56・クーデター 3
その頃城の会議室では、ジルガが騎士から報告を受けていた。
「話によれば、謀反を起こしているルカナスの軍勢は全体の半分みたいだが、現状ではどれくらい制圧出来ている?」
「はっ、ロイナス様率いる第一軍とライン様率いる第三軍のご活躍により、70%程制圧に成功しているそうです」
「そうか。ルカナスは発見次第、殺さずに拘束しろ! 今回の事で色々聞きたいからな…」
「畏まりました!」
そう告げると、騎士は会議室を出ていった。
「何とか治まりそうだが、ルカナスの奴、何でこんな事を…!」
独り言を呟いていたジルガは、ある事を思い出した。
「そういえば、マイルスの奴。今日は孤児院に行く日だったけど、まだ行っていないか?」
ジルガはマイルスの所に行こうとし、会議室を出ようとした。その時…
「陛下!?」
と、突然会議室に飛び込んでくる存在が居た。ラインであった。
「どうした、ライン」
「御無礼をお許し下さい。これを、我が軍の兵士が発見しました」
そう言って差し出したのは、マイルスの杖だった。
「これはアイツの…まさか」
「恐らく姫様は…ルカナスの手の者に捕まったかと…」
大事にしていた杖を、マイルスが道に何かに置いていくはずもなく、ラインはそう意見した。
「くっそぉ! 全軍に告げろ! 何としてもルカナスを探し出し、マイルスを救出しろと!」
「はっ!」
ラインは命令を受けると、素早く行動に移した。残ったジルガは呟いた。
「すまないマイルス。俺も探しに行きたいが、俺は王として此処に残らなければならない…」
自らの立場を羨んだジルガであった。
※ ※
「うぉら!」
「ぐわぁ!」
ロイナスが居る場所の最後の兵士が倒された。
「これで最後か…負傷者や戦死者は居るか?」
ロイナスが辺りを見回すと、負傷者居る様だが戦死者は殆ど見当たらなかった。
「よし、ルカナスを探すぞ!」
そう言った時だった。
「ロイナス様―!」
其処に一人の兵士が走って来た。
「どうした!?」
「こ、こちらへ来て下さい!」
兵士に案内されて、一本の道へとやって来た。其処には…
「こ、こいつは…」
其処には、斬殺されたとらしき、無数の兵士や騎士の死体が転がっていた。
「調べてみると、この兵士や騎士達は、第四軍の者達の様です」
「何?」
兵士の言葉を受けて、ロイナスは死体を調べてみる。
「これは…剣で受けた様な傷だが、俺達が持っているのとは刃の形状が違う…魔法でもないみたいだし…誰かこいつらを倒したか?」
ロイナスが兵士や騎士達に尋ねるが、全員が首を横に振った。
「何者だ? こいつらを殺したのは?」
少なくとも第三者の存在を感じ取った、ロイナスであった。
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