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黒猫の騎士  作者: 黒猫キッド
第一部・クーデター編
38/77

38・変わり者のおっさ…王様 1

 約一月振りの投稿ですわ。今回長いので、二回に分けますわ。PV9000越えおおきに!

「…あの~」

「何?」

「コレは何で着けられているの? 明らかに周囲に誤解を招くと思うけど?」

「君が逃げない様にする為だよ」

 現在グレンは、ラインに連れられながら、何処かへと向かっていた。但し、グレンの右手首には手錠が着けられており、それに繋がっている鎖は、ラインの手に握られていた。

『どんなプレイだよ…ある意味凄い光景だぞ』

『マスターに逃げられる事に警戒されていますね』

 心の中で愚痴を溢すグレンに、リアが言葉を投げかける。

「ところでウサギさん。僕は何処に連れられて行くの?」

 連行されていながら、グレンはラインの行先を知らずに、そう尋ねた。因みにラインの名前は判明しているが、他所から来た自分が知っていたら不審だと思われる為、向こうが名乗るまで言わない事にしている。

「…そういえば、僕の名前を名乗っていなかったね。僕の名前はライン。エルディア王国騎士団の第三軍の軍団長だ。それから、これから君を連れていくのは王城だ。陛下とが一目会いたがっている。姫様もな」

「…ちょっと待った。僕これから王様に会うの?」

 あまりの事に動揺するグレン。そんな簡単に言われても困るのだ。

「どうやら姫様が、陛下に君の事を話したら、一度会いたくなったらしい…陛下は少し変わり者だからな…姫様もそんな陛下に似てしまっているし…」

「ラインさん。アンタ今さり気無く、不敬罪的な事を言わなかった?」

 一国の‐しかも自分が仕えている‐王に対して、『変わり者』呼ばわりする事に、グレンはツッコミをいれる。

「大丈夫さ。陛下はそういう事には、まるで拘らない。だから君も気にせず居れば良い…そう言っている内に着いたね」

 ラインの視線の先には、大きな城壁に囲まれた城門があった。

 ラインは門の前に居る番兵に話しかける。

「第3軍軍団長のラインだ! 陛下への客人を連れてきたので、開門してほしい」

 番兵は手続きの確認をし、ラインはそれを待っている。一方グレンはというと、手錠に繋がれた鎖を触っていた。

『これうっとしいなぁ…何とか千切れないかな…』

 そう思いながら、グレンは鎖を掴んで、左右に引っ張ってみた。


 バキッ!!!


 …鎖が千切れた。

「「「「……」」」」

 グレンを初め、ラインや番兵も言葉を失った。

「…切れちゃった」

「ちょっと待て!? 今なにやった!?」

 呆気なく言うグレンに、ラインが食い掛かる。

「何って…鎖引っ張ったら、切れちゃったんですが?」

「そんな簡単に切れる訳ないだろ!? もしかして、凄く力を入れて引っ張んたんじゃないか?」

「『不味いな…この人(?) さっきの僕の立ち回り見ているから、単純な力だけなら見抜かれるかも…こうなったら、シラを切るか…』まさか、鎖が錆びてたんでしょう? 僕は猫獣人ですから、鎖なんて千切る力は無いでしょう」

「ッッ!!!」

 あまりにも白々しい事は、ラインにも良く分かったが、猫獣人=戦闘力皆無というのは常識なのも事実であった。

『…確かに、僕の知っている猫獣人は、僕達兎獣人と比べても、戦闘力な全くない…だけど、彼に戦闘力があるのは、先程の戦いで分かっている…しかしこのまま言っても、恐らく彼は認めないだろう…やはり陛下に任せるしか…』

 そう心の中で呟くと、ラインは溜息を吐いて言った。

「…まあ良い…それより、これから陛下に会ってもらう…ただ城内に入る前に、その細長い剣を渡してもらう」

 ラインが腰の裏側に差してある夜月を示して言った。

「……」

 殆ど先程のロイナスと同じやり取りだった為、グレンは無言で夜月に触れ…消した(アイテムボックスに入れた)。

「なっ!?」

 突然の消滅に、城門の番兵達は驚いた。そしてそれはラインも同じだった。

『まただ…先程の冒険者の武器といい、彼の武器といい…一体何処に消してしまっているんだ!?』

 ラインは疑問に思う。それ以前に黒猫獣人の少年が、アイテムボックスという国宝級のアイテムを持っているなんて、想像も出来るわけなかった。

「一体君は何処に武器を消したんだ!?」

「さあ? 何処だろうな~」

 ラインが尋ねるが、グレンは柳に風といった感じで、シラを切るのであった。

「別に王様の前で帯刀してなければ良いんでしょう? 安心して下さいよ。白昼に正々堂々と王様に襲い掛かる事はしませんよ」

と、グレンは興味なさそうに言った。

 ラインはまだ何かを言いたそうだったが、これ以上言っても無駄だと判断し、日切れて残された手錠を外して、何も言わなかった。するとそれと同時に、城門が開きだした。

「…一応監視は付けさせてもらう。少しでも不穏な行動したら、どうなるか分かるね?」

「分かってますよ。それより行きましょう」

 グレンに促されて、ラインはグレンを連れて城門を潜る抜ける

「!!!……」

 目の前に広がる巨大かつ鮮麗された城に、グレンは言葉を失う。

「僕はこれから、部下の鍛錬があるから、ここでお別れだ。陛下はこの先に行った庭園の奥の部屋に居られる。それじゃあ」

 ラインは行先を示すと、何処かへと去ってしまった。残されたグレンは…

「…やれやれ、面倒な事になったよ。まさか王様と会うなんて…」

『マスターの自重の無さが、原因かと思いますが?』

「…仕方ないじゃん…あの展開はああするしかないし…」

 先程の立ち回りに対してのリアの言葉に、やや気まずそうに返事をするグレン。

『とりあえずマスター、王の所へと行きましょう』

「そうだね…」

 グレンはラインが示した方へと歩き出した。


※         ※


 暫く歩いていると、グレンの目の前に、様々な花が咲き誇る庭園が現れた。

「流石に異世界だけあって、テレビとかじゃ見た事がない花が咲いているな…!」

 感想を述べるグレンの視界に、庭園の世話をしているらしき、ラフな格好をした中年の男性が捉えられた。

「『庭師かな…王様の居場所、聞いてみるか…』あの~すみません」

 グレンは男性に話しかけた。

「あ? 何だ?」

 その男性が、ややぶっきらぼうに返事をした。

「僕、この国の王様に呼ばれているのですが、王様の所ってどこですか?」

「ああそれなら、其処から入って右奥に行った赤い扉の所だ」

 男性は、庭園奥に見える入り口を示した。

「ありがとうございます」

「良いって事よ」

 男性に礼を言って、グレンは庭園奥の入り口へと向かった。

 男性に言われたとおりに道を進むと、大きな赤い扉があり、その前には衛兵らしき二人が立っていた。

「! 何だお前は!」

 扉の前まで来たグレンに、兵士が警戒しながら尋ねる。

「王様に呼ばれた者です。途中までラインという兎の獣人に連れられてきたのですが、途中別れて此処まで来ました」

「…確かに、陛下から黒猫獣人が来るとお受けになっていたが、生憎と陛下は此処には居ないぞ!」

「『…呼んでおいて、居ないのか…とは口には出来ないし…』そうですか、じゃあ何処かで待たせ…」

「あああああ!!!!!」

 グレンの声を遮る様に、廊下に声が響いた。何かと思いグレンが声のした方を向くと、其処には狼獣人のロイナスが居た。

「げっ!?」

 露骨に面倒くさそうな表情を浮かべるグレン。

「遂に見つけたぞ! クソガキ!」

 グレンに詰め寄ってくるロイナス。

「よくもあんなふざけた事をしてくれたな!?」

「はて? 何の事ですか?」

 首を傾げるグレン。

「惚けんな! 俺が渡した金、俺の部下に返させたろ!?」

「ああ、あれですか…実はスリに取られたのですが、親切な人が渡してくれたんじゃないですか?」

「ッッ!!! このニャーニャー野郎!」

 あからさまな嘘を言うグレンに、ロイナスは憤る。

『人をジャージャー麺みたいな言うな!』

 内心文句を言うグレン。

「…まあいい、それよりお前、何で城なんかに居るんだ!?」

 落ち着いたロイナスが尋ねる。

「王様に呼ばれて来たんです。でも、庭園に居た人に聞いて此処まで来たのですが、部屋には居ないみたいなんです」

「何…? ちょっとついて来い!」

 何か思い当たる事があるのか、ロイナスはグレンを連れて庭園まで向かう。

やがて庭園へと出た。すると其処には先程の男性がまだ居た。

「なあ…お前が聞いた人物は…あそこに居る人か?」

 ロイナスが男性を示しながら尋ねる。

「ええ、そうですけど…あの人が何か?」

「!!! 馬鹿野郎!!!」

 答えたグレンに殴り掛かろうとするロイナス、グレンは間一髪で回避した。

「っと危ねぇ!? 何するんだいきなり!?」

 反論するグレンだったが、ロイナスは無視して男性の方へと向かう。そして…

「陛下! そんな恰好で出歩かないで下さい!」

と、男性に向かって言ったのだった。


 『ニャーニャー野郎』は、グレンのモデルの人物の事を、『ケロケロ野郎』と呼んでいた事からきてますんや! 『ジャージャー麺』の行は、これを思いついた時に浮かびましたわ。

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