33・ギルドはテンプレの原点なのです
ラインがグレンを見失ってから五秒後、グレンは先程の場所から離れた、街中の別の場所に居た。
その答えは至って簡単。角を曲がった直後に、グレンは『音速猫』を使い、音速の速さでその場から去ったのだった。
「流石の団長さんも、音速の速さは追ってこれないね」
と、グレンは上機嫌な口調で言った。
『ところでマスター、ギルドの方角は分かっているのですか?』
「…ナビして、リアちゃん」
リアは呆れながらも、案内を再開させるのであった。
それからやや遠回りしながらも、グレンは目的地である冒険者ギルドに辿り着く事が出来た。
「さてと、では入りますかな」
勇んでギルドへと入るグレン。
中に入ると、其処はグレンがラノベとかで知る、ギルドのイメージそのままであり、入って正面に受付嬢が居るカウンターがあり、端の方には酒場の様な物があった。
其処に居る冒険者らしき数人が、自分を見ている事にグレンは気付いた。
『大抵こういう場合、お約束の『テンプレ』ってのがあるけど…出来れば、ラノベの中だけにしてほしいね…』
面倒事はゴメンだと思いながらも、グレンは冒険者登録をする為に、受付へと足を進めた。
「すみません。冒険者の登録をしたいのですが?」
グレンは訪れた所に居た受付嬢に話しかけた。ところが受付嬢は困惑した表情で口を開いた。
「あの…お言葉ですが、此処が『冒険者ギルド』と分かってておいでですか?」
「ええ、そうですけど」
「貴方は黒猫獣人ですよね? それならば、『商人ギルド』の方が良いのでは?」
そう受付嬢が言った理由に、グレンは理解できた。本来戦闘には向かない種族である、猫獣人が冒険者ギルドに訪れるのは、異様な事であるからである。
「大丈夫ですよ。自分で言うのも何ですが、戦闘には自信があるので」
「ですが…」
尚も受付嬢が食い下がろうとした時…
「オイオイ、黒猫の兄ちゃんよぉ! 此処はオメェみたいなのが来る所じゃないぜ!」
背後から馬鹿にする様な声を掛けられ、グレンは肩越しに振り返った。すると其処には、ガラの悪そうな三人の冒険者らしき男達が立っていた。
そんな男達を見て、グレンは内心溜息を吐きながら思った。
『はい、テンプレ来たー…』
感想あったら、ホンマにどうぞ!




