表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
未来視たちの憂鬱  作者: 幸路
1/3

未来視たちの憂鬱 プロローグ

どこまでも続く水平線。海の色はあかね色に染まっている。

波を見下ろす、切り立った崖の先に女性が一人たたずんでいた。

女性の足下には木で組み合わされた小さな十字架が立ててあった。

どうやら誰かのお墓らしい。

足下のそれに向かって、女性は何か話かけている。

しかし僕には彼女が何と言っているのかは分からない。

おじいちゃん先生の教えてくれた、無声映画ってこんな感じかなって思う。

女性は短髪の黒髪にスーツ姿という精悍なたたずまいだ。

後ろ姿からでも、彼女の凜とした雰囲気が伝わってくる。

不意に、女性が振り返る。唇が動く。

僕に話しかけたのではないと分かっている。

僕には彼女の言葉が聞こえない。

だから、こう言ってたらいいな、と想像してみる。

「あなたに出会えてよかった。」

そう、言ってくれた気がした。


…ああ、その未来が存在しているというだけで、僕は生きていていいのだと思えた。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ