70・友達
短いですが、幼馴染サイドのお話ですわ。ラスト若干バトロワ意識ですねん。
時間は遡って、グレンがこの世界で新たな肉体を得た日、パルネル王国にて勇者が召喚された。
「ようこそ、異世界の勇者の皆さん」
見たことがない大広間に於いて、如何にも王様と言った感じの初老の男性が、39人の少年少女と一人の女性に言った。男性が話を続ける中、少年少女の一人、片山 遥人は考えていた。
『何だ? 何が起こった? 異世界の勇者? 僕達が? ラノベとかアニメである異世界召喚が起こったのか!?』
様々な思案を思いめぐらせる中、声を掛ける者が居た。
「ねえ、遥人…」
それは杉下 琉季であった。琉季は不安げな口調で言った。
「…紅蓮は何処?」
「紅蓮?」
「居ないんだよ…紅蓮が…」
「まさか!?」
遥人はクラスメート達の顔を見回したが、其処にはもう一人の幼馴染の姿は無かった。
「あ、あの!」
話を続けていた王様の話を遮る様に、遥人が大声を出した。
「どうした、片山」
其処に出て来たのは、神山 勇樹であった。
「紅蓮が…紅蓮が居ないんだ」
「黒崎が? アイツの事だから、何処かに隠れているんじゃないか?」
「紅蓮は、こんな時にふざける様な事はしない!」
現状と的外れな事を言う勇樹に、遥人は憤りを感じながら言った。其処に…
「恐らく…」
王様が口を挟んだ。
「何ですか?」
遥人が尋ねる。
「恐らく召喚の際に、何か其方で事故があったのでは?」
王様に言われて、遥人は思い出した。
「そういえばあの時…紅蓮の体が消滅して行く様に見えた…」
「やはり…恐らくその者はもう生きてはいない…召喚の魔力に巻き込まれて、肉体を破壊されたのだろう…」
王様は無情にもそう言った。それを聞いた瞬間、遥人と琉季は崩れ落ちた。
「嘘だぁぁぁ!? 紅蓮!!!!!」
「いやぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!」
二人の叫びが、召喚された広間に響き渡った。
男子10番 黒崎 紅蓮 死亡(?)
残り生徒と教師 40名
あと残り1話を書いたら、第1部は完結ですわ。
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