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2.説明、そしてやっぱりイチャイチャ

もう1話、0時に投稿します。


「地球との違いとしては、技能とステータス、魔法の存在が大きいじゃろうな」

「はい、神様! ステータスってゲームみたいなやつですか?」

「うむ。神の権能で物理法則を無視したステータス的な何かじゃ。実際は魂魄を吸収し、その量をレベルという形で表しておるが……」

「なんだか、裏設定を聞いている気分です」


 凄いけど、レベル上げの為に生き物を殺すのはどうかと……やっぱり、まったりのんびりがいいよね。生産系の技能でも貰って、女の子と一緒に幸せな家庭を――


「言い忘れておったが、技能というのは才能を示すものじゃ。稀に自力で習得する者はおるが、その場合はあまり伸びぬことが多い」

「え……何それ美味しいんですか?」

「お主、急にどうし…………おお、なるほどのぅ」


 何かを見て苦笑を浮かべる神様。


「才能? あはは、きっとわたしは生産系のチート技能があって一生お金に困らなくなるんですねそうなんですねうふふふふふ…………」

「う、虚ろな目で笑い出しおった……! 一旦落ち着くのじゃ! ほれ、大丈夫じゃからな?」

「……生産系、あるんですか?」

「…………」


 ついっと目を逸らされる。

 わたし、器用なのに、器用なのに……センスが全くないことで定評があるから。うふふ。


「技能が無くとも出来ることはあるのじゃ!」

「それがダメだったんだもん……」

「うっ……な、泣くでない……」

「……ハグしてくれたら泣きやみます」

「お主、実は余裕あるんじゃな? はぁ……全く、仕方ないのぅ……」


 くるっと振り返って首に手を回すと、ぎゅっと抱きついて……。

 神様を抱っこしてるみたいになるけど、これはこれでありかも? お姉さんぶる幼女感が果てしなくて、尊いよぉ……。


「神様可愛いですっ!」


 何か言われた気がするけど聞こえなかった。


 抱きしめ(捕まえ)て、

 すりすりすりすりすりすり――


「いい加減にせんか!」


 グーパンが頭にヒット。


「ありがとうございますっ」

「何故お礼なんじゃっ!?」

「だって、お金を積んでも幼女とのSMプレイは出来な――」

「それ以上言うならお主から離れるが、よいか?」

「嫌です」


 冗談と、女の子との触れ合い。

 当然、わたしは女の子との触れ合いを選ぶ。


「そうだ、ステータスってもう見られるんでしょうか?」

「切り替え早いのぅ……まあ、見れるのじゃ」


 はよ、と急かして出してもらう。

 ……信仰してる人たちに見られたら、わたし殺されちゃうんじゃないかな。見られることなんてないだろうけど……。


 なんてことを考えていると、空中に水銀のような何かと文字が踊り出し、わたしが持っていた5.5インチのスマホと同じくらいのプレートが出来上がった。

 白銀色に輝くフレームと、花を象った装飾。

 文字が羅列されている部分は、金属なのに半透明で、不思議な感じがする。


 今度は文字の方に目を向けた。


────────────────────────

 名前:【設定してください】

 種族:九尾の狐〈Lv1〉

 職業:聖炎の奏者〈Lv1〉


 再生:42/42(32+10)

 魔力:203/203(85+100)(×1.1)

 筋力:28(22+6)

 体力:26(20+6)

 敏捷:98(87+12)

 器用:144(64+80)

 精神:116(56+60)

 抵抗:148(68+80)


 ◇技能◇

【聖炎】【九之魔塔】【眷属刻印】【幻術】【操炎】【言語翻訳】【鑑定】【魔力操作】【魔力強化】【視覚強化】【炎耐性】【闇耐性】【聖耐性】【剣術】


 ◇魔法◇

【火魔法】【聖魔法】【回復魔法】


 ◇変更可能職業◇

 《剣士Lv1》《魔術師見習いLv1》《火魔術師Lv1》《僧侶見習いLv1》《妖術師Lv1》《鑑定士Lv1》

────────────────────────


「……多くないですか?」

「多いのぅ……まあ、鑑定と言語翻訳は転生者特典のようなものじゃが」

「それでも多いです!」


 職業とか聞いてない、というのは置いても、名無しになっている事や、聖炎、九之魔塔、眷属刻印が気になって仕方ない。


「名前ってどう変えれば……」

「それはわらわに任せるがよい。名も考えてやろう。……カグヤ、というのはどうじゃ?」

「月に帰っちゃう?」

「おお……言われてみれば同じではあるが、わらわの名前を一文字弄っただけじゃぞ。元、つまりわらわの名はカグラと言う」


 なんだか強そうな名前だね。

 神様……カグラ様とお揃いみたいで嬉しいけど、返事の早さからすると今考えたばかりではないと思う。

 どうしてかな。


「気に入ったものに名を授けるのは当然であろう?」

「なるほど……お人形さんかな?」

「ぶつぞ」

「ごめんなさい、とっても嬉しいので殴らないで下さい!」


 怒らないでー、と頭を撫でる。

 カグラ様は、「やはり幼女扱いしておるな」と怒っているけど、髪と耳の柔らかさを感じてるだけだったりする。


「はぁ……。説明を続けるからの。まず、初見であろう再生は肉体の再生力を示す。0にならない限りリジェネ状態が続くようなものじゃ。魔力は魔法や一部の技能を使うのに必要なものじゃな」


 再生力。ならば、致命傷は負えない。

 ゲームのようで、けれど全く違う。そんな当たり前のことを認識させられた。人は死ねば死ぬのだ。


「筋力、体力、敏捷は文字通りの意味で考えてよい。但し、筋力よりも敏捷が高い場合、全力で走ると肉体に大きな負荷がかかる。筋肉痛で済めば良い方ではないかの?」


 わたし、かなり差があるから気をつけないと。

 痛いのは嫌……というか、好きだったらMだよ。


「器用は手先の器用さ等の他に、魔法の制御力にも関わっておる。精神が威力、抵抗は魔法と状態異常の耐性じゃ。……分かったかの?」

「はい、なんとなく」

「ならば、職業の説明に移るぞよ」


 それにしても、状態異常があるらしい。

 回復魔法に状態異常を治す魔法があればいいな、と期待しつつカグラ様の話に耳を傾ける。


「選択出来る……言い換えると、経験値が獲得出来るメイン職業はひとつじゃが、パラメーターに加算出来るサブ職業は2つまで設定可能でのぅ。実質的に3つまでというわけじゃな」

「ほむほむ……。ちなみに、カグラ様のおすすめはどれですか?」

「今のところは剣士と魔術師見習いしかありえん。剣士が物理的な弱さを補い、魔術師見習いは他の魔法を習得しやすくなっておる」


 カグラ様の言う通りにすると、そこそこバランスが良くなった。それでも敏捷は筋力より高いので注意が必要、と。


「職業の仕組みはの、既にある技能、あるいはこれから発現する技能に関連したものが現れるようになっておってな」


 剣の才能が無ければ剣士は出てこない。

 魔法や生産職も同じだろうから、わたしは絶対に生産職には就けないということになる。しよぼん。


「そして職業のレベルは、魂の中に枠を作り、収められたものへ注ぎ込む、という手順じゃ。当然、複数同時というのも不可能ではないが、魂を圧迫し危険が増す。同様の理由でパラメーターに加算される職業も3つまで、という訳じゃよ」


 よく分からないけど、ゲーム的なシステムの恩恵だけではなくて、自分の内側で起きてることっていう話でよさそう。


 で、


「説明終わった?」

「む? まあ、そうじゃな。最低限はこれでよかろう。何かやりたいことでもあるのかえ?」

「えっとぉ、カグラ様と仲良くなりないなぁ、なんて……」

「ふむ……ならば、裸の付き合いというのはどうかの?」

「それはもちろ……えっ?」

「なんじゃその反応は?」


 分かっていらっしゃらないご様子。

 裸の付き合いと言ったらお風呂しかない。カグラ様とお風呂に入れるのは嬉しいけど、まさか向こうから提案してくるなんて……


 首を傾げているわたしにやれやれと、


「お主に裸を見られた程度で、羞恥心なぞ感じはせんよ」

「へぇ、そうなんですかぁ〜」

「ほれ、置いて行ってしまうぞ?」


 そっか、恥ずかしくないんだ。

 ……ちょっと悔しいから、恥ずかしくなって貰っちゃおうね。


 …………。


 まさかの露天風呂でした。

 けど、驚きはすぐに消え失せる。

 なんせ、絶世の美しょ……美幼女がどこも隠さずに堂々と現れたんだから。思わず目を逸らすと、水を得た魚のようにからかってくるカグラ様。


 なので、反撃させていただきました。


「……もう、お嫁に行けないのじゃ……」

「行く気も無いくせに」

「一度言ってみたかったんじゃ……なんぞ、文句でもあるのかえ? お?」

「怖い、怖いからヤの付く人みたいな顔しないで! 大丈夫、カグラ様はわたしが貰ってあげるからね」

「ふん、責任を取るのは当然じゃ! わらわの体を、隅々まで……誇張なく隅々まで、確かめられてしまったのじゃからな……」

「ごちそうさまでした」

「うるさいわっ! 言っておくが、わらわを娶るには相応の格が必要じゃからな? あくまで、嫁に行くとするならば、という話じゃ」


 ツンデレなのかそうじゃないのか分からない。

 ちなみに、あんなことをしておいて敬語を使われても困る、的なことを言われたので呼び方以外は通常運行だったり。


 あんなこと、というのは……


 洗いっこをしたり、


 前を洗ってもよいぞ、とからかわれたり、


 許可を貰ったので、小さい胸も、幼女と違ってくびれた腰も、細くて可愛らしいおみ足も、毛の全くないつるっつるな〝ピー〟も、汚れが残らないように丁寧に洗ってあげました。


 石鹸が染みないよう、素手で。

 洗ってないじゃんというツッコミは無しで。


 意地を張って「やれ」と言うカグラ様、可愛かった。

 口を押えながら悶えるカグラ様、超絶可愛かった。


 結論、ロリもいいと思います。


「このロリコンめっ」

「真っ赤な顔で、しかもわたしの膝に座りながら言われても……小さい女の子って柔らかいなぁ、としか」

「変態!」

「変態でいいもん。むしろ、それを分かっててここに居るカグラ様は、お胸を触られちゃったりしても文句言えないと思うなぁー」

「す、好きにするがよかろう……」


 離れるって選択肢は無いらしい。

 遠慮なくもみもみ、というかなでなで? をする。神様のおっぱいをなでなで出来るのはわたしくらいなものだと思う。


「癒されるぅ……」

「一体なにで癒されておるんじゃ、お主……」


 はぁぁ……怒らない理由は分からないけど、たっぷり堪能出来た。些細なことは気にしない方向で。


 ふやけない程度に温まり、お風呂上がりは腰に手を当てて瓶のコーヒー牛乳を一気飲み。

 コーヒー牛乳なのはカグラ様の好みです。

 飲み方があれなのもカグラ様の趣味です。


 言い忘れていたけど、わたしの体は16歳相当なのだとか。純白の長髪で、胸はDの中間程、お尻と太ももは程よい感じ。

 鏡を見た限りでは美少女だなぁ、と。左目の下にある泣きぼくろが大人っぽさを演出しているのに、なんだかぽへっとした雰囲気を感じる。

 そんなことは無いのに……無いよね?

 あ、毛は薄らと。どこのかは想像におまかせします。


「えへへ〜」

「ご満悦じゃのぅ……」

「うん、それはもう。こんなにいい抱きまく――こほん。こんなに可愛い女の子と一緒に寝られるんだもの」

「今、抱き枕と言いかけなかったかえ? お?」

「冗談、冗談だから、ね?」

「まあ、いいじゃろう……」


 あまりにも待機時間が長過ぎるので、寝てしまおうということになった。カグラ様が別々のベッドに寝るという話をし終わった所で、押し倒すわたし。

 にゃんにゃんはしてません。単なる添い寝。


「神を押し倒すなぞ、殺されても文句は言えんからな?」


 とは言いつつも、毛布をかけてくれた上に枕もわたしに分ける優しさ。さっきみたいな気の抜けた声が出たのも、これが嬉しかったせい。


 子守唄の代わりにまだ聞いていなかった部分を説明してもらっていたけど、いつの間にか本当に眠っていて、起こされた時には残り10分という……。

 お腹は空いていない。

 ここは精神的な空間なので、何も食べなくても平気らしく、カグラ様は嗜好品としてしか食事をしないのだそう。


 というか、気づいてしまった。

 あれ? お別れなの? ……と。


「え、えっと、また会える……よね?」

「それはどうかのぅ……。お主次第、としか今のわらわには言えぬ。精々頑張るといいのじゃ」


 わたし次第。

 場合によっては会えることもある訳で。


「そっか……絶対に会えないわけじゃないなら、わたしは大丈夫だよ。きっとまた、会いに行くから」

「では、待っておるぞ」

「うん!」


 最後だからとカグラ様を思いっきりギュッとする。体が薄れていくのを後目に、「ありがとう、大好きだよ」と囁く。もちろん、好きというのは友達みたいな意味だけど。


 女の子の為なら色々と頑張れるつもりでも、神様に釣り合う程の存在になれるとは思えない。

 但し、愛してるって言われたら、そんな考えは捨て去って全力を尽くすだろうし、無理でも常識を壊す勢いになります。


 段々、感覚も無くなってきてしまった。

 カグラ様の体温が感じられず、今さら不安が押し寄せてくる。


「そんな顔をするでない。つい先程までは、会いに来ると息巻いておったではないか」


 少し寂しそうに、わたしの頬を撫でる。


 カグラ様こそ、そんな顔しないで。

 わたしの手がカグラ様の頬に届いた時、


「達者でな」


 優しい表情と声を感じ――


 気付けば、既にそこは異世界だった。


カグラ様視点の話も何か入れたいですけど……暫くしたら入れましょうか。

次回(8時間後)もお楽しみに!


ブクマとか、励みになってます。

本当にありがとうございます!

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