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地元大会に向けて

今回は武器の特性などのお話になります

あれから剣也達は地元大会に向けて猛練習に励んでいた

清志郎や乙女達はひたすらにバトルをして自分のバトルスタイルを見直してみたり

剣也は同じようにバトルをしながら自分の知らないGATの事などを勉強していった

そんな中でやはり剣也が険しそうな表情を浮かべていた理由がヤマトの装備だった

素手で戦う事に関してはもう問題にはならなくなってきたのだが

やはり距離を取られて戦う事は苦手なのと致命的なダメージを与えられないのが何よりも痛かった

「やっぱりどうにかして装備は付けたいよな〜・・・でもどんな装備がいいのか・・・」

「それならヤマトじゃなくて他のGATを使って武器を試してみたらどうかな?」

「確かに・・・ヤマトが武器を使えないだけで他で試すのは問題ないしね!」

清志郎の言う通り本番はヤマトで戦う必要があるだろうが別に練習の時までヤマトでこだわる必要はない

色々な武器を試すだけならば他のGATを使ってみるのはどうかと提案されて

剣也はここへ来た時に一度だけ使った事のあるドギーで他の武器などを試してみる事にした

「まずは遠距離武器!最初は僕のホークスが使っている狙撃銃を試してみよう!

 これは遠くの相手を狙うのに良いし弾速も早く貫通力もあるんだけど・・・

 弱点としては攻撃の範囲が狭いのと連射が出来ない事

 最後に最も致命的なのは・・・狙っている時の視野が極端に狭くなってしまう事かな」

「なるほど・・・狙っている時は強制的に双眼鏡を覗いているみたいな視界になるのか・・・

 確かにこれは視界から外されたら探すのにだいぶ苦労しそうだな・・・」

剣也も体験してみて直ぐに狙撃銃の難しいと言われている部分を理解する事が出来た

狙撃銃は相手を狙う時、強制的に頭パーツに搭載されているカメラアイが拡大モードになってしまうのだ

これにより遠くの相手を見る事は便利になるのだが逆に視野が狭くなって近くが見えなくなってしまう

しかも生身と違ってGATだと感覚で相手を捉える事も出来ないのでまさに玄人向けだと言って良いだろう

「僕も狙撃銃をメインに使っているけど・・・その理由はホークスが滑空出来るからなんだよね

 空からなら相手が同じ狙撃銃でない限り攻撃される事はないし空からなら視野も広くなるから」

「なるほどな・・・だとしたら俺に狙撃銃は相性が悪いだろうな〜・・・全然、当たらねぇし・・・」

先ほどから的を狙って撃っているのだが全く当たる気配がなくこれは無理だと剣也は判断し次の武器を試す事にした



「次は私のワルキューレが使っているハルバードね!これは威力も高くて範囲も大きい武器よ!

 弱点としては重くて取り回しに癖があるのと振りが大きくて隙が大きいってところかしら?」

「なるほど・・・まさしくハイリスクハイリターンの武器ってわけか・・・

 さっきの狙撃銃よりかは合っている感じはするけど・・・確かに重くて振り回されそうになるな」

乙女の説明していた通りハルバードを振り回す度にドギーの体が持っていかれそうになっており

それを制御するにはかなりの時間が必要になると剣也は判断していたがそれ以上に気になっていたのが

(・・・もしもヤマトに使わせたとしたら逆にヤマトの反応速度を殺してしまいそうだな・・・)

ハルバードは威力があって範囲も大きい武器なのだが正直な話、ヤマトの特性に合っているとは思えなかったのだ

ヤマトの特徴はその圧倒的な反応速度でありどちらかというのならば相手に近づいて攻撃するタイプだろう

だとするのならば別に攻撃の範囲が大きい理由は必要ないのでハルバードである必要はないと考えていた

「・・・見ていて思ったんだけど・・・兜君はもっと軽い武器の方がいいんじゃない?」

するとどうやら同じく剣也の動きを見ていた蜜柑が軽い武器の方が合っているのではないかと考える

「軽い武器か・・・だとしたら片手剣に刀に槍・・・遠距離武器だと拳銃とか弓とかになるかな?」

「先輩は素手での格闘も出来るんだし私の虎娘みたいに鉤爪はどうですか!?」

「確かにそれも考えたんだけど・・・別に俺の場合は各党が得意ってわけじゃないからな〜・・・」

あくまでも剣也が素手での戦闘を行えているのはヤマトの反応速度があるからこそだった

圧倒的な反応速度でカウンターを当てれているからこそ素手での戦闘でも戦う事が出来る

しかしそれはあくまでもそこまで実力のない相手にしか通用しない戦法であり

全国大会などに出場するような相手ならそんな戦法も通用しないと考えておいた方がいいだろう

(となるとやっぱり武器を使って自分も牽制できるようになっておきたいよな〜・・・

 やっぱりヤマトの事を考えると遠距離武器よりは近接武器の方が相性はいいよな)

「う〜ん・・・ヤマトの性能を詳しく調べる事が出来ればもっと武器を選ぶのも楽なんだけど・・・」

「むしろそれ調べる為に私達は地元大会に出てヤマトの存在をアピールするんでしょ?

 でも確かに・・・ぶっちゃけヤマトってどれくらいすごいのか私には分からないのよね〜・・・」

「うん・・・他のGATよりも性能が上って事だけは一目見ただけでも理解出来る事だけど

 どれぐらい凄いのか、どんな事が得意なのかって事は僕達も分かっていないからね

 丁度いいし練習をしながらヤマトの性能を詳しく調べていくのもいいかもしれないね」

こうして剣也達は今日の目的をヤマトの性能テストに変更して色々な事を調べる事にしたのだった



性能テストは夕方まで行われて遅くなってきたのもありみんなは家に帰る事にした

「はぁ〜・・・なんか調べれば調べるほどヤマトってGATの凄さが身に染みて理解出来たわ」

「そうだね。僕もこれだけのGATを見た事ないかも・・・やっぱり素人が作ったとは思えないよ

 それこそあらゆるGATを調べ尽くした人が作り出したんじゃないかって言うくらい・・・

 でも一番驚いているのは・・・明らかに剣也君を知り尽くしているって事だと思う」

確かに剣也はこれまでGATをやった事のない全くの素人だった少年

おまけに特別に有名と言うわけでもないにも関わらずこのヤマトは剣也を意識して作られていた

それはつまりこのヤマトを作った誰かは剣也の事を知っていると言う事なのだ

「・・・って言われてもな〜・・・俺にそんなGATを作るような知り合いはいないぞ?」

「それは私達だって分かってるわよ。だからこそ清志郎は不思議に思っているんでしょうが」

「・・・でも向こうが一方的に兜君を知っている可能性はある・・・心当たりはない?」

「いや一方的に知られてたらどう考えても俺に心当たりはないと思うんだけど・・・」

どんなに考えてもやはり剣也にはそれらしい心当たりは一つとして思いつかなかった

と言うよりも警察が調べても犯人が特定出来ないような犯罪者の心当たりなどあった方が困るだろう

「とにかく今の現時点で分かっているのはヤマトは剣也君の専用機として作られたGAT

 だから得意としている戦闘スタイルや武器なんかも剣也君の事を考えて設定されてると思うんだ」

「俺が得意な武器か〜・・・と言ってもGATを始めたのなんてヤマトを手に入れてからだし

 それ以外で武術なんて習った事もないから得意な武器とか言われてもな〜・・・」

確かに普通に暮らしているような一般人に得意な武器などあるわけがないだろう

他のゲームに関しても剣也には特に決まったプレイスタイルなどがあるわけではなく

やはりヤマトを活かす武器に関しては今後も考えていくしかない課題の一つだと言っていいだろう

「その為にはやっぱり実践あるのみだよね・・・明日は休みだしバトルスタジアムで戦う事にしようか!」

「そうね。毎日、同じ相手と戦っても強くなれるわけじゃないし敵情視察になるしね」

「それなら自分も一緒に行っていいでしょうか!?明日は部活とかもないので!」

清志郎達の話を聞いて三夏も一緒にバトルスタジアムに行きたいと元気よく手をあげており

もちろん剣也達はこれを断る理由などもなく明日はみんなでバトルスタジアムに向かう事にした



「え〜!清志郎兄ちゃん達と一緒にバトルスタジアムに行くの!?俺も連れてって!!」

「私も行く行く〜!剣也兄ちゃん連れてって〜!」

「分かった分かったからあんまり引っ張らないでくれ」

流石に今日は一日中バトルしていたので今の剣也には二人に付き合っている余裕はなかった

「はいはい!そんなにお兄ちゃんを困らせちゃいけません!

 それに行きたいのならちゃんと宿題を今日中に終わらせなさい!」

「「は〜い・・・」」

そこへ母がやって来て二人を剣也から引き離して

明日のバトスタジアムに行きたいのならば宿題を終わらせるように告げる

それを聞いた次郎と雲母の二人は渋々ながら宿題を終わらせる事にしたのだった

「ふふっ・・・それにしても三人共ここまでハマってしまうなんてね〜

 確か剣也は清志郎君達と一緒に近くのバトルスタジアムでやる大会に参加するんでしょ?」

「まぁ色々とあってね・・・清志郎や乙女達と一緒に色々と試行錯誤してるって感じだよ」

「へぇ〜GATって単純にロボットを動かすだけなのかと思っていたけどそんなに奥深いのね〜

 お父さんも色々と会社で聞いたみたいだけど若い人の間ではカスタムするのもブームになってるらしいわよ?」

「それは俺も清志郎から聞いたよ。なんでも市販のGATを買っても少しだけ自分の癖と違うから

 それをサブパーツで補ったり単純に他のGATと区別する為にカスタマイズもするんだってさ」

流石にヤマトのような最初から違うGATに対してカスタマイズをするような事はないのだが

実際に清志郎のホークスや乙女のワルキューレなどは市販の物として売られていた物を自分に合わせて改造している

そしてその最上級に位置するのが製作ソフトで自分だけのGATを作り出している人達だ

「自分だけのGAT・・・確かにそれは特別な感じがして何も知らない私でも興奮しちゃうわね」

「でもそんな人が出てくるのは地元の大会じゃなくて精々が地区大会くらいだよ

 全国まで進んだらハンドメイドの機体で戦う人は大勢いるだろうけどね」

「へぇ〜・・・なんだか本当に楽しそうね?」



「まぁね・・・!コイツと出会ってから少しだけ世界が広がった気がするよ・・・!」

地元大会に向けて徐々に準備を進めていく剣也達

迫るその時までどれだけ強くなれるだろうか?

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