2・黒い雷
久しぶりの更新ですわ。『転生したドララーのオタクは、美少女になり、ドラゴンの恋人になって、竜騎士になりました』もよろしゅう頼みます。
一方所変わって、此処はエルディア王国の首都・エルディル。クーデターが終息してから一月が立ち、街は平穏を取り戻していた。しかしそんな街にもならず者は存在していた。
「だ、旦那! 頼むから金を払って下さいよ!」
「はぁ!? あんな不味い飯食わしといて、金払えだぁ? ふざけんじゃねえぞ親父!」
店の店主に怒号を上げるのは、大柄のガラの悪そうな男。その傍らには男の仲間と思わしき、二人の男が立っており、二人のやり取りをニヤニヤしながら見ていた。
「そんなぁ…私は注文された料理を出しただけなのに…」
「だから、それが不味かったんだよぉ!」
男が更に怒号を上げた時だった。
「おい」
「ああぁ!?」
背後から声を掛けられて振り返ると、其処には紺色の武道着の様な服に身を包み、マントを羽織って、額にゴーグルを嵌め、右耳に銀のイヤリングを着け、腰に細長い剣を差した黒猫獣人が居た。
「何だテメェは?」
「この街でくだらない騒ぎは起こすな! 街の人の迷惑だ」
黒猫は落ち着いた口調で言った。
「はっ! 戦闘力の無い猫獣人が、いっちょ前に剣をぶら下げて何言ってやがる! なぁ?」
男は連れの二人に対して尋ねたが、返事が無かった。不思議に思って振り返ると、連れの二人は青ざめた表情でいた。
「ボ、ボス…ソイツは…」
「何だよ、知っている奴か?」
ボスと呼ばれた男が訪ねるが、連れの男はガタガタ震えながら答えた。
「ソ、ソイツ…一か月前にこの街で起きたクーデターを止めた奴だ…」
「クーデターって…確かこの国の軍団長が起こした奴か…おいまさかこんなガキが…」
「止めた奴は…黒猫の獣人だって聞きやした」
もう一人の連れの男が、恐る恐ると言った。
「……」
ボスがもう一度黒猫を見る。
「ば、馬鹿野郎! んなのデマに決まってるだろ! それよりお前ら、この黒猫をやっちまえ!」
ボスが連れの男達に命令するが…
「む、無理だぁボス!」
「に、逃げろぉぉぉ!!!」
連れの二人は一目散にその場から逃げ去った。
「…アンタは逃げないのか?」
様子を伺っていた黒猫が呟いた。
「テ、テメェ何者だ!」
ボスが黒猫に尋ねた。
「グレン=シュバルツ。エルディア王国所属の王女護衛部隊の隊長だ!」
そう黒猫‐グレン‐は名乗った。
「はっ! たかが黒猫の獣人が、つまらないホラを吹くな!」
そう言うとボスは、グレンに向かって殴りかかってきた。グレンはそれを軽く避けると、左足を回転させて、ローキックを放った。
「らぁ!」
「ぐぼぉ!?」
グレンの放った蹴りは、ボスの腹部を捉えて命中させた。グレンの蹴りを食らったボスは、そのまま仰向けに倒れこみ気絶した。グレンはアイテムボックスの首輪から、縄を取り出すと、ボスを縛り上げた。
「こんなもんで良いか…あとは街中を巡回している兵に任せるか」
「グレン様」
と其処に、先程の店主が駆け寄ってきた。
「ありがとうございます。グレン様が来て下さらなければ、どうなっていた事やら…」
「気にする事はない…それよりも…」
グレンはボスの服を探った。するとボスの財布らしき革袋を取り出した。
「これは食事の代金だ。それと兵士が来たら事情を話しておいてほしい。それじゃあ俺は急ぐので」
そう言うとグレンは、足早にその場を去る。
『マスター。少し時間に遅れていますよ』
「分かっているよリア。だから急いでいるんじゃないか!」
『音速猫を使いになれば良いのでは?』
「こんな街中で使ったら、街の人に迷惑が掛かるよ!」
『でもマスターは既に、『黒い雷』という異名を持っているので、理解されるのでは?』
「何でその異名で理解されるんだ!?」
『世界の知識』リアの言葉に、思わずツッコミを入れるグレンであった。走っているグレンの翻しているマントには、エルディア王国の紋章があった。
グレン=シュバルツ
種族・黒猫獣人
年齢・15歳
職業・魔法剣士
レベル・65
能力・剣術、雷魔法、炎魔法、水魔法、風魔法、土魔法、無属性魔法、言語理解、鑑定、ステータス隠蔽、物質物錬成能力、物質物付属能力、飛行猫LvMAX、音速猫LvMAX、分身猫Lv1、変身猫、???、超感知能力、完全精神耐性、超回復力、世界の知識、痛覚無効。
称号・異世界の勇者、神の加護を受けし者、偉大なる捻くれ者、駆け出しの冒険者、覚悟を決めし者、エルディア王国男爵、マイルスを守る者、黒い雷。
体力・549129
知力・436548
魔力・630196
精神力・321940
身体力・749831




