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どうせ異世界に来るならチートスキルとhappyフラグが欲しかった 〜〜 一寸法師はかく語りき 〜〜  作者: ・・・・
第一章 pro rogue the different globe 異世界で天国から地獄へと至る三日間
12/21

第十二話 ユリ根の美味しい料理は料亭の味?




「何だたんだろう」


「ご主人様?」


「なんでもない」


辻馬車屋から町役場へ行く途中ふと考える


道中では、また野盗に襲われるかもしれないと言う不安と緊張でそれどころではなかったが目的地の新温泉町に到着し落ち着いて思い返すと腑に落ちない事ばっかりだ…


野盗が言ってルプスも気になるがそれ以上にあの急転直下、怒涛の超展開はいったい何だたのか?


御都合主義もここまで来ると気持ちが悪い、

ソンタクンがガリガリに痩せ細った身体にムチ打って助けてくれたのは嬉しいし感謝もしている


しかし、しかしだ余りにも支離滅裂過ぎだ、百歩譲ってソンタクンが助けに来てくれたのはまだ良い、確かに危機的状況だったし凄く助かった


それに、向こうにはヨーカがいる、運良く、偶々、偶然、折良く、丁度、神々の気紛れでヨーカが予知夢を見て危機的状況知ったソンタクンが助けに来た可能性もある


だが、あの野犬の群れは何なんだ?

百や二百って数ではなかった、そんな数の野犬が集団で街道沿いの森の中にいる、普通に考えたらモンスター並みに危険な事だ


それに、その野犬は野盗を殺さずに戦闘不能にしただけだったし


さらには、俺達を襲わないどころか、まるでソンタクンに従っている様に従順だった


さっぱり、意味がわからない

これが、物語なら作者の頭は完全に腐ってる俺が読者ならツッコミではなく苦情を入れてるだろう


もしも、神の奇跡と言うのなら俺はこの世界でYES様以上の教祖になれるかも知れない


まさか!この世界に来た俺に目覚めた待望のチートスキルなのか⁉︎


んな訳ないよな〜


「はぁ〜」


「ご主人様、どうかしたのですか?」


ミーナ達はおかしいと思わないのだろうか?


「ソンタクンが助けに来てくれた時の事を考えていたんだ」


「あぁ〜、あの時はほんとうにビックリしましたね」


「ワタシもビックリしました」


「とてもビックリしたですよ、どの子も可愛かったですが茶色い艶のある毛並みの尻尾の長い子が一番可愛かったと思うですよ」


「あの犬達は何処から来たのでしょうか?それに、ソンタクンの部下?みたいな態度も気になりますね」


ミーナ、ソーナはビックリしただけ、ヒトミはビックリしてるポイントがずれてる

この中で味方はサクヤだけの様だ


「ソンタクンに聞いてもな〜」


上を向いて呟いた俺にミーナが声を掛けて来た


「ご主人様、町役場に着きましたよ」


「あぁ、行こうか」


この事は一旦保留だな、先ずはここに来た目的を果そう…


「あの〜、この物件を継承したアラタと言います、これ討伐証明書です」


「はい、少々お待ちください」


職員に用件を伝えてしばらくすると


「こちらが、屋敷と山林の場所を示した地図です。それから、金品は明日の昼以降にお渡ししますので、この証書を持ってまた起こし下さい」


「わかりました、ありがとうございます」






「とっても、立派なお屋敷ですよ〜!」


継承した屋敷を前にヒトミが驚きの声を上げる


「とりあえず、入ろう」


「「「「はい」」」」



「いらっしゃいませ、当屋敷にどの様なご用件でしょうか?」


「ここを継承したアラタです。これが証明書だ」


「お預かり致します……確かに」


「それで、君は?」


「申し遅れました、新しいご主人様 わたくしは、この中村家に奉公させて頂いておりました一般奴隷でございます。今後はアラタ様に誠心誠意お仕え致しますので、何卒お側に控える事をお許し下さい」


「わかった、よろしく頼む。屋敷の確認は明日にして、休める部屋と食事の準備をして欲しい、食材が無ければこれで買ってきてくれ」


そう言って俺はお金を渡す


「畏まりました。では、お部屋にご案内致します」






「こちらの、お部屋でお寛ぎ下さい。またこの廊下を右に進んで頂いた突き当りには温泉が御座います、いつでもお使い頂けます様準備してありますので、宜しければ旅の疲れをお流し下さい」


「ありがとう」


「わたくしはお食事の用意をして参りますので失礼させて頂きます」


「あぁ、わかった」


「あの〜私達もお手伝い致します」


「準備は、わたくしだけで大丈夫でございます。皆様は休んで旅の疲れを癒して下さい」


ミーナ達の申し出を辞退して奴隷は部屋を後にした。


部屋の奥にある障子を開けると、そこには綺麗な日本庭園が広がっていた。


桜に黒松、モミジがバランス良く配置され、池の畔にはササユリが一輪咲いている。

とても落ち着く…


「ご主人様!温泉に入りませんか?」


ミーナが目を輝かせて聞いてきた、聞く迄も無い事を…


「入ろう!」



「わぁ〜、凄いですよ!ご主人様」


景気良く服を脱ぎ捨て、浴室への扉を開けたヒトミが驚きの声を上げ立ち尽くす。


広い浴室には、檜木で作られた大きな浴槽。

まるで、健康ランドか温泉旅館の大浴場だ!

ヒトミのテンションが高くなるのも頷ける


浴室の壁にはプレートがあった


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

泉質 表示


ナトリウム・カルシウム 硫酸塩泉


・効能 神経痛、筋肉痛、慢性消化器病、高血圧、慢性婦人病、やけど、健康増進など


・血管を拡張して、流れを良くするので高血圧や動脈硬化に効果があります

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


…めっちゃ、温泉旅館ぽい


「ご主人様、こちらに来て下さい!」


「わぁぁっ!」


俺はソーナの胸に抱かれ連行された

柔らかな感触のしあわせに包まれて周りが見えない…


早く! 大きく成りたい!!


歩く振動で揺れている、俺の理性は揺らいでる!

振動が大きくなった⁉︎ この揺れは!

ま、まさか M12なのか⁉︎

(M=マグニチュード M12の地震が起きた場合

長さ1万kmの断層が動いて、地球が真っ二つに割れて起こるレベルである。(理屈上最大級の地震だ) アラ0ちゃんのパンチ級だ!


もぉ〜あかん、理性が倒壊す…る…


「ほら、見て下さい!」


林に囲まれた、石造りの露天風呂。

崖の上に造られた風呂から夕日に照らされた海が一望できる、この光景を見れただけでもここに来た甲斐がある。


しばらく温泉で寛いだあとに部屋に戻った。




「ご主人様、お食事のご用意が整いました

お手数をおかけしますが、こちらにお越し下さい」


「皆んな行こうか」


「「「「はい」」」」


奴隷の後をついて行くと五人分の膳が並べられた部屋へ通された。


膳は上座に一客、少し離れて左右に二客づつ置いてある。

俺が上座にある膳の奥の嵩上げされた椅子の上に座ると


「皆様、只今お食事をお持ちいたしますので、お品書きをご覧になってお待ち下さい」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


お品書き


①先付 …大根と夏野菜のサラダ

②椀物 …白身魚のお吸い物

③向付 …ホタルイカの刺身

④焼物 …但馬牛のステーキ

⑤強肴 …イカと大根の煮物

⑥酢肴 …ワカメと胡瓜の酢の物

⑦食事 …ご飯・味噌汁・香の物

⑧果物 …梨のすりおろしゼリー


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


料理の献立も凄くいい!

旅行で温泉旅館に来たみたいだ…


「お待たせ致しました」


俺は並べられた料理の美しい盛付けに見惚れた。

そして、この食欲を掻き立てる香り!

それぞれの料理がちゃんと自己主張をしながらも、互いを尊重し全てが一つの料理で有るかの様に調和が取れていた!


目で良し、香りで良し…

もう、待ちきれない!


「皆んな頂こう!いただきます」


「「「「いただきます♪」」」」



………んぅ〜


「んぅま〜い♡」


膳のサイズが皆んなと同じBIGサイズだけど!食べ来てそうな気がする!


皆んなも一心不乱に箸を進めている。


奴隷が甲斐甲斐しく俺の食事をサポートしてくれている。


「料理、本当に美味しいよ! 部屋も庭園も温泉も料理も全て最高だサービスも至れり尽くせりで、本当に料亭か温泉旅館みたいだ」


「温泉旅館ですよ」


「え?」


「「「「えぇ〜!」」」」


「奥様がたにもお気に召して頂けましたでしょうか?」


「そんな!ワタシが奥様だなんて♡」


「本当に全てが最高です、でも私達は奥様ではないですよ」


「え?」


「四人ともご主人様の性奴隷です」


「へぇ?」


「でも、皆様には名前が…」


「ご主人様が番号では無く名前で呼ぶっと仰いまして、素敵な名前を付けて頂きました」


「そう言えば、君は何て呼ばれていたの?」


「奴隷です」


「それじゃ〜…」


日本庭園に一輪咲いていたササユリを思い出す


「名前はユリネで」


「え?」


「これから、よろしく ユリネ」


「「「「よろしくお願いしますユリネさん」」」」


「名前を頂きありがとうございます」


こうして、新たにユリネが仲間に加わった


「但馬牛んぅめ〜」


ユリネの美味しい料理はじつは旅館の味だった。

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