68・黒猫の騎士
「…う…ん…」
カーテンから差し込む朝日を感じて、マイルスは目を覚ました。すると…。
「!?」
隣で寝ていたはずのグレンの姿が無かった。
「おはよう」
「!」
声のした方を見ると、其処には既に服を身に付けたグレンが、椅子に座って寛いでいた。
「グレン…居なくなったかと思ったよ」
「居なくならないよ…俺はもうマイルスから離れたりはしない…」
「グレン…」
「…それより、早く服を着なよ」
グレンの言葉に、未だに全裸だった事を思い出したマイルス。
「…グレンのエッチ」
「何でだよ!? それこそ今更じゃん!」
マイルスの文句に、グレンがツッコミを入れた。
※ ※
マイルスが服を着る間、グレンは夜月の刃の確認をしていた。
『流石は神がくれた武器、あれだけの人を斬ったのに、返り血の錆処か刃毀れもしていない』
『夜月は永久に錆びたり刃毀れしない素材で作られています』
リアがグレンの関心に答えた。
『リア。何で今まで黙っていたんだ?』
昨日の王座以来、一度も話しかけてくれなかったリアに、グレンは尋ねた。
『それはマスターとマイルスの情事に、水を差すわけにはいけませんから…』
リアにはっきりと言われ、黙り込んでしまうグレン。
『あのね、もう少しオブラートに…』
「グレン」
マイルスに話しかけられて、リアとの会話を中断する。振り向くと既に、何時もの露出度の高い服を着たマイルスが居た。
「着替えたんだね」
「うん。グレン、ちょっと良いかな?」
マイルスに呼ばれて、グレンはマイルスの傍まで行く。
「ちょっと右耳貸してくれる?」
そう言われてグレンは、マイルスに右耳を近付けさせる。すると右耳に何かを着けられる感触を感じた。
マイルスが離れると、グレンは右耳に触れてみた。右耳に取り付けられたそれは、イヤリングであった。
するとマイルスがグレンを室内にある、鏡台の前に立たせた。鏡に映るグレンの右耳には、銀のイヤリングが輝いていた。
「そのイヤリングは、ボクとお揃いだよ」
そう言ってマイルスは左耳を見せた、其処には金のイヤリングが着けられていた。
「このイヤリングは、お母さんが残したマジックアイテムで、どんなに離れていても、居場所を感じる事が出来るんだ。お母さんが『貴方の愛した人にあげなさい』って、渡してくれたんだ」
「ありがとうマイルス…大切にするよ…」
そう言うとグレンは、マイルスの前に跪いた。
「それではマイルス姫。不肖この私グレン。貴方を愛し守りぬく、黒猫の騎士となります。末永くお付き合い下さい」
と、畏まった口調でグレンが言った。
「はい。お願いします、黒猫の騎士グレン」
微笑みながらマイルスは、グレンの言葉を受け取った。
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