けて

 いざ戦いになった時に自分の全力を発揮出来ないのは嫌だからってさ・・・変わってるよな?」

どうやら九重は剣也達と真剣に戦う為に敢えて話さないで闘志を高めているらしく大会ではいつもの事らしい

逆を言えばそれは自分達がそれだけの事をしてまで戦いたいと思ってもらえてると剣也は理解し

自分もトライハウンドの三人と当たる時は全力で戦わなくてはいけないと改めて覚悟を決める



そこからしばらくして剣也達も知っているもう二組のチームも会場へとやってきた

その二組とは他でもない氷塔と鮫牙のチームなのだが何故か鮫牙の方にはチームメンバーが見えなかった

どうして彼だけ一人で参加しているのだろうと疑問に思っていると剣也は後ろから声を掛けられる

振り返るとそこに居たのは鮫牙の兄であり今回、大会の警備を担当してくれている信侍だった

「あいつ・・・実は他の奴らと組んだら足手纏いになるとか言ってチームを組まなかったんだよ・・・

 まぁルール違反ではないし同じように一人で参加している人もいるから文句は言えないんだけど・・・

 やっぱり兄としてはちゃんとチームを組んで欲しかったな〜って思うんだよね〜・・・」

「あはは・・・でも確かに鮫牙の言う通り自分の実力と見合った人と組めないとチームとしては駄目だし

 それなら一人で参加しようとって考えも間違ってないと思いますよ?・・・それに一番凄いのはその覚悟です」

剣也がどこよりも評価していたのは鮫牙の一人でも勝とうと思うその覚悟だった

普通ならば仲間と手を取り合って勝利しようと考えるのが普通ではあるのだが鮫牙にその考えは存在しない

彼は戦いの事で一切の妥協はしないし自分の限界に挑戦し続けている

剣也はそんな彼の戦いを尊敬しているそんな彼だからこそ自分のライバルだと認めている



(だから絶対に・・・今回も負けられない・・・!)

会場へとやってきた剣也達

そしていよいよ運命の対戦表が発表される・・・!

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