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黒猫の騎士  作者: 黒猫キッド
第一部・クーデター編
61/77

61・守りたいから

 キキキキキキィィィンンン!!!


 激化する戦いの中、グレンは夜月を激しくルカナスの魔剣に打ち付ける。そのスピードは時と共に速くなっていった。

打ち付けられた衝撃で、ルカナスは吹き飛ばされる。

「くそ、何故だ何故だ何故だ!? 何故貴様は其処まで戦える!? 何故先程から強くなっている!?」

こどもの様に癇癪を起しているルカナスに、グレンは冷めた口調で言った。

「俺は最初っから、ある事しか考えていない」

「ある事だと…?」

「…マイルスを守る事。それだけが、俺がこの戦いでどうすれば良いという風に振舞える訳だ」

「ふざけるなぁ!? そんな事で私が負けるというのか!?」

 ルカナスはがむしゃらに、グレンに向かって剣を振るった。だがそれは空を切った。グレンの姿が消えたのだ。

「!?」

 その瞬間ルカナスは、背後に静かな殺気の様なモノを感じた。

「もう一つ言うと、俺とお前とは圧倒的にステータスの差がある…それも理由でもある…」


 ザンッ!!!


 グレンの夜月の刃が、ロイナスの鎧を切り裂いた。

「がはぁ…」

 血を吐きながら、倒れ込むロイナス。

「何故…何故だ…私が猫獣人等に負けるなんて…お前さえ居なければ、この国を好きに出来たのに…」

 呪詛の様に吐くロイナス。そんなロイナスにグレンは言った。

「俺はただマイルスを守りたかっただけだ…国も何も関係ない」

 そう言うとグレンは、ルカナスの背中に夜月を突き立てた。

「ぐぁああ!!!」

 短い断末魔を上げて、ルカナスは絶命した。最後に止めを刺したのは、グレンなりの武士の情けであった。

「……」

 グレンは無言で夜月を鞘に戻した。

「グレン…」

 マイルスの声がして、グレンはマイルスの方に足を進める。

「マイルス…!」

 マイルスの名を呟くと、マイルスがグレンの胸に飛び込んできた。

「…守ってくれて…ありがとう…」

 静かで穏やかな口調で、マイルスは礼を言った。グレンはそんなマイルスの頭を優しく撫でた。

 こうしてルカナスのクーデターは、首謀者の討伐により終焉を迎え、生き残った反乱した兵や騎士は投降した。


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― 新着の感想 ―
[気になる点] 1話まえからルカナスがロイナスになってますよ〜
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