65・グレンの過去
今回は大半が台詞の上に短いですわ。
「俺と琉季と遥人は、小さい頃からの付き合いだった。何処に行くのも三人一緒だったし、遊んだりイタズラするのも一緒だった。
子供の頃は、きっと大人になってもずっと三人で居られると思ってた…でもある日、何時までも同じ関係では居られないって分かったんだ。
今から二年前に、俺達は同じ学校に入った。それから間もなく俺は、琉季に恋心を抱いているのに気付いた。琉季を幼馴染としてではなく、一人の女の子として好きだった…でもそれは俺だけじゃなかった。
遥人も…琉季の事を好きになっていたんだ。本人の口から聞いた訳じゃないけど、雰囲気とかで何となく理解出来たんだ。
俺は三人の関係を壊したくなかった…だから俺は…自分を悪者…捻くれ屋を演じて二人の仲を引き立てたんだ…。
二人は恋人同士で俺は二人の幼馴染、それで何とか関係を保とうとしたんだ。わざと琉季を怒らせる様な事を言って、それを遥人が何とかする…そのバランスで俺達は成り立っていたんだ。
俺は…三人で居れればどんな関係でも良かった…だから俺は身を引いたんだ」
「……」
マイルスは、俯いて話すグレンの話を黙って聞いていた。
「これで俺の話はおしまい…軽蔑したでしょ? 俺は只の臆病者さ。二人との関係を壊したくない為に、琉季への想いから逃げたんだから…この世界に来るのだって、やろうと思えば、二人と同じ場所に現れる事も出来たさ、二人ならこんな姿の俺を受け入れてくれただろうし…けど俺はしなかった。臆病者だからさ…」
そう言って顔を上げるグレン、その瞳には涙が溜まっていた。
「マイルスに対しても同じさ! 俺が好きになっても、他の誰かを好きになるかも知れない…そして前と同じ事をする…俺は…僕はソレが怖かったんだ。マイルスが誰かと恋愛関係になるのが怖かったんだよ!!!」
グレンの言葉は、最後の方は嘆きになっていた。
「……グレン」
それまで黙って聞いていたマイルスが口を開いた。そして立ち上がってグレンへと近付いて行った。そして…
フワッ…
「!?」
マイルスはグレンを優しく抱きしめた。
「大丈夫だよ…ボクはグレンを愛している…グレン以外にはそういう感情は抱かないよ…だから安心して…もう…大丈夫だよ」
「う…ううう…うあぁぁぁぁん!!!!!!」
マイルスの優しい言葉に、グレンの長年塞き止めていた想いは一気に溢れ出し、大声で泣いた。
マイルスはそんなグレンを拒絶せず、優しく頭を撫でながら泣き止むのを待った。
グレンの弱さ…それが今回書きたかった事ですわ。
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