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黒猫の騎士  作者: 黒猫キッド
第一部・クーデター編
5/77

5・武器と爆発的な戦闘力と能力

 分けたもう一つの方です。今回は逆に長いですわ。

 数分後…


 とりあえず落ち着いた紅蓮は、状況を整理した。


 教室で異世界転移があり、自分の肉体消滅

      ↓

 自称、『神』に出会い、新しい肉体を貰った

      ↓

 新しい肉体は、猫の獣人だった


「……」

 整理しても、紅蓮には理解出来なかった。

「何で? 何で猫なんだ!? 新しい肉体なら、人間で良いじゃないか!? 魔王の呪いで、カエルになった騎士は知っているけど、神の行為で猫になったなんて、聞いた事ないよ!?…あっ!?」

 その時紅蓮は、ある事を思い出した。

『猫は良いな…自由にしてて…』

 それは、今朝自分が言った言葉だった。

「まさかアレか!? あの言葉で猫にしたのか!? 言ったからって、ホントに猫にするか普通!?」

 憤る紅蓮であったが、やがて後悔しても仕方がないという結論に辿り着き、とりあえず落ち着く事にした。すると…

「んっ?…これは…」

 すぐ傍の草むらに、見慣れたものが落ちていた。それは紅蓮の通学カバンであった。

「神が一緒に転送したのか? まあ何かの役に立つかな…」

 そう言いながら紅蓮は、カバンをひっくり返してみた。

「ん? 何だこれ?」

 出て来た教科書やノート、筆記用具の他に、見慣れない腕輪の様な物が出て来た。

「何だ腕輪? こんなの知らないし、神が入れたのか?」

 そう言いながら紅蓮は、右手に腕輪を填めようとした。しかし…

「な、何だコレ? ブカブカじゃないか。しかもコレ、一部が外れる様になっている」

 腕輪はあまりに大きくて、腕に填められなかった。更に腕輪はデザイン的に後ろの部分が外れる様になっていた。

「…! まさか」

 紅蓮は徐に腕輪を、首に近付けた…。


 カチッ…


 しっかりと紅蓮の首に填まった。腕輪ではなく、首輪だった。

「何処まで人を馬鹿にすれば気が済むんだ! あの腐れ神は!?」

 あまりの馬鹿さ加減に激昂する紅蓮。勢いに任せて首輪を外して、投げ捨てようとした。その時…

「? 手紙?」

 教科書等の間に、一通の手紙があった。差出人に想像が付きながらも、首輪を外すのを止めて読んでみる事にした。


『やあ、黒崎 紅蓮君。この手紙を見ているって事は、異世界に着いたみたいだね。どうかな新しい体は? その体に合わせてアクセサリーもあげたけど、気に入ってくれたかな(笑)』


「……」

 紅蓮は破きたい衝動に襲われたが、何か必要な事が書いてあるかもと思い、とりあえず続きを読む。


『まあ冗談はさておき、君のその首輪は、ラノベでいうアイテムボックスだ!』


「アイテムボックス!?」

 紅蓮は反射的に首輪に触れる。


『僕が作った特注品だから、キャパは無限大。更に入れた物は時間経過も起こらないから、食べ物とかも大丈夫だよ。あと君の注文の日本刀も入っているから。頭に思い浮かべれば、中のリストも確認出来るし、取り出したりも出来るよ』


 やり方を確認して、紅蓮は頭の思い浮かべる。

「…成程、確かに日本刀が有るね…よし」

 今度は取り出すイメージをした。するとその一瞬で、紅蓮の手に一振りの黒い日本刀が現れた。

 紅蓮は日本刀を鞘から抜いて、掲げてみた。刀身は銀色の光を放っており、刀身の長さはかなりあった。まるで夜空に浮かんだ月の様に見えた。

「…()(づき)…夜月が良いかな!」

 紅蓮は日本刀‐夜月‐を鞘に仕舞うと、ズボンのベルトに差し込んだ。更に手紙の続きを読んでみる。


『それと君の能力について述べよう。君の様々な能力は爆発的に上げておいたから。確認するなら頭の中で、『ステータス』って述べれば、透明な板(君の世界のゲーム等でいえば、ウィンドゥ)が現れて見れるから』


「成程ね…じゃあ見て見ますか…」

 紅蓮は頭の中で、『ステータス』と述べた。すると目の前に透明な板、即ちウィンドゥが現れた。




 グレン クロサキ


 種族・黒猫獣人


 年齢・15歳


 レベル・1


 職業・魔法剣士


 能力・剣術、雷魔法、炎魔法、水魔法、風魔法、土魔法、無属性魔法、言語理解、鑑定、ステータス隠蔽、物質物錬精製成能力、物質物付属能力、飛行(フライング・)(キャット)Lv1、音速(ソニック・)(キャット)Lv1、???、???、???、超感知能力、完全精神耐性、超回復力。


 称号・異世界の勇者、神の加護を受けし者、偉大なる捻くれ者。


 体力・630


 知力・650


 魔力・889


 精神力・659


 身体力・1290


「……」

 とりあえず絶句するしかなかった。

「何だこのステータス値!? この世界の基準値は知らないけど、神の言葉どおりなら、レベル1でこのステータス最早化け物クラスだよな!? ってか能力の数パネェ!? RPGに出て来る属性の魔法全部あるじゃんか! おまけに称号の内、『異世界の勇者』と『神の加護を受けし者』は分かるけど、『偉大なる捻くれ者』って何だよ! 最早馬鹿にしてるのか、褒めているのかすら分からない!」

 激しいツッコミを入れた後、冷静になって気になる点を見つける。

「この『飛行(フライング・)(キャット)』と『音速(ソニック・)(キャット)』って何だ? 鑑定能力で調べられるかな?」

 そう紅蓮が呟いた瞬間、ウィンドゥの表示が切り替わり、能力の詳細が現れた。


  飛行(フライング・)(キャット)

 『スキル使用者を5秒間、浮遊させます。スキルのレベルの上昇と共に、持続時間が伸びて、最大では時間無制限での使用が可能になります。』


  音速(ソニック・)(キャット)

 『スキル使用者を5秒間、音速での移動を可能にさせます。スキルのレベルの上昇と共に、持続時間が伸びて、最大では時間無制限での使用が可能になります。』


「マジで!? 空飛べるの僕?」

 飛行(フライング・)(キャット)の能力に興奮する紅蓮。

「しかし5秒だけか…一応やってみるか…」

 グレンは飛行(フライング・)(キャット)のスキルを使用してみる事にした。

「ステータスの時みたいに、頭に浮かべれば良いのかな?」

『スキル使用 飛行(フライング・)キャット!』

 試しにスキルの使用を浮かべてみる事にした。すると…

「!? 浮いた!」

 紅蓮の体は地面から離れ、空中に浮かび始めた。

「移動出来るかな?…出来た!」

 ゆっくりであるが、紅蓮の体は移動し始めた。しかし…

「うわっ!?」

 突然紅蓮の体は浮遊力を失い、草の上へと落ちた。幸いにも高さは地面から二m程の高さであった。

「あ痛てて…痛くないな? 身体能力おかげか?」

 痛みを感じるかと思ったが、紅蓮は全く痛みを感じなかった。

「現段階では、5秒しか使えないな…崖から落ちた時とかには使えそうだな…さて、お次は音速(ソニック・)(キャット)だな…」

『スキル使用 音速(ソニック・)(キャット)!』

 そう呟きながらも、紅蓮は音速(ソニック・)(キャット)を使用した。

「…? あんまり体の感じは変わらないけど…試しにあの岩まで走ってみるか…」

 紅蓮は50m程離れた所にある、岩まで軽く走りだそうとした。


 ヒュン!


「!?」

 気が付くと紅蓮は、何時の間にか岩の傍まで移動していた。

「…速すぎて、自分でも分かりにくい! 殆ど瞬間移動じゃないか!」

 音速(ソニック・)(キャット)に対しての、紅蓮の感想だった。

 紅蓮は元の場所に戻り(音速(ソニック・)(キャット)は未使用の徒歩)、今度は夜月を鑑定してみる事にした。


 夜月

『神から与えられた、グレン クロサキ専用の日本刀。

 この世界において、かなりの強度を持つ物質で作られており、グレン及びグレンが心から認めた者のみ持つことが出来、それ以外の存在が持つと重量が増す。

 離れた所にあっても、グレンが呼びかけ(その際、声は不要)で、手元に飛んでくる』


「夜月も中々のチートウェポンだな。流石は神が用意した武器」

 夜月の刀身を見ながら呟いた。

「ってか、さっきから僕の名前の表示が片仮名になってるな…此れからは片仮名にするかな…」

 紅蓮…もとい…グレンは、これからは自分の名前の表示を片仮名に決めた。

 やがて夜月を鞘に戻すと、教科書等の荷物をカバンに入れて、肩から下げた(アイテムボックスに入れないのは、手ぶらでは誰かと会った時に、不審に思われない為)。

「さてと…まだ色々やりたい事があるけど、とりあえず大きな街でも目指すか…」

 そう言いながら、グレンは神からの手紙の最後の文章を思い出していた。


『最後に君が居るのは、エルディア王国と呼ばれる場所で、他の生徒達が呼び出されたのは、パルネル王国という場所だから…まあ、君には他の生徒の居場所は不必要だと思うけど、一応伝えておくね。それじゃあ、新しい人生(猫生?)を楽しんでね』


「…猫生は余計だけど、まあ楽しませてもらうとするかな」

 そう言うとグレンは歩き出した。

 こうして、黒猫になったグレンの異世界生活は始まったのだった。


グレンのモデルは、某RPGに出ていた、カエルの勇者です。

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[一言] 1回当り1.7kmを5秒で移動できるのか 微妙だ
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