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第4回「下野紘・巽悠衣子の小説家になろうラジオ」大賞

くっ!俺は決して、おふだなんか剥がさない!

作者: 黒銘菓

なろうラジオ大賞応募作品です。

※過度ではありませんが、お色気要素が僅かにあります。御注意下さい。

 俺は伏魔(ふしま)大悟(だいご)(19)。悪霊退治のプロ、退魔師だ。

 俺はその中でも名家伏魔(ふしま)家の人間で、自慢じゃないが退魔師史上で一二を争う腕前だ。


 そんな俺が今回当主から命じられたのは500年前に封じられた妖魔、豊色妖姫(ほうしょくようき)の再封印。

 豊色妖姫(ほうしょくようき)は数多の時代、数多の国の為政者の傍に現れ、魅了し、国諸共蕩かしてきた危険な妖魔。500年前に退魔師が総力を結集させ、数多の犠牲を払って封印した大妖魔。

 500年の時を経て、封印が綻び始めて再封印が必要という事だった。

 「分かりました。必ずや成功致します。」




 再封印の地に辿り着いて三日。俺は今、窮地に立たされていた。

 「ほら ほーらぁ あと二枚だけ あと少しなんだよぉ はやくぅ」

 耳をくすぐる息。囁く声はとても甘く、挑発的で、扇情的で、頭から爪先までが痺れて、蕩ける。

 自分の全てが目の前のものを手に入れたいと渇望する。何も、考えられない

 「それを、剥がせば良いの、か?」

 「そうだよぉ あと少し 手を伸ばして引っ張るだけ そうすれば 私は貴方のモノになって あ げ る」

 腕に抱き着く妖姫を振り払う事が出来ない。

 冷たく、瑞々しく、絹の様な滑らかな肌が腕に吸い付く。

 妖しく潤んだ黒い瞳は俺だけを見ている。

 甘い香りが思考を鈍らす。

 「これを剥がしたら 私は貴方のもの 貴方のために全て捧げましょう だから はやく(・・・)

 囁く声が考えを蕩けさせる。


 目線を下にする。


 愛らしく、艶かしく、美しく、妖しく、眩い笑顔がある。


 更に目線を下に。


 双丘の頂上に、二枚のおふだ。

 「ほらぁ はやくぅ」

 体をゆっくりゆっくり揺らす。二つの果実も揺れる。

 その足下にはこの三日で剥がされたおふだ。

 あと二枚、それで封印は解かれる。

 「もっと イイコト しようよ」

 最後の言葉が理性を決壊させた。

 柔らかく、瑞々しく実った果実を掴み、最後の二枚(理性)が、地面に堕ちた。




 「ふふ ありがトウ

 オレイニサイショニコロシテアゲル!」

 おふだが落ちると同時に、豊色妖姫(ほうしょくようき)の姿が変わる。

 どんどん大きく、ゴツく、ゴリゴリしくなっていく。

 具体的には白雪姫がオークになった様な……畜生。

 「タイマシ ッテノハ マヌケダナ

 カワイイフリシテレバ コロットダマサレル!

 サァオレノジダイノマクアケダァアアアアアアアアア!ギェエエエエエエエアアアアアアアアアアア!」

 懐の特製呪符をありったけ目の前のオークに投げ付け、呪いを込めて(・・・・・・)、呪文を唱える。

 「(オン)外須外須(ゲスゲス)支根死音(シネシネ)ソワカ」

 一人の退魔師の犠牲(純情)の犠牲により、豊色妖姫(ほうしょくようき)討たれ(爆散し)た。

 『500年前に退魔師が総力を結集させ、数多の犠牲を払って封印した大妖魔。』

 数多の犠牲…つまりそういう事です。精神的ショックで結構な人間がやられたらしいです。


 他にもなろうラジオ大賞

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