47・理不尽な扱い
PV16000超え、おおきに!
「エルディルが見えた!」
グレンが、背中に背負ったマイルスに話しかけるが、マイルスから返答は無かった。一瞬焦ったが、背中越しに聞こえる心音と微かな寝息から、眠ってしまっている様であった。
『どうやらマイルスは、マスターの膨大な魔力に当てられて、酷く体力を消耗してしまっている様です』
「100%僕の性じゃん。とりあえず、マイルスを城まで届けて…!」
グレンは遠くに多くの砂埃を認知し、『超感知能力』で確認してみた。
「…二百騎程の軍勢…戦闘に『LOINAS』と…『LUKANAS』…? ああぁ、あの嫌味な団長か…こちらに向かってくるな」
「マスター。迎撃しますか?」
リアが尋ねる。
「いや、一応顔見知りだから、事情を話せばトラブルにならないだろう…もう一人はどうかは知らないけど…」
そう呟きながら、グレンはマイルスを背負ったまま、エルディア方面に歩き続ける。
やがて二百の騎馬隊が、グレンの目の前に現れて、その中から二騎の騎兵がグレンに近付いてきた。馬に乗っているのは、狼獣人のロイナスと人間であるルカナスである。
「おい貴様! その薄汚い背に乗せているのは、姫様だな!? 今すぐこちらに引き渡せ!」
最早弁解の余地すら与えない言い方で、ルカナスはグレンに言い放った。その言い方にグレンは、内心憤りを感じていた。
『何なんだよ、コイツの言い方は…昨日もそうだけど、理不尽な扱いをして…動物嫌いなのか?』
『ルカナスは、獣人嫌いです。この世界では一部の国では獣人を排他的に扱う傾向があります。マスターのクラスメートの居る、パルネル王国もそうです』
『マジか!? じゃあ僕行けないじゃん』
ルカナスと世界の情報、更にはパルネル王国の情報に、グレンは心中で戸惑う。
「おい貴様! 聞いているのか?」
何の返事もしない事に、怒りを募らせるルカナス。今にもグレンに剣を向けそうだった為、グレンもマイルスを背負いながらも、夜月を抜こうとした。その時…
「待て待て、ルカナス」
間に入る人物が居た。ロイナスである。
「少し落ち着け! こいつを見ろ! 気を失った姫様を助けてくれただけだろ?」
「フン、どうだか! こいつが気絶させて、我が国に身代金を要求する気だったかも知れないだろうが!」
「……」
正直グレンは、ルカナスの今の言葉に反論したかったが、話がややこしくなると考えた為に、あえて黙っていた。
「姫様が戦闘力の低い猫獣人に負けるか! 常識考えろよ」
マイルスより弱い扱いされているが、やはり黙っているグレン。
「所詮貴様も、そこの猫同然に獣だからな! 同じ獣同士気にかけているのだろう!」
「!!! お前なぁ! いい加減に…」
「あの、ちょっと良いですか!」
二人が喧嘩に発展しようとした寸前、グレンが声を掛けた。
「何だグレン」
ロイナスが尋ねた。
「貴方方はマイルス様を保護しに来たのですよね? では、引き取って下さい」
グレンは、ロイナスに近付くと背中を向けて、マイルスを差し出した。差し出されたロイナスは、無言でマイルスを引き取った。
「僕はギルドの依頼で草原に来ていただけなんで。マイルス様とは、その時偶然出会っただけなので…では僕はギルドへの依頼達成の報告をするので」
それだけ述べるとグレンは、騎兵達の間を通って行き、エルディルへと向かっていった。
『良いのですかマスター。あれで?』
リアが尋ねる。
『理不尽な扱いされて、面倒事に巻き込まれるのはゴメンだしね…それに王国の騎士なら預けて大丈夫だろう…』
心の中でそう返答するのであった。
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