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国崩  作者: 新築工事
第1章
2/4

国崩し

初小説で、至らない部分もありますがどんどん意見をお書き下さい。

この世界は二つに分割されている。人の住む世界と人ならざるモノの住む世界だ。だがここ何十年か前まではそうでもなかった。昔は人も、そうでないモノも仲良くはないが目立った争いも無く、安全でも危険でもない。そんな日常を当たり前のように過ごしていた。ある時そんな日常はあっさりと崩れ去っていった。突如として、人とそれ以外のモノ達の間で争いが起こったんだ。理由は分からない。これに関しては、色々憶測がある。人間側が差別と排斥の意識を持って仕掛けたとか、そのモノ達が人間の発展を恐れたとか。まぁどれも憶測の域を出ないけどな。とにかく全面戦争だ。恐ろしいほどの規模だった。選局はほぼ常に五分。兵力は人以外のモノ達の方が多かったらしいが、兵の質は人の方が優っていたらしい。なんでも化け物のような奴がいたとかなんとか。まぁとにかく五分だ。いつ均衡が崩れるか分からない。そんな時、人間は愚かな一手を打った。転生者の召喚を行ったんだ。それは魔術的には絶対のタブー。だが人はそのタブーをいとも簡単に破った。その後は早かった。その転生者が一人で戦争を終わらせたんだ。その後に世界は分割され、人間とそれ以外のモノの住む世界は分かたれた。そのモノ達の世界はかなり過酷な世界になった。

その後不思議なことが起こった。人間側の世界もかなり過酷な環境に変わったんだ。どういうことかって?そりゃ簡単だ。人と技術とそれ以外のモノの技術はちゃんと共存して、世界を守っていたんだ。結果論にはなるが、転生者はそれを壊したことになる。だがそれには別に異論はない。戦いを終わらせたのは事実だからな。その意見はかなり多数派だ。だが、その後転生者は増え続けた。王族達が転生者の強さに気がつき、自らの私設兵として高待遇でどんどん召喚していった。当然転生者は強く、王族達の暮らしを豊かにしていった。その後にあるのが、衰退と破滅であることは知らなかったようだがな。楽な道を知ったんだ。わざわざその道を避けて、下の者に気を遣っていけるかよ。魔力はこの世界では基礎となるエネルギーだ。先の戦争で、人間を苦しめたのはそのエネルギーの使い方にあると言ってもいい。だが、転生者の魔法は使い方もクソもねぇようなゴリ押しだ。こんなんじゃ未来の発展なんてあるかよ。そんな感じで、現在も魔力産業は発達せず、貧富の差は激しい。

「急にどうした?アホみたいに喋るじゃねぇかアトラ。頭でも打ったか?」

隣に座っている赤髪の目つきの悪いチンピラ、モールはいつものように俺をバカにするような目でそう言った。

「今に始まったことじゃないでしょう。」

向かいに座る白髪の紳士、レニーは抑揚のない声でそう言った。こいつが俺のフォローに回るのは珍しいな。相変わらずこいつらは仲がいいのか悪いのか…。

「別にいいだろ。実質今日の仕事内容に直結する話だ。」

「いいとは思うが、その独り言の癖は治した方がいいぞ」

鳥の翼の生えた黒髪の格闘者、アニマは首を少しこちらに向け、俺たちの乗る荷台に向かってそう言った。…頼むから前もちゃんと見てくれよ?事故るのは勘弁だ。

「それはそれとして、そろそろ目的地です。準備しといてくださいよ。」

フードを被った小柄なストロは急かすように言った。こいつは変わらないなぁ…。

相も変わらずアクが強い。集めたのは俺だが、このメンバーにはやはり不安が残る。

まぁこれでも何度目の仕事かも忘れるレベルの付き合いだ。一応コイツらのリーダーである以上俺がしっかりしないでどうする。雨音に負けないように俺は声を上げた。

「んじゃ、行くか。今日も偽善活動やってくぞ。」

「「「了解。」」」

俺達は正義じゃない。もしかしたら、俺達の行いは世界を救わないのかもしれない。けどもう進むと決めたんだ。この世界を有るべき姿にリセットする為に。


 今日の仕事内容は、ファスト国の召喚人の破壊と転生者への攻撃が目的だ。リーダーである俺の仕事は、転生者の攻撃だ。雨と夜に紛れ、城に潜入することに成功。モールとアニマと別れ、ストロと共に城を行く。ストロの仕事は、召喚陣の破壊だ。コイツにしかできない仕事だし、モールとアニマの戦闘力と魔法は場を引っ掻き回すのに向いている。

 俺が転生者を探している間に、モールとアニマは仕事を始めたようだ。向こうから大きな音が聞こえてきた。それに、兵士もそっち方向に駆り出されている。

 はっきり言って、俺の魔法は大人数相手に出来る魔法じゃない。だが、タイマンなら、どんな相手にも勝てる可能性がある。細い糸を手繰るようにしないと勝てない魔法。それが俺だ。

 転生者は、多くの国では、かなり貴重な戦力とされている。そのためか、最終兵器として使われることが多い。それこそ少人数だった場合などは、一般兵でどうにもならない場合のみ転生者が使われる。そのため、このような状況であれば、まだ転生者が前線に行っていない可能性が非常に高い。

 俺は城の奥に足を運んだ。

 "それ"は城の奥深くにふんぞりかえっていた。全く勇者然としていないだらしない体と、ニヤけた顔が鼻につく男だった。座っているのはただの椅子だが、俺にはその椅子が趣味の悪い玉座のように見えた。

 「お前か。この国で悪事を働く盗賊団の頭は。」

 転生者は、ニヤケ面を崩すことなくそう言った。

 「正義は我にありだ。僕が悪を裁いてやる。」

 転生者はそう言うと俺に向けて魔法を放った。その魔法は全てを焼き尽くすほどの豪炎の魔法だった。瞬く間に床は火の海となり、俺は地に足をつけることができなくなった。だが想定内だ。その手は何度も受けてきた。今更その程度で手詰まりになるかよ。

「危ねぇなァァ!」

そう毒づきながら俺は壁を張り付き、壁を蹴った。そして、転生者に向かって、全力で蹴りを見舞った。

 転生者は驚いているようだった。そりゃそうだよな。魔法の世界でこんな原始的な攻撃をこんな大事な場面で選択する奴なんてまずいない。ただただ泥臭いだけの戦い方だ。

 だけど仕方ないだろ?必死で追い縋るのが俺の戦い方だ。

 転生者はバランスを崩し、豪炎の魔法を思わず解除していた。自分が転ぶところに炎がありゃそうなるよな。だが転倒は避けられない。そんな転生者相手に、俺はマウントポジションをとり、顔面に向かい、拳を叩き込んだ。転生者は魔力が多すぎて物理的ダメージが期待できない。だが問題ない。拳を叩き込むこと自体が目的なのだから。

 殴打、殴打、殴打、痛々しい血液が俺の拳から流れる。10秒ほど殴打を重ね、俺は転生者の上から降りた。転生者は混乱が解けたようだった。俺に敵意剥き出しの視線を向けた。俺のことを今まで敵だと認識していなかったらしい。 

 だがもう遅い。俺の魔法は既に発動している。転生者が俺に向けて魔法を放とうとした瞬間、周りの壁から石材が剥がれ、転生者に吸い付くように向かっていった。すぐさま転生者は石を炎で焼こうと思ったらしいが、吸い付く速度が早く、あっという間に手まで包み込まれ、行き場のなくなった炎の魔力は大爆発を起こした。

俺の名はアトラ。

これが俺の魔法「引力付与」。

 一定以上拳を叩き込まないと発動できない点が使いづらく、インファイトを強要される。そのため、転生者のような強力な魔法使い相手には、初見で対応前に不意を突くしか勝ち目がない。

 だが、発動さえ出来てしまえば、周りの物質が対象者を球体状に包み込み、動きを完封する。さらに、魔力によって吸い付かせているので、物質は魔力を通さない。この世界では魔力は魔力と交わらない性質を持つ。

 転生者はこの程度では死なないが、まぁ攻撃にはなっただろう。足早にその場を去り、召喚陣の破壊が終わったストロと合流し、モールとアニマに撤退の信号を送り、撤退。

 今日の仕事は大成功だ。転生者の敗北は国にとって大損害。さらには召喚陣は破壊されている。これ以上転生者は現れず、その転生者も無敵ではない。そうなれば、国は自分達の力で国を守るしかない。事実として、転生者のいない国の方が、魔術技術のレベルも兵士の質も高いのだ。だが、そんな技術の高さも、転生者の雑な力でねじ伏せられてしまう。だから富のある国は転生者に頼り、富のない国は、富のある国の支配下に置かれる道に進む。要するに楽な道に進むんだ。発展と進化を犠牲とした、退屈と衰退の平和。俺達はそんな平和に甘えられるほど穏やかじゃない。

 それに、自分達の生きてきた世界を、外の世界の連中にグチャグチャにされてたまるかよ。 

 俺達のやっていることは世間的に見ればただのクーデター。俺達もそれは自覚している。だから正義は名乗らない。喝采も賞賛もいらない。ただ俺達は発展と進化の先を見たいんだ。

 俺達の名は"国崩"

下らないこの世界を壊す大罪人共だ。


 

 

ただの少年漫画好きの男が書いた小説です。

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