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16、奪還始め (流血ちょい有り)

落ち着かない人間達の横で、エリーがまさかと予想される事態を想定する。

でも、何度頭の中でこれまでの情報を処理しても、それを無視して感情と言うAIが強く声を上げる。

胸のブローチが、それを後押しする。


サトミ!サトミ!ああ……この人は、博士じゃ無い、ミラノ・タチバナじゃないの。

どうか、どうか、私を取り戻しに来て・・・・・



「玄関、遅いわ。」


ソファーに座る女の言葉に、若い男がふと顔を上げ、胸から銃を取り手を上げる。

そしてドアに向かった。


「俺が見てくる。」


ドアに手をかけた瞬間、一番戦績がある顔に傷のある男がハッと顔を上げた。


「待て!」


「え?」


若い男が振り返りざま、ドッとドアを突き抜け刀が肩を突き抜ける。


「ギャッ!」


瞬間、身体をスパークが走り、髪が逆立った。

傷の男が駆け寄って若い男の服を掴み、刀から抜き取るように手前に引いてソファーに放り投げながら、間髪入れずドアに向けて銃を数発撃つ。

一呼吸置いて刀が抜き取られ、ドアの向こうでドサリと音がした。


「やったの?」


女の問いに、傷の男は無言で壁から一歩置く。

壁を背にすると、どこから突き抜けて刀が来るのかわからない恐怖心があった。


しんと音が消え、傷の男がノブに手をかけようとした時、ノブがガチャリと回る。

息を飲んで間を取った時、それはゆっくりと開いた。


「ひどいなあ、案内して貰ったのに、いきなり撃たれるなんて。

お仲間、死んじゃったかな?」


キイィ・・・


ドアが開き、刀を下げたサトミが姿を現す。

その後ろには、胸を撃たれて倒れた仲間が見えた。

エリーが目を見開き、祈るように手を組んでその場で目を閉じる。

躍る心を抑え、サトミの指示を待つと判断した。


「貴様!」


息を飲んで、奥にいた黒いシャツの男が2発の銃を撃った。



キンッ!キン!カンッキンッ

「ぐっ!」


瞬間、弾が部屋を飛び交い、何かが黒シャツの男の耳をかすめた。

隣の男の叫びを不思議に思いながら、こめかみから血を流し倒れる姿に目をやる。「え?」泳ぐ視線でサトミを見た。


いつ取り出したのか、サトミが左手に持つ小刀を構えている。

奴はあれで弾を受けたのだと、ようやく確信した。


跳弾?!こんな、金属も少ない部屋で・・まさか、あの小さな女神の銅像?

暖炉の上に、ドレス姿の女神には遠目でもわかる2カ所に傷がある。


まさか・・偶然じゃないか・・?


思わず耳に手をやると、手にべっとりと血が付いた。

数センチずれたら、自分も頭を撃ち抜かれていただろう。


銃の弾を、あの小さな刀で?!


信じられないが、それでも、恐怖を感じるとまた銃を構えてしまう。

引き金に指をかけた時、無駄だとばかりに小刀をくるりと回し、クスリとサトミが笑った。


「すいません、弾を避けるのが精一杯で、うっかり当ててしまいました。

失礼します、ポストアタッカーです。

誤配達の確認が取れたので、先ほどの荷物をお返し願いたいのですが。」


静かな声に、余計不気味さを感じて女が震える。

ここにいるのは、自分が目をかけた実線向きの人間ばかりだ。

なのに、もう2人が倒れている。


「荷物がなんですって?え?

跳弾?そんなことしたら、どこに当たるかわからないじゃないの!

まさか・・、タイヤをパンクさせたのあなたね?!」


うろたえる女に、微笑むサトミの顔が残念そうな顔になる。

大きく首を振り、いきなり左手の小刀を投げた。


「ひっ!」


小刀は、女がそっと手を伸ばそうとした横のバッグに突き刺さる。

切れたバッグから、銃の鼻先が覗いて見えた。


「あなたは偽造したIDカードでミラノ・タチバナを名乗りましたね?

カード偽造は私の管轄ではありませんが、違法行為で荷物を強奪しようとした行為はポストアタッカーの規定で武器使用が認められます。

彼女、返して頂こう。」


グッと女が他の男達を見る。

外にもいたはずだが、誰も来ないのを見ると恐らく倒されたのだろう。

車が来ればまた増援が望める。

自分を含めてあと3人、ここで時間をなんとか稼ぎたいと考えた。

落ち着いて座り直し、足を組む。

テーブルのタバコを1本取りだして火を付けようとライターを手にした。


「武器だなんて物騒ね。

ねえ、あなたも軍の人間だったんでしょう?だったら話を聞いて頂戴。

凄いのね、そんな剣初めて見たわ、あなた銃は使わないの?」


落ち着きを装い、女が微笑みを浮かべる。

サトミがエリーに歩み寄った時、テーブル上のタバコの吸い殻とエリーの手に焼け焦げを見つけた。

エリーは祈りのポーズでうつむいていた顔をようやく上げる。

彼女の微笑みが不自然に歪んでいる。

笑っていいのか、良くわからないのだろう。

彼女にこんな顔、させたくなかった。

ため息を深くつき目を閉じた時、隙を見つけたかのように黒シャツの男が銃を撃った。

サトミは目を閉じたまま、かすめるように弾を避けながら刀を上段から振り下ろす。


ブオン!


「うわっ!」


風を切る音が、シャンデリアを揺らし、剣圧が離れた男の身を切り裂いたかと錯覚させた。

男が後ろにひっくり返り、衝撃のあった身体を慌ててさする。


「エリー、目を閉じ耳をふさげ。そこを動くな。

貴様達、俺を怒らせた、そのことを後悔するがいい。」


低いその声に、刀を構えるその姿に、傷の男がハッとする。


「貴様!戦時中見たことがあるぞ!部隊を口封じに殺しまくったあの・・・・・」


「それは、お久しぶりです。」


サトミがクスッと笑う。


「この!殺人狂が!貴様、俺の部下を!」


怒りに傷の男が銃を撃つ、だが、サトミは紙一重で避けて当たらない。


「少尉!」


黒シャツも合わせ、男2人が銃を撃つ。

刀を横に振り、弾丸を切って、他を避けながら身を低く落とし、ソファの肘掛けに踏み出し飛び上がる。

刃を返して黒シャツの銃を持つ手を峰打ちでたたき落とすと、風を切り、傷の男へ刀を振り下ろした。


まあ、流血ちょっとあるので、ちょいアリで。

同じ軍にいたのに何で敵対したことがあるのかは前々回参照。

戦闘開始です。

それではまた。

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