63・グレンの真実
玉座の間に案内されると、王座にはジルガ、その隣にはマイルスが座っており、ロイナスとラインも居て、それ以外には誰も居なかった。少々異様な雰囲気にグレンは戸惑う。
「気にする事はない。もっと近くに来い」
ジルガに言われて、グレンは玉座の中程まで行き其処で跪いた。
「今回はお前には世話になった。お前が居なかったらマイルスやこの国はどうなっていたか…本当にすまない」
と、ジルガは王座から立って、頭を下げた。それに対してグレンは戸惑う。
「頭を上げて下さい。俺…いや僕は当然の事をしたまでです」
慌ててグレンが言うと、ジルガが言った。
「謙遜する事は無い。お前はこの国の英雄なんだ…それよりお前に聞きたい事がある」
ジルガが話を変えてきたが、その口調は真剣なものであった。
「お前は一体何者なんだ? 空を飛ぶ事が出来るなんて、ただの猫獣人という説明では着かないぞ」
「……」
ジルガの言葉に、グレンはどう答えれば良いか悩んだ。
「…『リア。どうすれば良い?』」
『…やはり正直に、マスターの素性を話すのが宜しいかと』
「……」
リアにそう言われたグレンは、考えた末に本当の事を話す事にした。
「分かりました。僕の正体を話します」
グレンは覚悟を決めた。
「僕の本当の名前は、黒崎 紅蓮。こちらの世界ではグレン クロサキになりますね」
「グレン クロサキ…確か俺が鑑定した時に見た名前だったな…? 『こちらの世界』って意味はなんだ?」
ジルガが尋ねた。
「…僕はとある王国が、異世界から呼び出した存在の一人なんです」
それからグレンは、様々な事を話した。自分が神のミスで肉体を失った元人間だという事、新たに与えられたのが、この黒猫の体という事、そして爆発的な戦闘力と様々なスキルを身に付けている事を…
「…とても信じられないが、お前の戦闘力を聞いた処、嘘とは思えないな…お前のステータスを見せられないか?」
ジルガに言われて、グレンはステータスを表示した。
グレン クロサキ
種族・黒猫獣人
年齢・15歳
職業・魔法剣士
レベル・58
能力・剣術、雷魔法、炎魔法、水魔法、風魔法、土魔法、無属性魔法、言語理解、鑑定、ステータス隠蔽、物質物錬成能力、物質物付属能力、飛行猫LvMAX、音速猫LvMAX、分身猫Lv1、変身猫、???、超感知能力、完全精神耐性、超回復力、世界の知識、痛覚無効。
称号・異世界の勇者、神の加護を受けし者、偉大なる捻くれ者、駆け出しの冒険者、覚悟を決めし者。
体力・349129
知力・236548
魔力・430196
精神力・121940
身体力・549831
「な、何だこのステータス値は!?」
「これが…グレンの本当のステータス」
ジルガとマイルスは其々の感想を述べた。一方のグレンも内心驚いていた。
『うわぁ…滅茶苦茶レベルとステータス値が上がってる…。これってルカナスとその手下を倒したからだよなぁ…』
そう考えるグレンであった。
「何だよコレ…俺らの十倍以上はあるぞ…」
「スキルの数も普通じゃない…」
ロイナスとラインも、驚きを隠せなかった。とりあえずグレンはステータスのウィンドゥを閉じる。
「あと、もう知っていると思いますが、僕はアイテムボックス持ちです」
そう言うとグレンは、アイテムボックスから夜月を取り出した。それを見たロイナスとラインは納得した。
「なるほど、アイツの武器が消えていたりしたのは、アイテムボックスを持っていたからか…」
「確かにそれなら、武器を消す事も可能だね」
グレンは夜月を腰のベルトに差し込んだ。そしてジルガを見つめた。
「これで僕の話せる事は全てです」
「…一つ聞きたいんだが、お前はこれからどうするつもりだ?」
ジルガの質問に、グレンは少し考えて答えた。
「当初はパルネル王国に向かおうかと考えていましたが、あの国は獣人を嫌うという風習がある様なので、気ままに旅をしながら考えるつもりでした。幸いギルドにも登録しているので…」
グレンの話を聞いた後、ジルガは何かを考えて、マイルスに小声で何かを囁いた。そして…
「グレン…もしお前が良ければ、この国の騎士にならないか?」
そう告げたのだった。
ステータス値が馬鹿みたいに高いグレンですわ…それを設定した僕も大概ですが…。
感想・ブックマーク・誤字報告・質問ありましたらどうぞ、ほな




