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黒猫の騎士  作者: 黒猫キッド
第一部・クーデター編
7/77

7・グレンの初戦闘

『…何とか間に合ったみたい…』

 少女の無事な姿を確認して、内心安心する。それと同時に、今回の『音速(ソニック・)(キャット)』の使用で、ある事が分かった。


 スキルの連続使用が可能。


 グレンは此処に来るまでに、『音速(ソニック・)(キャット)』の制限時間が切れると同時に、ダメ元でスキルの再使用を行ったのだ。その結果、連続で使用が可能だった事が分かったのであった。

『まあとりあえず…助ける事は出来た…』

 心の中で呟きながら、グレンは切り捨てたゴブリンの死体を見下ろした。

『こんな大きな動物(?)を殺したのに、ショックを受けない…スキルにあった『完全精神耐性』のおかげか? それとも神がこの体を作る時何かしたのかな…いや、考えるのを止めよう…今は…』

 グレンはゆっくりと夜月を構える。

「このゴブリンを倒すのが先だ」

 落ち着いた口調でグレンは言った。

「あの、君…」

 少女が話しかけてきた。

「大丈夫…君は休んでて」

「う、うん…」

 妙に落ち着いた口調のグレンに、少女は戸惑いながらも従う事にした。

「グルルゥゥゥゥ!!!!!」

 ゴブリン達は、突然現れたグレンに仲間を殺された事に激怒している様だ。一方グレンは、冷静にゴブリン達を分析していた。

「棍棒が今倒した奴を除いて5体、短剣の奴が3体…奥に居る剣を持って、鎧を着ているのは、差し詰めホブゴブリンか?…大丈夫だろう」

 グレンは先程一体倒した事により、倒せるという確信があった。それは過信とかではなく、本能的なものであった。

「ガァアアアア!!!!」

 棍棒を持ったゴブリンが、飛び掛かって襲ってきた。

「……」

 しかしグレンは動揺せず、冷静に見極めていた。

「…遅い!」


 ヒュン! ザンッ!


 夜月が一閃したかと思った瞬間、ゴブリンは体から血を吹き出しながら、地面へと落ちていった。

「…何だ? 僕が強いのか? それともゴブリンが弱すぎるのか? まあどちらにしても…」

「ギャギャゴォ!!!」

「グギャギャ!!!」

「ギャオオオ!!!」

 最後尾のホブゴブリンを除いたゴブリンが、一斉に襲い掛かって来た。

「全部倒すだけだけどね!」

 グレンは刀を構え直し、ゴブリン達に突撃した。

 一体目は棍棒を避けた後、柄で顔面の殴り、怯んだ所を首を撥ねた。二体目はナイフを持っていたが、振ってきた所を避けて、足でナイフを払った後顔を掴んで、三体目の攻撃の盾にし、そのまま三体目の攻撃を受けて絶命した。

 三体目から八体目までは、単独で挑んでも勝てないと判断したのか、同時にかかってきたが、グレンは何の苦もせずに、全て葬り去った。

「さて…残りはアイツだけか」

 ホブゴブリンを見据えながらグレンは言った。

「グギュギュ…」

 一方ホブゴブリンはというと、部下を全て突然現れた黒猫獣人に殺された事に、動揺を隠せないでいた。そして…

「グギャギャギャ!!!!」

 破れかぶれで剣を振り回しながら突撃してきた。

「……」

 グレンは無言で夜月を構えて、ホブゴブリンに向かって行った。


 ザンッッッ!!!!


 お互いの擦れ違い様に、斬撃音が草原に響いた。

 グレンは無言で夜月を鞘に仕舞った。


 ドサッ…


 鞘に仕舞うと同時に、ホブゴブリンは倒れた。


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